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お母さんのお仕事

お題:元気な戦争

制限時間:15分

 賑やかな声が家中に響き渡っている、その家の前を通っていく会社員も学生もいつものことだったので気にも留めない。


「こらぁ~っ! いい加減にしなさいっ、幼稚園に遅れちゃうでしょぉ!?」


 と、金きり声の女性。

 直様子供達の笑い声が、家中に響き渡り、外へと漏れた。笑い声が移動している。

 ここには近所では知らない人など居ない、一家が住んでいる。

 平凡な建売住宅、何処にでも居る普通の一家である。両親に子供が三人の、合計五人家族だ。

 ただ、子供達が……三つ子だった。幼稚園に通い始めた子供らは、三人で大はしゃぎなのである。

 朝は、戦争に近い。

 朝食は大人しく食べたのだが、幼稚園のスモックを着せようとした途端にこの騒ぎである。

 鞄を振り回し、あちらこちらに朝食のトーストを触っていたバター塗れの手でぺたぺたと痕をつけた。

 追いかけてくる母親から逃れるように、元気な三つ子は今日も家中を走り回っていた。

 毎朝のことだ。

 いや、毎朝というよりも家に居る時は常にこの状態である。

 遊び疲れて眠った時が、何よりの母親の安らぎだった。

 食事時も戦争だ、床に食べ物は溢す、お茶を引っくり返す……。


「せ、洗濯もしなきゃいけないのに~っ!」


 母親は時計を横目で見ながら、必死に三つ子を追いかける。自分もパートに出向かねばならないので。朝は時間が全くないのだが子供らと来たらこれだ。

 強引に捕まえて、スモックを着せると無理やり鞄を斜めにかけさせる。

 それでもきゃっきゃ、うふふとその場でジャンプしている子供らに、母親は息を切らせながら家を飛び出した。

 集合場所は、家から徒歩二分の場所にある。非常に有り難い事だ。

 すでに他の母親達が来ており、我が子を見送って手を振っている。

 幼稚園までは、徒歩で行く。子供の足でも15分程度で到着出来るので、安心だ。

 先生に付き従って、お行儀良く子供達は幼稚園へと向かって行った。

 母親達は静かに挨拶を交わすと、そのまま岐路に着く。

 ほっと、一息。

 けれども、寂しい時間である。

 気を抜くことが出来る貴重な時間だが、今まで騒がしかった家に戻り、ドアにもたれて呼吸すると……。


「さっみしいんだな~、これが」


 苦笑した。

 さぁ、急いで洗濯を済ませて、掃除をしよう。あの子達がまた、元気に飛んで遊べるように。

 

 

じじじじ、時間が15分だと焦ってしまって難しいですね。

でも、放棄はしたくないのでこれからも頑張ります。

ということで、第三回目でした。


お読みくださり有難う御座いました!

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