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転生した悪役令嬢はストーリーに興味がない~王子とか聖女とかどうでもいいのでどうぞご自由に~  作者: レイ


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しばらく学園のお話になると思います。

学園に入学して早半年。


ヒロインであるエリーゼ様が全く動こうとしないためか、『夢花』の攻略対象達は相変わらずゲームのストーリーとは違った生活を送っている。

一時、フレイン先生ルートが確立されてしまったかとエリーゼ様と二人で慌てたが、どうやらそれも閉ざされたようで最近はめっきり周囲の噂も聞かなくなった。




ところで、この学園では一般教養やダンスレッスンの授業の他に、魔法学や実技の授業があるのよ。


それはいいんだけど、何の因果か一人だけ未だに絡んでないヒロインの幼馴染とグループを組むことになりました。



こういうのって普通ヒロインと幼馴染が同じグループになるものじゃないの?




「フェリーナ・パードリーですわ」

「クレスト・リーベルンドです」

「わたくしはフランチェスカ・ダドリーですわ」

「クレイ・ベルクです」



魔法学の授業では座学は自由に座ってよかったけれど、後半には実践を伴うようになるらしく、属性や魔力量のバランスをとるためなのか先生が指定したメンバーでまとまって授業を受けることになるみたい。


今日はグループの発表があって、各グループに分かれて自己紹介をしたところ。

私は火と風で、リーベルンド様が土、ダドリー様が水、ベルク様が風と水の属性持ちだそうよ。



そもそもの話だけど、だいたい魔法が存在する世界って魔獣が出たり、何かと戦うのがセオリーな感じがするよね。

この世界でも例に漏れず魔獣は存在するので、実践ってことはグループで討伐に出たりするってことなんだろうなぁ。




というか、平民のベルク様が二属性持ちなのはさすが攻略対象と言うべきか。


これもよくある話だけど、どういう基準なのか魔力を持つのは貴族が多くて、平民には多くはないみたい。

ただ、この魔力量や素質を調べるのにもお金が要るので、平民はそもそも調べていないことが多いと思われるわ。


それでも、貴族、平民問わず二属性以上持つのは珍しいとされているから凄いことよね。


私も一応二属性持ちだけど、ほら、貴族だから魔力量の多い人同士を結婚させてより強力な魔力を持つ子どもを産ませようとしてきたりとかもあったみたいだし、効果がどうだったのかはわからないけど平民に比べたら魔力量が多いのも二属性持ちなのも不思議はないの。


魔力を持たない人も少なくないけど、高位貴族ほど複数属性持ちが多いのは仕方のないことかもしれないとは思う。

それだって立派な政略結婚の一つだし、辺境を治める領主なんかはより強力な力を求めて当たり前だと思うし。

それもまた貴族の在り方よね。







さて、そうこうしている間に自己紹介も終わって、先生に誘導されるまま演習場に移動することに。


さすがに急に野外の実践に出されるようなことはないと思っていたけど、ちゃんと何度か演習があって魔法の扱いに慣れてからだと聞いて安心した。


実際、魔法の属性や魔力量は計測していても普段から魔法を使うかと言われるとそんなに必要とする場がないからね。

私もほとんど使ったことがない。



「魔法を使うには、まず最初に体内に巡る魔力を感知することから始まります」



魔法を一度も使ったことがない人は自分の魔力もわかっていないから使うことができないのだと、私も小さい頃にエアリスお兄様に教えてもらった。

一番わかりやすい方法が、魔法を使える人から魔力を流してもらって魔力がどんなものか感じることだって言ってたのを覚えてる。

それでお兄様が私の体内に自分の魔力を流してくれて、魔力ってこんなに温かいものなんだなって感じたんだよね。


だから私はすでに感知できるし、私のグループだとベルク様以外は魔力の感知については問題無さそうってことで、ベルク様だけ行うことになった。



「では魔力を流していきますわね」

「お、お願いします」

「緊張していると伝わりにくくなりますから、力を抜いてくださいませ」

「は、はい…! 」



何故か魔力を流すのは私がやることになってしまったので、ベルク様の手を取って目を閉じ、ゆっくりと自分の魔力をベルク様に流していく。

ベルク様を驚かせないように、弱めに一定のスピードで送り込むように慎重に。



「何となく、温かい感じがします」



あら、様子見がてら少しずつ送る魔力を増やそうと思っていたからかなり弱めに送ったのに感知できてるなんて、さすが攻略対象は優秀ね。



「それが魔力ですわ」

「こんな感じなんですね…」

「では、少し送る魔力を増やしますわね。もっとハッキリ感知できるようになると思いますわ」

「はい…! 」



集中力を切らさないようにしながら、魔力量を倍に増やす。

それでも私は体内の魔力量が人に比べて多いらしくて、まだまだ全然増やせるのだけど。

過剰に魔力を送りすぎるとそれはそれで体内で処理しきれなくて魔力過多で体に影響が出てしまうらしいの。

実際に魔力過多になった人を見たことがないからどんな感じなのかはわからないけど、とにかく人に魔力を送る時は段階を経て送るようにってお兄様に教わったからきちんと守ってます。



「ベルク様、いかがでしょうか? 」

「さっきよりもかなりハッキリとわかります…」

「感覚がわかったようでしたら魔力を送るのを止めますわ。今度は、同じように温かいものが全身を巡っているのをご自分で感じてみてくださいませ」

「やってみます」



目を開けてベルク様の手を離し、今度はベルク様が大きく息を吐いて集中し始めるのを見守る。

感覚も優れているようだし、感知だけなら難しいことじゃないからすぐにできるようになると思うわ。



「…………多分、わかったと思います」

「もう出来たのですか!? 」



実際、数分見守っていただけでベルク様はあっさりと魔力感知を身につけていた。


さすがに数分でできるとは思ってなかったんだけどなぁ…



そんな訳で、私達のグループはすんなり魔力感知は終了。

各グループで進捗に差が出てくるので、先生が予め用意した流れに沿ってそれぞれのペースで進めていくことになった。

私生活が忙しくなってしまったため、今後は週に一度の更新に切り替えさせていただきます。

毎週土曜日10:00の更新予定です。またお付き合いいただければ幸いです。


やっとクレイがまともに登場できたので、あと出てない攻略対象は隠しキャラだけですね~

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