生まれ変わったら別人でした
「私、入れ替わって良かったのかな?」
「俺は少なくともお前が傍にいてくれて良かったと思ってるよ。ありがとうな。」
そう言葉を交わした後、2人は神聖なる木の下でキスをした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「はぁ〜今日も疲れたぁ!!!」
そう言って私は学校から帰り、自分の部屋のベッドへダイブした。
私の名前は新井なみ。ごく普通の高校三年生。
一般の高校三年生といえば、あるものを控えている。それは大学受験だ。私は大学受験のために朝から晩まで勉強。学校と塾の行き帰りの毎日に疲れ果てていた。
「こんな毎日が後何ヶ月続くんだろう…もし、大学受験で失敗したら勉強漬けの毎日が延長…?!無理すぎる!!」
だが、最近私に1つの趣味ができた。
「はぁ…今日もジヒョン様かっこいい!!!目の保養だわ〜。ファンクラブ入ったのに全然ライブ当たらないし…、、認知してもらえなくてもいいから1度生で拝見してみたいな…」
それはアイドル鑑賞だ。スマホの画面の中でダンスをするアイドルに密かに憧れを持っている。特に最近は日本で超人気のアイドルグループARSの鑑賞にハマっている。
ベッドでくつろぎながらスマホを見ていると、お母さんが私の部屋のドアを勢いよく開けた。
「なみ!7時から塾でしょ!?早く用意して行きなさい!あなたにはお兄ちゃんと違って、国立大学行ってもらわないといけないんだから!」
「もう分かってるよ!今行こうとしてたの!」
私には2歳上の兄がいる。だが兄は、親の国立大学へ行き、医者になるという期待を裏切り、家を出て、自分の夢を叶えるために専門学校へ通っている。今、お母さんとお兄ちゃんは仲直りの見込みがない喧嘩中だ。
そのため親の期待は全て私にかかっているのだ。
お母さんに急き立てられ、私は急いで塾へ向かった。
「ヤバい、後2分で電車来ちゃう!急がないと遅れる!」
思えばこの時が人生の分かれ道だったと思う。
私は方向確認をせず、走り出した。
「危ない!!」
“ドン”という音が周りに鳴り響いた。
「え、どうなった…?私、轢かれた…?このまま死ぬのかな、?周りの人も集まってきてるし、何か言ってるけ…ど…」
色々な事が頭の中を巡った後、意識が段々薄れてきて、そのまま私は目を閉じた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「……!……!アンナ!アンナ!!!」
名前を呼ばれた気がして目を開けると、綺麗な女の人とおじさんが私の顔を覗き込んでいた。
「やっと起きた!あぁもう良かった!」
「いや〜このまま起きなかったらどうしようかと思ったよ」
「え、誰ですか…?」
「誰って、私たちのことを言ってるの?何言ってるのよアンナ」
何言ってるのとはこちらのセリフだ。知らない女の人と男の人が側にいて、私のことをアンナだと言う。頭が混乱して訳が分からない。
(この人たちは誰?アンナって私のこと?ここどこなの?)
「本当に頭がおかしくなってしまったのか?」
(いやいや、頭がおかしくなったってそんなわけないでしょ…そしてこのおじさんは誰だ…)
とりあえずベッドから身を起こそうと思い、立って鏡を見ると、そこには全く別人の自分が写っていた。
初めての作品なので、誤字脱字や文章的におかしい所も見受けられると思いますが、読んでもらえるととても嬉しいです。よければブックマーク、評価の方お願いします。