表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生した悪役令嬢はストーリーに興味がない~王子とか聖女とかどうでもいいのでどうぞご自由に~  作者: レイ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/38

29

ゼレンとリーナのデート回です♪2、3話続くと思います。

今日は毎月恒例のゼレン様とのお茶会の日。

いつもでしたら公爵家にお招きして私がお茶会の準備を整えるのですけれど、今回は王宮の薔薇が見頃だからとお招きいただきましたの。



「リリア、どうかしら? 」

「とてもお似合いでございます」

「そう? 少し派手じゃないかしら…? 」

「王宮の薔薇園でお茶会をされるとお聞きしておりますので、あまり大人しいお衣装よりもこのくらいの方がよろしいかと」

「それもそうね」



確かにリリアの言う通り、あまり地味なドレスを着てしまうとあの立派な薔薇園では霞んでしまうわね。

もちろん薔薇園が主役なのですから、薔薇以上に着飾る必要はないのですけれども。

霞まずとも見劣りしないくらいの衣装って難しいですわ。


今日はお茶会なのでデイドレスですの。

王宮の薔薇園は赤、白、ピンクを中心とした暖色系の薔薇で成っておりますので、悩んだのですが赤みの強い紫のドレスにしてみました。

ピンクでは淡いものは霞んでしまいますし、濃いものはキツく見えてしまいます。

青系も考えたのですが、暖色系の空間の中では浮いてしまいかねないので今日は却下ですわね。TPOというやつですわ。


髪はハーフアップで、以前ゼレン様にいただいた髪飾りをつけております。

ゼレン様は婚約者らしく、事ある毎にきちんと贈り物を下さいますので、アクセサリーもなるべくそれらと合わせて遜色ないものを選ぶようにしてますわ。


ゲームによくある縦ロールにはしておりませんが、こうして少し派手な衣装を着ても似合ってしまう所をみると私は悪役令嬢の立ち位置なのだと納得してしまいますわね。

だからといって特に思う所もありませんので気にすることもなく着ますけれど。




準備を整えて馬車に向かうと、何故か門前にゼレン様のお姿が。


今日は王宮でお会いするお約束ではなかったのですの?


後ろにいるリリアに首を傾げて無言で問うと、リリアは小さく頷くだけ。

つまり、合っているということね。


では何故ゼレン様がこちらに?




「ごきげんよう、ゼレン様」

「ああ、リーナ。今日のドレスもとてもよく似合っているね」

「ありがとうございます」



近づいてご挨拶をすると、当たり前のように様相を褒めてくださるゼレン様。

さすが紳士代表の王子殿下ですわ。



って、そうではないのです!



「ゼレン様はどうしてこちらに? 」

「リーナを迎えに来ただけだよ」

「まぁ! 王宮でお待ちいただいてよろしかったのに、わざわざ御足労いただくなんて…」

「私が早くリーナに会いたかっただけだから気にしないで」



ゼレン様がお迎えにいらっしゃるのならもっと早く支度を済ませてお待たせしないようにしましたのに……いえ、むしろ公爵邸でお茶会の準備をしておくべきだったかしら…


王宮なんてすぐそこですのに、わざわざお迎えに来てくださるなんて。

すぐそことはいえ、ゼレン様はお忙しい方ですのに私のために行ったりきたりになってしまいますわ。

帰りは公爵家の馬車を呼びましょう。



「帰りも送るから大丈夫だよ」

「えっ」



何でわかったんですの!? 私、口に出しておりました!?

それとも顔に出ているのでしょうか?

だとしたら淑女失格ですわね…?


これでも上級貴族向けの高等教育に加えて、王子妃教育も受けているはずなのですけれど。


…少し自信をなくしますわね。これまで以上にもっと努力しなくてはいけませんわ…!



「何となく考えていることがわかる気がするけど、リーナがどうこうという訳じゃないから。今のままでいいからね」

「………何でわかるんですの…? 」

「それだけリーナのことを見ているからだよ」



それは、見ていれば私はわかりやすいという意味なのでしょうか?

それともゼレン様だからわかるという意味でしょうか?


考えれば考えるほどよくわかりませんわ……



「さぁ、とにかく出発しよう。お茶をしてから薔薇園の中を案内するよ」

「えぇ、お願いいたします」



一周まわって考えることを放棄したところで、タイミングよくゼレン様がエスコートして馬車に乗せてくださいました。


私が乗った後にゼレン様も隣に乗り込み、御者に合図をして出発です。

いつものように私の侍女であるリリアと、専属護衛であるルースも一緒に連れておりますわ。


もちろんお茶会の最中は離れた場所で待機させますが、王宮内は安全とはいえ二人が居てくれたら私も安心ですから。




馬車の中でもゼレン様は終始紳士でいらっしゃるので、段差などで少しでも私の身体がグラつくとすぐに支えてくださいます。


とはいえ、王宮と筆頭公爵家を繋ぐ街道なのでもちろんしっかり整備されていますから、そのようなことも少ないのですけれども。




そうして他愛もない会話をしているうちにあっという間に王宮の馬車止めに到着いたしました。

馬車止めも、商人用、貴族用、王族用と分けられておりますので、いつもなら貴族用を利用しますが、今日は王族用です。

王族用の馬車止めは庭園からとても近いので助かりますわ。



「こちらにどうぞ」

「ありがとうございます」

「たまには庭園の裏の方に行かないか? 」

「裏、ですの? 」



王宮にお招きいただく時は、庭園をまっすぐ通り抜けていたので裏を通る機会はありませんでした。

エスコートされるがままに、庭園に入らず外から回ってゆっくり歩いていくと、小さなガゼボに到着したようです。


庭園を外から見るというのもなかなか面白いものですわね。

外側にも薔薇は咲いているので遠目に見るだけでも楽しいですもの。


それに、こんなところにガゼボがあったのは初めて知りましたわ。

いつも案内して下さる大きなガゼボよりも一回り以上小さいのですが、わざと柱に蔦を絡ませているようで、小さな薔薇があちこちに花弁を纏わせていて、とても可愛らしいのです。



「まぁ、素敵…! 」

「気に入ってもらえたかな? 」

「えぇ! このような場所があるなんて初めて知りましたわ」



ガゼボの座面にクッションを用意してくれていたようで、ゼレン様の手をお借りしてゆっくり腰を下ろして辺りを見渡してみる。

裏手にあるからこその表とはまた違った趣が感じられてとても良いですわね。

人が通ることもほとんどなく、静かで落ち着きます。



「それはよかった。今日はここでお茶をどうかと思ってね」

「いいですわね! 隠れ家のようで何だかドキドキしてしまいますわ」

「ドキドキするのは場所にだけ? 」

「え…? 」



向かいに座るゼレン様の表情が急に硬くなった気がしますわ…?

どうなさったのかしら…?

有難いことにリアクションが100件を超えてました✨

今後とも二人(主に不憫なゼレイン)を温かく見守って下さると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ