11.クラス分け
記憶にある入学式とは違い、良くいえばウェットに富んだ素晴らしい入学式、悪く言えば歴代の中でもドタバタした漫才の様な入学式…も終盤を迎え、クラス分けが発表される処まできた。
長かった…、本当に長かった…。
カリムといい、エデル王子といい…余計な事ばかりしやがりまして…本当に。
何もしてない私が、悪目立ちしたじゃないですか…。流れ弾に被弾も良い所ですね…。
本当にイイ迷惑ですこと。
ですけど、薔薇君ゲーム中での7歳クラス(1年目)は、エデル王子と主人公は同じクラスの1組、私は最もクラスの離れた7組だった…のよね?確か。
そして、これ幸いと同じクラスになったエデル王子と主人公が距離を縮める筈…、確か。
距離が物理的に離れ、エデル王子の心まで離れてしまう…と、焦ったリリアーナは、休憩時間毎に1組へ。
そこで、エデル王子が主人公に微笑みかけるのを見て、リリアーナが悪役令嬢として覚醒する…のよね。ストーリー的には。
と、いう事はですわよ?薔薇君通りのクラス編成であれば、私の一年間は平穏無事に勉学に励める筈です!!!
さぁ、先生達のクラス分けを聞きましょう!!
「……………エデル・ハワード、リリアーナ・アイスフェルト、サクラ……………カリム…………以上、36名が1-1だ。名前の呼ばれた者は
私に付いて来なさい。」
…………………は?
…………は?
なんで…?なんで…?どうして私がエデル王子とカリムとサクラと同じクラスですの?
え?なんで…?
ゲームの世界ではない…理解はした。してた筈。
けど、プレイヤーは存在した。したのよ?だから、クラスも別れると…
そして、クラスは一緒になった。
え〜…………本当にありえない…私の平穏は?
私は、静かに学園生活を送りたいんですのよ…?
そして、あわよくば、素敵スチルを………
「そんな、ありえない…」
私は、そこで意識が途絶えた。
◇
何やら、心地よい揺れの後、どこからか会話が聞こえてくる。
「やはり、普段から頑張り過ぎっすよね。こんな色白で線の細いお嬢さんが熟す量じゃねぇっすもん。」
こう見えて、かなり社畜だったので、今の分量位は余裕です。
「リリアーナは頑張り屋さんだからな。何れ、背負うであろう国民に恥じない自分になりたいと言ってたしな。」
それは、貴族として普通です。
「いや〜、王子といい、リリアーナちゃんといい、子供が考える事じゃねぇっすよ。そう云うのは、大人に任せとけば良いんすよ。」
その大人に任せておけば発言は、貴族には適応しません。
「だが、何れ私達も大人になる。その時に、勉強が足りませんでした。は、通用しない。それが貴族であり、王族だ。」
その通りです。責務です。生まれた時から運命られた宿命です。
「いやいや、今の貴族連中はそこ迄考えてねぇっすよ。確実に、絶対。己の懐しか見てねぇっすよ。」
そんな輩は、貴族の価値なしです。
「だから、私達が居るんだろ?私が政務に携わる様になったら、腐った奴等は全て廃する。もちろん、協力してくれるよな?」
その通りですね。腐ったミカンは駄目です。廃棄です。
「はいはい〜。王子は、いつまで経っても俺の助けが必要ですもんね〜。」
人が意識飛ばして倒れてる横で段々声量を上げるな…、五月蝿い…。惚気か?カリムよ?
「……エデル王子、カリム、五月蝿いです。」
私は、ゆっくり瞳を開ける。
そこは、先程迄の講堂ではなく、全体に白い消毒液の臭がする室内、保健室かしら?
人一人寝返りが出来る位のベットから身を起こし、隣で得意気なエデル王子を叱咤する。
「このような、防音も微妙な場所で、何不穏な事をペラペラと…。貴方の頭はおがくずでも詰まってますの?」
ややションボリするエデル王子、お腹を抱えるカリム…。
「良いんだ。これを聞いて、自身の身の振りを考える者が出るかも知れないじゃないか。」
甘い事を言う王子様ですこと…。所詮、お子様ですわね。
「エデル王子、甘い事を仰らないでくださいませ。倒れてしまった私がいう事ではありませんけど…、今はまだその時ではありません。今は、何も言わず、ただ学園生活を充実させる事…、ですわよ?」
私の言葉に、エデル王子も、カリムもキリッとする。
2人とも黙ってれば良い男なんですけどね。
「良いですか?分かりましたね?」
「勿論だ、リリアーナ。私は、この学園でリリアーナの素晴らしさを、そして私の深い愛を…」
「了解っすよ!取り敢えず、教科書とかは机にあるらしいんで、教室に戻りましょう!」
ナイスカリム!
エデル王子の長ったらしい惚気は、私も聞きたくありませんもの。
「そうね、教室に案内してくださる?」
「勿論っすよ。」
「カ、カリム…!お前は私の!!」
「ほら、エデル王子、早く行きますよ。」
言わせない。
エデル王子とカリムの漫才は後でで結構です。
私達は、教室に向かう。全体的に白いのは建物もなのね。
廊下も、狭過ぎず、かといって広過ぎる訳でもない。良い塩梅とはこの事だろう。
私は、保健室から教室迄の道程を覚えつつ、学園内を観察していた。
まぁ、造りはゲーム通りみたいね。………本当に、ならクラス分けもゲーム通りにして欲しかったですわ。




