千人の美女パンツに道テイム
〖っぐ……何だ、これは!?〗
ソロモン王の体にある小さな傷を道テイム・拡散で大きくしようとする。しようとするが――、
バシュウ、という音と共に打ち消される。
道テイムでソロモン王の血管などを一切破壊出来なかった。
「効かない!?」
ソロモン王の中は、紫色の魔力……恐らく、知恵テイムで満ちていた。俺の道テイム・拡散は効果範囲が広いものの出力は弱い。打ち消されてしまったのだろう。
〖ロードロード、お前。この技を俺の兵士達にやったのか。悪魔かよ。俺の体をぐちゃぐちゃにしようとしやがったな〗
悪魔、ね。亜人とは言え、人をあれだけ殺してるお前には言われたくないな。
「あぁ……だが上手くいかなかったな」
〖道ってこんな強いのかよ〗
ソロモン王の呆然とする顔。
それは俺も驚いてる。
「お前らが何度も侵略してくるからこんな使い方覚えてしまったんだ。そうでなけりゃ、俺はパンツを見て道を整備するだけの日々を送れていたのによ」
〖パンツを見て?〗
あ、やば。バレちゃう、俺の仕様がバレちゃう!
〖ま、まさかお前もパンツを見てエナジーを回復するのか?〗
無言で応答。しかし、その通りなんだよな。
ソロモン王が俺を見て大きく目を見開く。
〖そ、そんな……俺以外に、そんな奴がいるなんて……ってことは、俺の美女達は、お前にエナジー回復をさせてしまっていたということに〗
バレたか。っく……今後の戦いではあの美女達のパンツが見えなくなるかもしれねえ。今のうちに拝見。
【! ドキドキ……】
小賢者、お前も嬉しいか?
【う、うん……綺麗な人のパンツ見るって、嬉しい!】
へへへ、お前もそういう奴か。
【うん。パンツ、好き】
知恵テイムの影響はあるか?
【……なんか今は落ち着いた。パンツ見て、落ち着いた】
そうなのか、パンツ覗きには精神安定作用があるのかもしれないな。
【同意!】
さて、鑑賞だ!
【うっひょおおおおお!】
俺は上空を見る。そこには、ソロモン王の少し下に設置された魔方陣に――美女達が透けたレースやミニスカで立っている。
艶めかしい優雅な骨盤。一つ一つが丁寧に織られた職人技と分かる布地。仮に知恵テイムされて紫色に光っていても、その素晴らしさに支障なんてない。
むしろ、他人の女のパンツを見るような背徳感と心地よささえ感じる。
その美しさには寸分の乱れなし。
パンツ。金髪の子、赤髪の子、黒髪の子、染めているのかピンク色の髪の子もいる。
えへへへ。
そこに各地の職人技なのか、豪華な刺繍が見える。パンツ、パンツ、パンツ。
アラベスクもあれば渦潮模様もあり、斑点もまだらもある。
【レベルアップです×二万】
随分上がるな。
【敵のパンツってなんか良い】
分かる……。
幼馴染みとか仲の良い委員長のパンツを見ても嬉しい。だけどイケメンがはべらせてる女のパンツをじっくり見るのもこれまた興奮する。
【レベルアップです。トロフィー「敵パンツ萌え」を獲得】
変なトロフィーだな。
【仕様です】
仕様ならしょうがないな。
【ロードロード、その、お願いなんだけど】
なんだ? ここまで一緒にいる仲だ。言って見ろ。
【ブラジャーとか、胸当ても少し言って貰える?】
おいおい、俺はパンツ専門だぜ。
【お、お願い……興味あるんだ】
っち。しょうがねえな。
エルティア王国軍のブラや胸当てを見る。エルティア王国軍の胸当ては多少の差異はあれ、概ね同じだった。そして、巨乳より美乳が大切にされているような感じだ。ソロモン王は美乳好きなんだろうな。
【美乳、綺麗】
そうだな。
鮮やかなホワイトカラーのランジェリー、真紅を基調とされたそのデザインはその人の胸に合わせたシルエットの張りは全てがオーダーメイドと言える。
【素晴らしい職人技!】
エルティア王国にも手先の器用な人がいるってことだな。
綿やシルク、ビーズ、ありとあらゆる素材が細部に配置されていて、見るべき女性の美しさをそのまま大切にしてくれている。
【ブラジャーも、良い】
馬鹿め、俺はパンツのが大事だ。
【えへへへ。幸せ。で、ロードロード】
何だ、小賢者。
【あれ全部、冠位指定の美少女パンツです】
何……。
【道テイムして下さい。敵の戦力を削ぐことができます】
なら仕方ないな。美少女に道テイムしたら、俺達のレベルが上がるからな。
【はい】
えへへへ。
【えへへへ】
俺は相手のパンツに意識を集中!
「道テイム! 拡散!」
ソロモン王のはべらした千人の美女、そいつらのパンツが一斉に爆発した。
「「「「「「「「「「ソロモン様ぁああああ」」」」」」」」」」
そして何故か、千人の美女の体は透けていき――、この場から消失した。
〖お、お前ら……〗
呆然とするソロモン王。
千人の美女が消えたのをどこか信じられないという顔で戸惑っている。
【レベルアップです×一億。エナジーが満タンまで回復しました】
よし、これでソロモン王のエナジー回復手段を封じたぞ!
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