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〖エナジー回復条件〗と〖始まりの知恵〗

 ここまで沈黙をしていた魔王ガンダールヴが、突然叫んだ。


「失望しましたぞ! ソロモン王、貴方は高潔な方だと思っていたのです!」


〖なんだ、エヴォルの魔王よ。俺に何が不満なんだよ〗


 ソロモン王はすーっと更に高度を上昇する。


〖皆の者よ、俺の為に構えよ〗


 構えよ、だと!? まさかあの千人の美女がジャンヌばりの戦闘員だと言うのか!?


 千人の美女は顔を赤らめながらちらりとスカートの裾を捲った。その恥じらいが、良い。ってこれが彼女達の構えかよ!


【エナジーが回復しました×二千】


 へへへ。たまんねえな……じゃなくて!

 あぁもう、ソロモン王のイメージと違う!


 ソロモン王は魔方陣の上に立つ美女千人のパンツを凝視。

 よくよく考えればノータイムで知恵テイムを対象にかけるって言うのは道テイム・拡散に似ているな……そうか、やはり知恵テイムと道テイムは近いスキルなんだな……。


〖知恵テイム!〗


 ソロモン王の言葉で、美女達のパンツが紫色に光り出した。


〖ははははは、エナジーが回復していく。こいつは良い。またお前らに武器の雨を降らせてやる!〗


 ……ソロモン王はエナジーの回復に知恵テイムを発動させる必要があるようだ。見ただけで回復出来るって俺の仕様とはそこが違うな。


「この最低破廉恥猥褻魔術王!」


 魔王ガンダールヴが、高笑いするソロモン王を罵倒する。

 俺もこんな感じで昔、魔王ガンダールヴに罵倒されたな。十日くらい前だったっけ?


〖エヴォルの魔王よ。俺の何が悪いって言うんだよ〗


 魔王ガンダールヴはソロモン王に泣きながら言葉を放つ。何で泣いてるんだ?


「全てですよ! 我々のスキルは、種族特有のものもあるが……本人の願望にあった発現の仕方をする」


 へー、そうなんだ。知らなかった。ちなみにこの間もずっとエナジー回復している。心地良い時間だぜ。へへへ。


「ソロモン王、貴方は高潔だと思っていた。思っていたのに……貴方は自分のスキルをパンツを見てエナジー回復するっていう最低の仕様に決めたのだ。これを下品と言わず、何と言うのですか? 余は……貴方に、憧れていたのに!」


 成る程。好きなスポーツ選手の趣味がパンツ覗きだったら幻滅するファンの少年って感じの気持ちか。なら分からんでもない。この堅物魔王はそういう下ネタ嫌いだろうからな。


 魔王の膝は崩れ落ち、手は床について涙がぽろぽろと零れていく。

 しかし、ソロモン王の返答は意外なものだった。


〖俺は悪くない。リリスが悪い〗


「は? リリス様が? 余の聞き間違いですかな? 責任転嫁とはますます聞こえが悪く思いますが」


 魔王は顔を上げ、眉を顰める。魔王達にとってリリスは特別な存在だ。天皇やローマ教皇みたいな権威的存在だと聞く。

 ブーケやレギンもソロモン王を睨んでいる。ソロモン王が次に意識を向けたのは亜人である彼等で無く、俺だった。


〖ロードロード、お前……この世界が何の世界か知っているか?〗


「え?」


 何でこんなセンシティブな問題を俺に向けるんだ?

 レギン達が俺を向く。っく、視線がいつもよりちょっと怖い!


〖お前はこの世界が何の世界か、理解してるか?〗


 とは言え、質問そのものに答えることは可能だ。


「聖書の世界。聖書の楽園がある世界……追放されたアダムとイヴがいた世界だ」


〖正解。じゃあ、なぜ美少女パンツを見ないと、知恵テイムのエナジーが回復しないか分かるか?〗


「え……」


 関係あるの? 知恵とパンツに。いや、知恵と美少女パンツに。


〖お前、聖書の知識知らないか?〗


「少しだけ知ってるつもりだけど、全部見たわけじゃ……」


 ソロモン王の溜息が聞こえる。


〖はぁ……じゃあヒント〗


 何言われても分からないと思うけどな。

 知恵と美少女パンツに何の繋がりがあるって言うんだよ。


〖始まりの知恵って何でしょうか?〗


 始まりの知恵? 確か、アダムは……楽園で禁断の果実……!

 『知恵の実』を食べて……。


〖分からないか?〗


「ちょっと待て、今考え中だ!」


 『知恵の実』を食べたアダムは、……イヴと一緒に、いちじくの葉を。


 い


 ち


 じ


 く


 の


 葉


 を


「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」


 俺は叫んだ。

 そうか。そういうことか。


 俺を見て、魔王とブーケとレギンが心配してくる。


「ど、どうしたのだロードロードよ」


「突然叫ぶなんて、何か分かったんですか、道さん」


「ロードロード。その……美少女パンツと知恵テイムに関係なんて、あるわけないだろ」


 三人とも分からないようだが、俺は理解した。そしてソロモン王を見る。


「ソロモン王、理解したよ。始まりの知恵って何なのか」


 遠く上空にいるソロモン王。俺を見下ろすその顔は笑っている。


〖へぇ、じゃあ言ってみろ。お前の知恵が正しいかどうか、俺が判断してやるよ〗

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