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vsアレクサンドロス大王2 戦い、開始

 大王が黄金色の魔力を発した。

 そして、大王の隣には――医学乃神アスクレピオス大詩人オルペウス大賢者ケイローン不良系強者メレアグロスまでいる。

 そして大王は高らかに天を指して、

«英雄乃座エーリュシオン»

 と唱えた。

 光柱が出現し、中から次々と重装歩兵や騎馬兵達が現れていく。

 あれが重装歩兵団ファランクス大王親衛騎馬兵団ヘタイロイか。

 アレクサンドロス大王が一番戦い易い集団。

 ざっと数万人くらいいるな。

 空中にある魔法陣に立ってるが、もし転移を使える奴がいるなら油断できない。


 俺を慕ってくれてる海賊団アルゴナウタイ達とマケドニア兵の数はほぼ同数といったところ。


 大王が真剣な顔で俺を睨み、

«ロードロード。話を聞いてあげてもいいけど、それよりは戦いで決めた方がいいと想うんだ»

「そっか。なら、仕方無い」


 俺は警戒を強めた。


 大王は心理フェイズよりは戦闘バトルフェイズをお好みらしい。

 アレクサンドロス大王ってそういうやつだよな。

 話が通じないわけじゃないけど、力技が得意過ぎるからそれに頼っちゃうっていうね。


«僕のスキルを見せてあげるよ»

「道テイム、だろ?」


 国常立乃神の加護によるスキル。それを俺でなく、大王も使うのだ。

 なら、どんな風に使うか何となく分かる。


 だが、大王はくすりと笑って、

«違うよ。僕のスキルはあと二つあるんだ»

「は?」

«はぁあああああ!»


 大王は握り拳を固め、腹に力を込めだした。

 え、あいつ、何やってんの?

 少し髪が逆立ってやがる。

 嫌な予感しかしない。


«大いなるゼウスよ、僕に力を!»


 アレクサンドロス大王の体に稲妻が落ち、体が活性化していく。

 髪は稲妻を帯びて黄金になり、目は綺麗な碧眼になった。

 おいおい。


「おい、大王。ふざけんな。お前、何人だよ」

«とっくにご存知でしょ? 強大な敵を前に、使命を感じて名誉の為に神の加護を得て戦う民族……そう、僕はスーパーギリシャ人だ»

「……」


 強くなったのは分かる。

 しかし、これはあんまりだ。

 魔力は先ほどのメディアを凌ぐ。

 勝てる気がしないんだが……こんなの、バット●ンVSジョーカーじゃなくてスーパー●ンvsジョーカーくらい戦闘力差あるだろ。

 弱い者虐め止めろよ。


 と想ったら、医神が大王の隣に立って、

「ロードロード、大丈夫! 多分基本スペックは同じくらいだ!」

「アスクレピオス! 助言よりも助力してくれよ!」

「ごめん、無理!」


 俺は悲しい気持ちになり、顔を顰めた。


「えぇ……俺を助けてくれるんじゃなかったのか?」

「僕、案内人であって助っ人じゃないから。案内はここまでだ。あとは自力で頑張れ!」

「えぇぇ……」


 最後まで助けてくれよ。

 俺、医神にはかなり心開いてたのに。


«あはは。じゃあ、行くよ!? 座標転移テレポート!»

「!?」


 大王がそう言うと、俺の背後にマケドニア兵達が一瞬で転移した。

 しかも、陣形は明らかに古代ギリシャ式の布陣だ。


«ロードロード。戦闘で僕に勝てると想わないでね!»

「道テイム!」


 俺は地形を変化させ、マケドニア兵達を石畳で拘束。

 彼等はこれで簡単には動けないはず。

 と想ったら、


«座標転移テレポート»

「!?」


 転移、連発できるのかよ!

 俺のすぐ傍に重装歩兵団ファランクスが茶色い魔力を帯びて突撃を仕掛けてくる。

 しかも、反対側には親衛機兵隊ヘタイロイが赤い魔力を大地に炸裂させ、迫ってくる。


「っく!」

 俺は躱そうとした。

 すると、

«座標転移テレポート»

 今度は上空にアレクサンドロス大王が斬りかかってきた。

 これだけの軍隊を率いていながら、よくもまぁ自分で斬りかかって来れるよな。


 俺はもはや、逃げるしかないと想って、

「転移!」

 を使った。

 しかし、

«道テイム!»と大王。

 俺の転移は大王の道テイムによって打ち消されてしまう。


「!」

«くらえ!»


 俺の体が真っ二つになり、親衛騎兵隊に斬られ、重装歩兵団ファランクスに押しつぶされていった。

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