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転生した悪役令嬢はストーリーに興味がない~王子とか聖女とかどうでもいいのでどうぞご自由に~  作者: レイ


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ゼレイン視点です。ほぼ側近紹介。

私の名はゼレイン・ティア・ヴィアイン。


ヴィアイン王国の第二王子であり、フォトナルク学園の生徒会長を務めている。



父である国王陛下、母である王妃陛下、そして五つ歳上の兄であるオーティス・ファル・ヴィアインの補佐を行うのが私の仕事。

特に王太子として陛下の公務を担っているオーティス兄上から少しずつ公務を引き継いでいるのだけど、それらを如何に円滑に進めていくかが求められる。


それから、国の規則として貴族諸侯に通う事を義務付けられているフォトナルク学園では、社会の縮図として高位貴族が生徒会を運営し、経験を積んでいくことを目的とされており、王族が入学した場合には生徒会長を請け負うことが古くから任じられている。

つまり、学園にいる間に子ども達相手に上に立つ練習をしておけということだね。


どちらも周りの知見を借りながら何とかやれているつもりだよ。

これでも王子の肩書きを持っているから、権力に縋りつこうとする者は後を絶たないからね。自分の身は自分で守らないといけないし、自分の手の中のものを守り抜く力をつけないといけない。

特に王宮なんて腹の探り合いばかりで、隙を見せたら何を言われるかわかったものじゃないからね。

日頃は安全のためにも側近であるダリスとミカと行動を共にするようにしているよ。



そうだ、せっかくだから僕の側近も紹介しておこうか。


まず、ダリス・アーベルガント。

ヴィアイン王国四大公爵家であるアーベルガント公爵家の三男で、騎士家系であるアーベルガント公爵家は全員が騎士団に在籍する。

現アーベルガント公爵であるダリスの父、ラスティ・アーベルガント殿は前騎士団長として名を馳せていたし、現騎士団長もアーベルガント公爵家嫡男のルベイン殿だ。

ダリスの次兄も騎士団長の部隊長として今は辺境に遠征している。

ダリスは私の一つ歳上で、昨年学園を卒業して騎士団に入団し、現在は私の側近として護衛を務めてくれているよ。

身体を鍛えるのが趣味で、体格が良く背も高い。性格はおおらか、といえば聞こえはいいが、どちらかというと豪快という感じだね。

細かいことは気にせず、笑って終わらせてしまうんだ。

実は甘い物が大好きでね、彼の婚約者であるノアール嬢からよくお菓子の差し入れを貰って喜んでいるよ。


もう一人はミカルゲ・ツァイス。

ツァイス侯爵家の次男で、宰相を輩出することもある文官一族だね。

現ツァイス侯爵であるセリノー殿は宰相ではないけれど、法務の長として中枢で取りまとめてくれている。彼の長兄のパールズ殿は宰相補佐の一人で、時期宰相候補と呼ばれているよ。

ツァイス侯爵家の面々は皆本当に真面目な人達だから、不正はもちろん、曲がったことが大嫌いでね。少しでも不審な点があれば徹底的に調べ上げて罰するんだ。彼らがいるから他の貴族達も下手な画策が出来ずに大人しくしていると言っても過言じゃない。

そんな家で育ったミカも言うまでもなく真面目で融通が利かない性格なんだけれど、婚約者のクラリアとダリスに影響されてか少しずつ柔らかくなってきている気がするよ。


特にクラリアは、幼少の頃からミカと共に私の友人として王宮に遊びに来てくれていた幼馴染だが、ふわふわとした外見とおっとりした話し方でやんわりと諌めてくるものだから、私もミカも何度も丸め込まれたものだ。

クラリアがミカの手綱を握っていると言っても過言じゃないだろうね。



因みに、ダリスは私がリーナと婚約する頃、つまり十歳の時に側近候補として側付きになり、そこからノアール嬢とも顔を合わせることが増えたのたけど、この二人の関係も見ていて面白いよ。

ノアール嬢はダリスと三歳離れているからか、婚約当初は兄を慕う妹のような関係だったんだ。それが、ダリスがあまりに豪快すぎて心配になったのか色々と世話を焼くようになっていって、今では保護者のようだよ。

元々ノアール嬢がダリスを慕っていたことから結ばれた婚約らしいんだけど、ダリスが甘い物が大好きだと知った彼女は毎日のようにお菓子を自作し、差し入れていてね、今ではシェフも顔負けの腕前なのだとか。

ダリスも以前は街でお菓子を買っていたようだけど、最近はノアール嬢のお手製でないと物足りなくなってしまったようで、買いに出ている様子もないんだよ。すっかり胃袋を掴まれてしまったみたいだね。



そんな調子で、私の側近二人も、婚約者達も良い関係を築いていると思うよ。

ダリスとミカは、一見真反対の性格で合わなさそうに思えるのだけど、案外気が合うようで仲も良いんだ。


ただ、第二王子の側近が二人というのは磐石とは言えないから、あと一人、二人探しているとこのなのだけどね。

候補がいない訳ではないが、派閥の問題で引き抜きにくい立場の者だったり、仕事は出来るが扱いにくい人物だったりして未だ様子を見ている段階。

その辺はまた進展があったら話すとしようか。




それよりも私の目下の悩みは、最愛の婚約者だからね。

頭の回転も早く、思慮深くて美しい女性なのだけど、どうにも鈍いというか……

政略結婚だからと一線引くようにしているのかと思うくらい、こちらの好意がまっすぐに伝わらないんだ。こんなにわかりやすく愛情を示しているというのに。

おかげでいつもノアール嬢に苦言を呈されてしまうんだよ。


貴族社会の面倒なところは、回りくどい言い回しを美点とするところだよね。私だってここまで伝わらないとハッキリ伝えたくなるが、王族である以上、婚約者相手とはいえ礼を欠くことはできない。

だからこそ態度や贈り物なんかで示していたつもりなのだけど…


リーナが政略結婚と認識しているからこそ婚約を解消されるようなことはないだろうが、私個人としてリーナを愛おしく思っているからできれば同じように私を見てもらいたい。

同じ熱量でなくても良いから、同じ感情を向けてもらいたいと思ってしまうんだ。



だが、私は近い将来臣籍降下する身。

兄上が即位すれば公爵位を賜ってリーナを娶ることになる。

籍を入れてしまえばもう私から逃げられないのだから、焦ることもないのかもしれないね。

早くリーナの気持ちが欲しくてつい気が急いてしまっていたのかもしれない。

失敗する訳にはいかないのだから、ゆっくりと確実にいかなければ。

リーナのゲーム知識による側近紹介と、主人から見ての側近紹介の違いが出ればと思いましたが、むしろ補足みたいになってしまっているという……

ゼレインはリーナが大好きです。多分次回もゼレイン回になると思います。

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