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3話 敵

 放り込まれたのは異世界だった。

 異世界に放り込まれた後、神エーリカと出会い、そして元いた世界に戻るため、日々3人で力を合わせて、迷宮やダンジョンに潜り魔物を討伐し、元いた世界に戻るためにレベルアップしてきた。

 こちらの世界に来てから俺は今まで一度も振ったことのない剣を、2人は魔法を極め、エーリカに回復魔法でサポートしてもらいながら世界各地を淡々としながら、日々精進してきた。

 そうして、こちらの世界に来て10ヶ月たったある日のことだった。

 いつもの通り、魔晶の迷宮というダンジョンにもぐり、街で売るための魔物を討伐し、水晶を採掘していた時のことだった。

 この迷宮は少し特殊で、地下にどんどん降りていくという構造をしているのだが、その地下10階で異変が起きた。

 エーリカも知らないというミーニャという敵が現れたのだ。エーリカはこの世界に存在する人間を記憶しているはずで、通常ならばそんな事態に陥らない。

 それなのに、エーリカはミーニャを知らないという。俺たちは剣や杖を握り直し、敵に先手を仕掛けた。

 彼女は、レベルが上がっていた俺たちとほぼ互角で戦い、そしてジリジリと俺たちを押していった。

 俺たち3人はすでに息も絶え絶えで立つ体力すら残っておらず、膝から崩れ落ちた。


「あらあら〜、もう立てませんの?」


 ミーニャは、杖先を俺に向け、ニヤリと笑った。

 俺は彼女を睨み返すが、鼻で笑われる。


「ああ、そうだわ。これ、試してみようかしら」


 彼女は何かを思い出したように、水晶玉を懐から取り出した。

 そうして、彼女はペラペラと話し始めた。


「これ、じいやからもらったものなんですの。なんでも、時を戻す代物なんだとか。あなたたち人間の時を戻せばどうなるでしょうね? 気になりますわ」


 そうして、笑った彼女は水晶玉を掲げて、詠唱し始めた。

 彼女の詠唱に呼応するかのように水晶玉が光り、あたり一体がおかしくなっていく。

 水が下から上へ登り、消えていく。花が蕾に戻り、みるみるうちに縮んでいき、土の中で見えなくなっていく。

 こんなの食らったら、たまったものではない、と3人に逃げよう! と叫びミーニャに踵を返し、ダンジョンの階段へ走り始める。


「そうはさせませんわよ!」


「危ない! 勇気!」


「勇気くん!」


 彼女の掲げた水晶から放たれた光線ーーそれから俺を庇うかのように2人、健太郎とハルが水晶と俺の間に割って入った。

 みるみるうちに縮んでいく2人に驚くものの、それはミーニャも同じようだった。縮んでいく2人を観察すること数秒後、2人は5歳くらいの体になったあとはそれは止まった。

 しかし、それを見ていたミーニャは不満らしく『あら、そうなふうに時が戻っていくんですわね? でも、もうこれ以上時を戻せないのかしら?』と言いながら彼らに攻撃しようとしていたため、俺は慌てて2人を抱き抱え、俺はダンジョンの階段を駆け上がっていった。

 何度も光線に当たりそうになりながらも、エーリカと共に迷宮を脱出し、森の中を駆け回る。

 しばらく、駆け回ったところで彼女の気配が消えているのを確認すると俺たちは滝の裏にある洞窟に身を潜めることにした。

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