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父たちがいる部屋から出て、自分の部屋がある2階の1番隅の角部屋まで戻る。
一人暮らしのアパート探しであれば角部屋は結構好条件だと思うが、この家で角部屋は隔離するためにあるような部屋で他の部屋とは遠ざけられたところにある。まあ静かなので記憶を思い出した私的にはいいと思う
扉を開けると洋室、ベッド、タンス、クローゼットに机と基本的なものが多く壁紙はピンク、おもちゃやアクセサリーが転がっていて片付けがしばらくされていないような部屋だ。
突然悲しい、寂しいといった感情を感じた、これは記憶を思い出す前の私の感情だろう
ピンクのかわいらしい部屋もおもちゃもアクセサリーも親の気を引きたくて強請ったことがあった。
部屋は使用人がピンクの壁紙にした、アクセサリーやおもちゃは両親と買いに行くということはなく、お小遣いだけ渡されるようになり使用人と買いに行くことになった。
悲しさと寂しさだけが募っていってもっと我儘をいうようになると今度は使用人も嫌な顔をするようになった
結果私は使用人にも親にも嫌われこの家の中で完璧に孤立していた。自分ながらに本当に可哀そうな子だとは思う。
まず部屋に置いてある鏡で自分の顔を見てみる。うんゲームのライバルの顔そのものだ
黒髪はロングで一応整えてはいるのか艶はちゃんとある、瞳は父親譲りで灰色っぽい
地味ではあるけれどどちらかといえば綺麗めな方だ。ケアはしっかりしていこう。
ただ、これは中身の私の問題なのか不愛想で無表情だ。作り笑顔がとても下手。私のせいだな
自分のことを再認識したうえで次は机の上のものなどを見る、教科書やノートが散らばっているがあまり開かれた形跡がない。通知表も落ちていたので開いてみたが・・・これは酷い
今年で14歳なのにここからその成績で大丈夫か?と言いたいような散々なものだった
「ちょうど次は中等部2年後半から絶対!勉強!頑張る!」
そういえばライバル悪役馬鹿だったな、私が思い出したからにはそうはならないぞ!夏休みは勉強だ!!
例えエスカレーター式であろうとこの成績は許されないと思うそれくらい酷い
あと運動もしっかりしよう、スチルで見た私はもう少しふくよかになっていた気がする
夏休み中の目標も決まったのでひとまず散らかった部屋を片付け机もノート教科書類を広げれる程度にしておもちゃやアクセサリーで使わないものは1つにまとめた。今度リサイクルショップでも探しに行こうかしら?
ありがたいことに疎ましがられる私は車とかお付きが絶対ついているわけでもなく見送りも大抵ないのでどこに行こうとばれることはない、そう考えると護身術も学んだ方がいいのだろうか?習い事も多分勝手にしろと使用人を通して言われるであろう・・・言ってて悲しくなってきた。
粗方片付け終えたら勉強を始める前にこの世界についての情報をまとめることにする
部屋に入られて勝手に読まれると嫌なので丁度おもちゃの中にあった鍵付きのノートを使うことにした
【恋の音】
主人公の高校からの恋愛模様を描く
主人公 東雲紫音 1年生 優しくかわいく、元気な少女。恋愛に関しては鈍感
攻略対象
義理弟 東雲龍太 1年生 我儘、生意気、甘えん坊、微ヤンデレ
3年生 西条陽 生徒会長 俺様、面倒見がいい
3年生 北御門玲 副会長 冷静、腹黒
3年生 南方秋 会計 チャラ男、たらし、二面性
2年生 花城優弥 初期 根倉、おとなしい、わんこ
2年生 木暮咲 庶務 小悪魔、かわいい、あざとい
1年生 月見里拓斗 幼馴染 同級生 スポーツマン さわやか
1年生 神田紅 同級生 1匹狼 不良
教師 氷月真 担任 冷徹 厳しい
教師 御縁紬 副担任 優しい 天然 おっちょこちょい
全ルート共通ライバル悪役
2年生 東雲零 父親や周囲の愛を受ける主人公に嫉妬。頭は悪く運動もできない 最終的に死亡
家族
父 東雲雅己 前妻(蘭)と零を厭う。雪、紫音を溺愛、龍太も可愛がって次期当主にするつもり
前妻 東雲蘭 雅己の前妻、故人。我儘、強欲、自己中心的。夫も娘もなんとも思っていなかった
使用人 暁 仁 青年くらいの使用人、紫音、龍太のサポート。若いが使用人頭
「・・・・・・っとこんなものかな。」
それぞれ顔グラと説明があったキャラクターだ。方角の名前がついている東雲、西条、北御門、南方は日本で有数の名家だ
そのほかも金持ち私立の水明学院に通うだけあって医者だったり政治家だったりの子供が多い学校だ
主人公の義弟はすぐに転校してくるが、主人公は前の学校を卒業してからが良いということで高校から外部受験してくることになる
確かプレイしてたときは高校に入るまでは義弟とも仲良くなっている感じはなかったけど実際のところはどうだろうか。
義弟の微ヤンデレが怖いのが事実。実際ゲームでの死亡は逃走中崖から落ちてだが、彼のルートの時だけは別で逃走中に彼が先回りし崖から突き落とすのだ。結局他のルートと同様、足を滑らせたという事故処理はされるが・・・・・・想像して背筋がぞくりとする
いや、こういう結末にならないためにも今から頑張るのだ。後ろめたいことなんて一切ないように正々堂々生きていくことにしましょう。
ノートにしっかり鍵をかけて机の鍵付きのところにしまう。できればこれからこのノートで作戦を練ることがないようになるといいなと思う。
「さて・・・勉強しますか!」
主人公たちをいじめることなく、自分を磨こう。冤罪かけられても言い訳できるくらい品行方正になろう
最低限くらいは主人公と義弟と義母と仲良くしたいけど、元の私が嫉妬に駆られてゲーム通りになるのは嫌だからよく考えよう。父親は顔も見たくないけどな!