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「灼熱の最終日、コミケダッシュ!」

※この物語には、以下の成分が含まれます。


・尊さ限界突破系女神しかもポンコツオタク

・理系オタク女子主人公(推しへの反応がガチ)

・ファストキッスからの異世界転生(混乱必至)

・東京23区サイズの領地(ちょっと待って広すぎ)

・チートスキル〈∞クラフト〉と〈万物解析〉(夢が広がる)

・百合、友情、多種族との出会い、国家建設、経営、農業、迷宮探索……

・そして、「推しに愛されるという最上の供給」


――オタクとして、読まなきゃ損です。

ここから始まるのは、「尊さとスキルと国づくり」で世界を変える、女の子たちの物語。

百合も、友情も、笑いも、胸熱展開も、盛り盛りでお届けします。


さあ、あなたの“沼”の入口はこちらです。


「ぎゃあああああ!あと三分で西のシャッター開くッ!」


炎のように照り返すアスファルト。八月某日、東京ビッグサイト―― コミケ最終日。理系オタク女子・天沢ユナ(二十歳)は、まるで実験のカウントダウンを聞く研究者の眼差しで腕時計を睨みつけ、両手に装備した凍ったスポドリ二本を装填し直した。パスケースにはサークルチェックリスト、ポケットには栄養ゼリー、足は最新型の厚底冷感スニーカー。準備は万端、気合は最高潮。


「推しサークル『量子猫実験室』の新刊――今日逃したら二度と手に入らない!」脳内では推しイラストレーターの描く猫耳メイドがウインクしながらこちらを煽ってくる。ユナの心拍数は限界臨界点。研究室で培ったデータ解析力をフル稼働し、待機列の長さ、太陽高度、風速を瞬時に計算、一番日陰時間が長く、かつ西→東館へ最短で移動できるルートをはじき出す。「理論上、私は勝てる!」


コミケ神BGM――熱気に満ちた拍手が開場の合図を告げた。ユナはスタートダッシュをかける。背中に循環冷却ファン付きリュック、手にはキャリー。前方で跳ねるうちわとコスプレイヤーの刀身がぎらつき、まるでリアル弾幕。左右の参加者たちも同時に動き出し、巨大な人流ベクトルが館内に雪崩れ込む。「これぞ人類の祭り!」ユナの頬に火照りと笑みが混ざる。


西館到着、秒で目当ての島へ。だが、すでに形成された列は長蛇。理系脳が警告を鳴らす――「待機ロス、致命的」。ユナは決断する。「ここは列整理のスキを突いて東館へ新刊取り置き交渉、往復十七分が限度!」 再び走り出す彼女の視界に、特別企画『神絵師スケブ抽選会』の看板が飛び込む。「は、は? あの御大が直筆スケブを!?」脳内理性ラボがパニックを起こす。推し<神絵師? いや、どっちも推し! 並列処理せねば!


焼ける床の上で急旋回を試みた瞬間、キャリーの車輪が段差に引っ掛かる。時空がスロー化する。ユナの視線には青い夏空、光るガラス、飛び散るペットボトル。物理計算が回り始める――運動エネルギー、角速度、着地角度。次の瞬間、彼女は見事に転倒し、床へ叩きつけられた。ごんっ! 脳内ジャイロが揺れ、視界がホワイトノイズに包まれる。


「──フリーズ音?」チップチューンのような電子音が頭の奥でこだまする。聴覚だけが異世界。身体の感覚が一瞬切断されたかのように遠のき、代わりに柔らかな光が脳内を満たした。真っ白な研究ノートのページに万華鏡が溶けたようなパターンが広がる。その中央で誰かが囁く。


『……こ、こっこっ……こここ、これは……っ、尊っ……! 推し、発見っ! 最優先保護モード、起動なのだよぉ……!』


間延びした、だけど銀鈴のように澄んだ声。ユナは目を開けようとしても、まぶたが重い。それでも意識は加速する。「誰? どこ?」返事はない。ただ甘い花蜜の香りと、夏コミの汗と熱気が溶け合った、混沌なのに幸福なカクテルだけが鼻腔をくすぐる。


『この混雑と熱量……最高に面白い。やはり人間界、文化の坩堝! 良い! 実に良い! さぁ、推しよ。あなたの全力ダッシュ、もっと見せて? 私の心拍、上限突破よ!』


声は次第に高まり、まるでネット配信のスーパーチャット通知みたいに色とりどりのハートがユナの視界を埋めていく。脳裏の奥で、黒いコマンドラインが走る。


【新規スキル《観測者の祝福》授与条件:推し認定  承認……完了】


「スキル? え、何の冗談……」再起動音。ユナの視界が一気に鮮明になり、床に倒れ込む自分を俯瞰で見るメタ視点が一瞬開く。周囲の参加者たちが「あ、大丈夫ですか!?」と慌てて近寄ってくる。その声が遠く、蜂の羽音のように揺れる。


【身体への物理ダメージ:軽微  興奮度:臨界  推し神の干渉:継続】


不思議なHUDが消え、ユナは現実に戻る。痛みより先に、頬を流れる汗と涙の混合液が熱い。「何これマジ何これ!」叫びたい。でもまず新刊! 尊い謎ボイスは後回し! ユナは跳ね起き、周囲のオタクたちを驚かせながらキャリーを引き直す。


西館の列を風上から俯瞰しながら、ユナはポケットのメモ帳を開いた。手描きのネットワーク図――サークル名をノードに、優先度をエッジ色で可視化した自作“コミケ動線アルゴリズム”。これを徹夜で組むのが彼女の夏の風物詩だ。突発イベントが入るたび、ノードが発熱し、マーカーが汗で滲む。「ははっ、この不確定性こそコミケットだよね」自嘲と興奮が混じる。


行列の隙間から聞こえるスタッフの掛け声。「熱中症対策に水分補給お願いします!」 彼らの腕には毎年進化するミストファン。ユナはそれを見て、わずかに口角を上げた。「来年は背負い式冷却ポンプのプロトタイプ、私が作っても良いかもしれない。」理系オタクの悪い癖――すぐDIY研究計画を立ててしまう。


背後で突然、「ユナちゃん!? 今年も来てたの!?」と声が。振り向けば、高校時代の同人仲間・サヤが、両手ぎっしり紙袋で歩く要塞と化していた。「久しぶり! てか動線ヤバくない?」 短い再会に励まされ、ユナは拳を合わせる。「またあとで戦利品交換会しよう!」 サヤの笑顔は一瞬で人混みに呑まれていったが、そのエネルギーは確かに胸に残った。


東館へ向かう途中、視界いっぱいに広がる大型ポスター。メイド・ドラゴン・サイバーパンク――ジャンル混沌ポスターの洪水。ユナは足を止め、脳内でRGBヒストグラムを解析する。自分の推し色、ターコイズにきらめくグラデーションがそこかしこに散らばり、まるで「運命はここだ」とウインクしている。「くっ、布教の海……!」 タスクが増える音が脳内で鳴った。“欲望リスト”がまた肥大化する。


「ともかく、まずは西の新刊確保、東で神絵師、そして委託スペース……」 自分に言い聞かせるように呟きながら、ユナは再度ダッシュ態勢を整える。その時、突き抜ける蝉の鳴き声が建物内部にまで染み込み、体感温度を数度引き上げた。滲む視界の中、女神の声がふたたび揺れる。『推しよ、汗のしずくまでも輝いているのだよぉ……尊っ……!』


「やめろっ集中できない!」 ユナは頭を振り、ペットボトルの氷水を首筋に押し当てる。ぴりりとした冷たさが一瞬だけ正気を戻す。――だがその直後、段差、転倒、そしてフリーズ音へ。


遠くでホール案内アナウンスが鳴る。「只今より東展示棟企業ブースにて限定配布開始――」 スピーカーから流れるその単語は、ユナの鼓膜を揺らし、再びアドレナリンを点火する。意識の果てで女神が囁く。『まだまだ序章、クライマックスはこれから……あなたの物語、私が全部見届けるのだよぉ♡』


灼熱と喧騒と、未知の祝福。天沢ユナの“運命フェーズシフト”は、いま静かに始動した――。

──そして誰も知らない奇跡が待っている。

続く!★次回へ!



\\ご拝読ありがとうございます!!!//


語らせてください……

女神フィルちゃんが尊すぎて息ができない。

ポンコツ×万能神とかいう沼要素、誰が許したの!? 私です、ありがとうございますッ!

そしてユナちゃん! 理系女子なのにオタク感情全開で、**“推しの暴走に素で困惑しながらも全力で受け止めていく姿”**が最高なんですよ!!!


本作は、

「推しに愛されたい」

「でも異世界でチートスキルも使いたい」

「でも百合が見たい」

「でも領地も国家も農業もイベントもしたい!!」

というぜんぶの夢を叶えるために書いてます!!


読んでくださったあなたに、心からの「推し供給」を――✨

もし楽しんでいただけたら、評価・感想・ブクマなどで推していただけると、

女神フィルちゃんが100回くらい尊死してユナに甘えまくります。



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