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僕のホッケー青春記  作者: 緑沼あきら
1/4

最後の夏の終わり

プウー

と、鼓膜に少しくるオナラのような甲高いサイレンが会場全体に響きわたった。


サイレンが響いて少しするとさっきまでスティックを片手に持ちながら走っていた両チームの選手たちの動きがピタリと止まった。


一方のチームの選手たちのほとんどは体力に自信があるのを誇らしげに見せつけるかのようにスティックの先端の曲がっている部分を杖のように地面につけ余裕の表情で立っていた。


もう一方のチームは前半後半含めて70分の試合による疲労がたまりに溜まっていたのかほとんどの選手が両膝、または背中を地面につけていた。


そんな中、1番遅く開始線に整列した選手がいた。


彼は全身に防具をつけてヘルメットを頭上にのせながら重い足どりで開始線に整列した。


そう、彼が僕にこの試合を見に来て欲しいと言った張本人だった。


彼は向かい合っている敵チームの選手の顔が見えないくらいに顔をうつむかせていた。


整列して礼が終わると両選手たちは観客席からみて手前の位置にあるギリギリ見えるか見えないかぐらいのところにあるベンチに戻っていった。


と、選手の様子を1人1人見ている内に虹色の縦のストライプがついている服を着ている審判3人が試合開始線に立ち、それに合わせて選手たちはぞろぞろと開始線に足早にいき整列した。


実際、体つきもよくみてみるとほとんどの選手がユニフォームをピチピチに着こなしていて胸板のラインが浮き出ているのがよく見えた。


僕はその光景を目を見開きながらみていた。


素人の僕にはその光景はほぼ同い年同士の試合ではなくまるで日本代表チームと普通の高校生チームが試合をしていたかのように見えた。


だが、僕は彼が言っていたことをふと思い出した。

「ホッケーが強い高校ってほとんど小学生とかからやってる化け物みたいな人たちばかりなんですよ」


今日の相手はその化け物の高校の中で日本一に近い実力をもつところだということも彼から聞いていた。








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