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転生した悪役令嬢はストーリーに興味がない~王子とか聖女とかどうでもいいのでどうぞご自由に~  作者: レイ


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気分の悪い話になるのでお気をつけください。

ある意味予想できた犯人ではありますが、この結果に誰よりも動揺していたのはエリーゼ様でした。

というよりも、エリーゼ様以外は犯人を知って納得したという方が正しいですわね。




彼女がフレイン先生ルートの悪役令嬢であることはエリーゼ様、ゼレン様、フレイン先生しか知りません。

ですが、魔法バカのソリュード様が魔法バカのフレイン先生に入れ込んでいるのは周知の事実ですの。

何せ毎日人目を(はばか)らずに先生を追い回しているのですから。


エリーゼ様がフレイン先生の研究室に通っていた時は、それはもう般若のような形相で睨んでおりましたし、ゲーム関係無しにしても何か問題を起こすと皆が思っておりました。


押しかけた研究室でエリーゼ様と鉢合わせた時も一触即発だったようですが、その時は先生が自分の研究のために呼んだのだと取り成したそうです。

確かに、無意味に追い掛け回されて、ひたすら自分の魔法理論を聞かされるだけで話を聞かない相手より、聖女でこの国唯一の光魔法保持者で、前世の記憶があって先生が見たことも聞いたこともないような物をたくさん知っている相手の方を庇うのは無理もありませんわね。


しかもその魔法理論が、自分が編み出したものではなく過去に論文としても発表されているものばかりでは先生の気を引くのは難しいでしょう。


更に、先生がまともに返事をしなくなると、わざわざ誰かと話しているタイミングを見計らって無理やり会話に混ざろうとされるのだとか。

そんなの、ただの迷惑行為ではありませんか。



結局、フレイン先生の研究室には出入り禁止にされ、話しかけても冷たくあしらわれる始末。

完全に逆恨みでしかありませんが、自業自得にも程がありますわね。




ただ、その状態で何をどうしてエリーゼ様へのイジメの数々をフェリーナ(わたし)に押し付けられると思ったのか全くもって不明なのですけれども。

彼女が完全にエリーゼ様を敵視していたのを多くの方々が存じておりますから、まず最初に犯人の候補として名前が上がると思わないのかしら。



現行犯で拘束したソリュード様からお話を聞いたゼレン様も、「何を言っているのかわからない」と頭を押さえていらっしゃいましたし、話の通じない方なのかもしれませんわね。


…ゲームでもそんな方でしたかしら?

そんなにインパクトの強い方ならハッキリ覚えていそうなものですのに。




因みに、ゼレン様が聞いたお話によりますと、どうやってフェリーナ(わたし)の犯行にするつもりだったのか聞いたところ「風魔法でバケツを持ち上げて上から水を掛ければ、風属性を持つパードリー公爵令嬢の仕業にできる」だそうで。


それは風属性を持つソリュード様も同じように疑われると思うのですけれど、そこには至らなかったのでしょうか。



加えて、犯行動機はわかっていましたが聞けば聞くほど眉を顰めるしかありません。

「この学園で私と同じ目線で魔法のことを語れるのはユーリエス先生しかいないのだから、私が優先されるべきなんです! 先生と話す邪魔をする方が悪いんです! 」だそうですわよ。

主張が子どもすぎて呆れて物も言えませんわ。



あまりに短慮で、大変不愉快ですわ。



そんな理由で友人を害され、私も利用されようとしていたなんて、許すわけにはまいりません。

公爵家として厳重に抗議させていただきますわ。








私が内心でフツフツと怒りを滾らせていると、隣でエリーゼ様が真っ青な顔で小さく震えているのに気付きました。


どうしたのかとお声を掛けたいところなのですが、原因は恐らくソリュード様だとわかっているので黙っておきます。



と言っても、私のようにソリュード様の言動に憤っている訳ではなく、ソリュード様が悪役令嬢の立ち位置ということに怯えているのでしょうね。

それはつまり、フレイン先生ルートに入っていると突きつけられたようなものですから。



フレイン先生にトラウマを植え付けられたエリーゼ様からしたら、どうにかしてフレイン先生ルートを回避したいと頑張っていらっしゃったのにそれがこの結果では目も当てられないですわよね。



「なんてこと……」

「エリーゼ様、お気を確かに」

「魔道具についての本を読ませてもらうために先生の研究室に入り浸っていたから…? 電子レンジの開発を諦めれば良かったんでしょうか……? 」



研究室に入り浸っていたのは多少関係がありそうとは言えませんわね…

すでに絶望しているエリーゼ様に追い討ちはかけられませんわ…



ただ、もしかしたら他のルートが少しでも可能性があれば違ったのかもしれないとは思うのです。


エリーゼ様の場合、ゼレン様、アーベルガント様、ツァイス様、ベルク様、隠しキャラのどれもがルート解放すらされていないと言っても過言でないくらい接点を持たれていないので、消去法で関わりのあるフレイン先生ルートになった可能性もあるのかと。


隠しキャラは別として、幼馴染であるはずのベルク様なんてお声を掛ける様子すらありませんもの。

ゼレン様は私と一緒に居る時に少しお話することはありますが、特に親密という感じでもないですし、側近お二方は同じようにゼレン様とお会いしている時にご一緒されますが、ほとんどご挨拶くらいなものかと。


そう考えると、攻略対象の中でまともに会話しているのがユーリエス・フレイン先生だけなのですわよね。


けれどエリーゼ様としてはフレイン先生ルートだけは避けたい。

そして先生自身は恐らくエリーゼ様に興味をお持ちのはず。



となると、これはまた難しいですわね。


私も何か、エリーゼ様の望む未来に繋がるためにお手伝いができればいいのですが…






それはそれとして。

私、ずっと気になっていたことがあったんですの。



「エリーゼ様は何故電子レンジに固執なさっているの? 」



前世には他にもたくさん便利な道具があったのに、何故電子レンジなのかしら?

もちろん便利な家電筆頭ですし、あったらとても有難いものですが、他のものに見向きもせずに電子レンジにだけ拘るのは何か理由があるのでしょうか。

カノン・ソリュードは宇宙人か何かだと思ってください。話の通じない、意味のわからないことを声高に主張するタイプ。

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