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⑽『雲の間から差す光』
⑽『雲の間から差す光』
㈠
光だという君の目は真っ白で、夏に想像するのも苦しいくらい、冬の雪のようだった。こういう、一つの言葉さえ、雲がかって、光が見えないときは、光の様に感じるのは、自分だけだろうか。光だという君の目は真っ白で、つまりは光だ。
㈡
苦労というものがある。人間は幼い頃は、苦労は買ってでもしろ、という言葉の意味が、ようやく分かって来た俺は、ずっと雲がかった天上を見上げていたかのような、人生だった。雲の間から差す光、何て、信じられなかったよ。
㈢
『地獄変』のような、おかしな世界観に居たせいか、訳が分からないのであって、しかし意味があると言えばあるような、不可思議な世界。俺は追随するほうか、追随されるほうか、関係ないな、雲の間から差す光さえ、観られたら。




