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僕のホッケー青春記  作者: 緑沼あきら
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最後の夏の終わり3


彼は防具を全て外した状態で彼の前には制服を着た後輩と思われる二人が片膝をつけながら座っていて彼の横には彼からよく聞いていたF君が立っていた。


彼らの目の前には彼とF君の母親二人と思われる人たちがスマホを構えていて「じゃ、撮るよ~ いい顔してね~」と軽快に声をかけながらも息子たちの最後のホッケープレーヤーとしての顔立ちを見納めしようとしているようであった。


F君や彼の後輩二人はそんな母親たちの言葉に答えるように歯を少しだし、唇に曲線を描くように笑みを浮かべていた。


一方、当の彼は母親たちの言葉に相反するように唇が固くまっすぐで眉間に少し皺をよせているのが遠目に見ている僕の目からもはっきり映っていた。


だが、その彼の表情は故意に作っているのではなく笑顔を必死につくろうともがいているようでもあった。


その姿を見て僕はやっぱり彼は自分の本心とは違う建前の自分を出すことが出来ないくらい素直なんだなと顔に軽い笑みを浮かべながら思った。


母親たちも何かを察しているのか誰の目から見ても笑顔ではない彼の表情に対し何かを言ったりすることもなくスマホのカメラのボタンを押した。

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