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転生した悪役令嬢はストーリーに興味がない~王子とか聖女とかどうでもいいのでどうぞご自由に~  作者: レイ


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出来次第投稿するので本当に不定期になりますが、投稿出来そうな日は10:00に予約投稿させていただきます。

生徒代表としてゼレイン殿下の挨拶があった入学式も恙無く終わり、初日は聖女様と会話をすることもないまま、教室まで殿下が迎えに来て公爵邸まで馬車で送って下さった。



それから慌ただしくも月日が巡り、気付けば学園に入学して一ヶ月が過ぎようとしていた。



「リーナ」

「殿下! ごきげんよう」



ゼレイン殿下は入学してからというもの、こうして毎日のようにランチの誘いに来て下さっている。


最初は聖女様の様子見ついでに誘って下さっているのだろうと思っていたのに、チラリと様子を見ることはされるものの一度も声を掛けることなく早々に私を連れてテラスに移動されているのよね。

いくら婚約者だからといって無理に毎日一緒にいて下さらなくてもよろしいのですよと言っても、二つ歳上の殿下とは一年しか一緒に学園生活を過ごせないのだからと聞き入れていただけなかったの。



「また殿下に戻ってる」

「人目がありますもの」

「そう言って、二人の時もすぐ敬称つけようとするでしょ」

「そ、そんなことは…」

「リーナ」

「………善処致します」

「うん。学園の中では殿下禁止ね」

「えっ」

「ゼレンって呼ばないと返事しないから」

「えぇっ」

「勿論リーナなら呼び捨ててくれていいんだよ」

「そ、そんなことできませんっ」



何となく気恥ずかしいのと、王族相手に恐れ多いのとで、必要以上に愛称で呼ぶのを躊躇ってしまっていたのを見透かされていたらしく、でん…ゼレン様の方から釘を刺されてしまったわ。

愛称呼びすらも未だに勇気がいるのに、呼び捨てなんて無理に決まっているでしょう…!


そのやり取りを見ていたアーベルガント様は大笑いしているけれど、笑い事じゃないのです!



「パードリー公爵令嬢、そろそろ諦めた方がいいぞ。ゼレンはしつこいからな」

「ダリス、余計なことを言わないように」

「そうですよ、本当のことだとしてもその言い方はゼレンに失礼です」

「ミカも十分失礼だからね?」

「ふふっ」



このアーベルガント様とツァイス様とのやり取りを見ていると、本当に良い関係を築かれているのだろうと見ていて微笑ましくなってしまう。

そんな場合ではないのだけれど。えぇ、それはもう本気で。


というか、ゼレン様がしつこいって何のことかしら? 呼び名のこと?



「なぁ、もしかしてパードリー嬢に伝わってないのか?」

「残念ながらそのようだね」



苦笑するアーベルガント様と肩を竦めるゼレン様を見て私が首を傾げていると、ツァイス様が気にしないでくださいとテラスの扉を開けてくれる。

中ではすでにクラリア様とノアール様が座っていて手を振って迎え入れてくれた。


側近のお二方も婚約者との関係は良好で、入学してからはこうしてランチをご一緒させていただくようになったの。

私が入学する前も皆様揃ってランチをされていたようよ。



正直、こんなに仲睦まじいのにゲームのように聖女様に靡くものなのかと不思議に思うわ。



因みにその聖女様は、最近はフレイン先生の元によく通っていると耳にするわね。

もちろん光魔法に覚醒したばかりで、魔法の研究や練習のためなのでしょうけど。

ランチも先生の研究室でとられているそうだし、もしかしたら先生ルートを選ばれたとか?


まぁ、わざわざ詮索するほど興味もないから好きになされば良いと思うけれど。



「リーナ、こちらへどうぞ」

「ありがとうございます。…ゼレン様」



ニッコリと満足そうに濃緑の瞳が細められる。



ゼレン様のことは婚約者としてもちろん敬愛しているし、カッコイイと思っているけれど、現時点で恋愛感情を抱いているかと聞かれると恐らく首を振る。

そもそもゼレン様の方も婚約者だから優先してくれて、心を砕いて下さっているのでしょう。

高位貴族の政略結婚なんてそんなもの。


そう割り切っている私だけれど、このゼレン様の心からの笑みを向けられることには慣れていなくていつもドキドキしてしまう。

美形の笑顔というだけで破壊力が強いのに、加えてゼレン様は立場上完璧な笑みを身につけられているからこそ、作られた笑顔でないとわかる優しく細められる目元は反則級なのよ。

それが自分に向けられていると思うと、何となくムズムズして、自分が恋する乙女かのように思えてきて。そんなはずがないのにね。


でも、この表情をこれからも隣で見ていたいと思うの。これってわがままかしら。







「ゼレン様は決定打が足りないのだと思いますわ」

「お、ノア言うなぁ」

「自分ではわかりやすいと思っているんだけどね」

「それで伝わっていないのなら足りないと言うことでしょう?」

「それはそうですわねぇ」

「これは手厳しいですね」

「ダリスもミカもレディ達の味方か」

「相手が悪かったな」

「まったくだ」



…ところで皆様、何のお話をされているのかしら?

登場人物増えてくると人物紹介載せた方がいいのか悩みますね。

参考までにザックリ説明。

男性陣…穏やかな言葉遣い→ゼレイン(第二王子)、フランクな言葉遣い→ダリス(側近脳筋)、敬語→ミカルゲ(側近インテリ)

ゼレインの愛称はゼレン、ミカルゲはミカです。ダリスは略す意味が無いので愛称なし。

女性陣…ハッキリした言い回し→ノアール(ダリスの婚約者)、のんびりした言い回し→クラリア(ミカルゲの婚約者)

ノアールの愛称はノア、クラリアの愛称はリアです。

フェリーナはもちろんリーナ。

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