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前回の『マッチングアプリで7人と会った話』というエッセイにも書いたように、私の大学は女子大でアルバイト先も女性ばかりだったので出会いが皆無だった。マッチングアプリで7人と会ったけれど、誰とも付き合わずにそのまま退会してしまったのだ。
マッチングアプリを辞めてから、対面で会えるパーティーにシフトしようと考える。私は結婚も見据えた恋愛をしたいと強く考えていたので、婚活パーティーに参加することにした。大学を卒業してからにしろと言われるかもしれないけれど、社会見学したかったのだ。
まずは京都駅から徒歩1分のところにある会場でのパーティーに参加する。女子大生っぽくない感じにしたかったので、水色のニットに白い総レースタイトスカート姿で挑む。私は受付で身分証明書を提示し、iPadを受け取った。iPadにプロフィールを書きつつ、隙間時間に男性参加者の分も見る。29歳「くらいまで」という表記があったからか、30歳以上の人が何人かいた。あまりにも年上すぎる人よりは同年代の人の方が好みだったので、私は彼らを候補から省く。
このパーティーは男性が回転寿司のように部屋を移動し、8分ほど会話するスタイルだった。だがこれが本当に気疲れする。誰が誰だかわからなくなり、相手がどんな人かもわからなくなるのだ。ある男性参加者との会話で海外留学していたと言うと、弟がワーキングホリデーでオーストラリアに行ってから英語が上達して現地人と喧嘩できるほどになったとのことだった。話の内容は面白かったけれど、私の好みではなかったこともあり彼氏としてはちょっと違うかなと考える。
ようやく最後に、いわゆる「まともな人」「普通の人」に当てはまる20代男性がやって来た。大手勤務で見た目も良さそうな人で、なんでわざわざ婚活パーティーに来ているのか謎なほどだ。この彼がダイヤモンドのように見えてしまい、私は迷うことなくカップリングの第一希望に彼の名前を書いた。今思えば、「いやちょっと待て。疑ってかかった方が良いぞ」という話だけれど。それくらい、他に名前を書きたいと思える人がいなかったのだ。私もここに来ている時点で、「日常生活で出会いを見つけられない、モテない女」であることには変わりないが。
結局この日は誰ともカップリング成立には至らず、とぼとぼ帰宅した。残ったのは気疲れのみだけれど、参加したからにはいずれリベンジするぞという気持ちもあったのだ。