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魔王に戦果報告

 夜。俺はジャンヌ達との戦闘を終えて魔王軍の王城にやって来た。

 俺の隣にブーケとレギンとスレイブがいる。


 場所は玉座の間。

 玉座に座る男、魔王ガンダールヴは俺達の方を向いて驚いている。俺達を代表し、ケンタウロス族のブーケが戦果を報告したのだ。


「……という感じです。まさに、道さん一人いればエルティア軍、恐るるに足らずと言った状態です」


「なんと。まさか、快勝とはな」


「圧勝とすら控えめな表現かと」


 魔王にブーケが笑いながら返す。するとスレイブとレギンが話に入って来て、


「本当に有能ですね、道さん。これでイケメンだったら良いのですけど」


「むー、スレイブ。男の価値は顔じゃないって」


「男の価値は顔と強さと健康と金、あと性格ですね」


「まぁ、性格は大事だけど。道は愛嬌のある表情と、確かな強さと病気知らずの体を持つ。金なんていくらでも稼げるだろうし、性格だって良い奴だ」


「レギン? 私は恥じらいを知っている人が好きです。ところ構わず、美少女ならパンツを覗こうとする変態はきもいとか良い様がありません」


「それはそうだけど、それも仕方ないことだし……」


 エルフとサキュバスのやり取りを聞いていたブーケが、笑顔でスレイブに近づく。


「スレイブ、反省してないのかよ」


 ブーケは笑顔だが、いつもよりドスの利いた声で話す。スレイブはたじたじする。


「ぶ、ブーケ」


「おい、お前今この国の状況分かってるの?」


「ブーケ……さん」


 たじたじしたエルフはケンタウロス族を『さん付け』する。へへへ、いい気味だぜ。


「今、道さんのお陰で国は存続できてる。そうだよな?」


「……」


 無言のエルフ。俺は内心、『その通り、ブーケ、もっと言ってくれ!』と思った。

 ブーケはトドメの一言を放つ。


「あのさ、スレイブ。分かろうよ。ガキじゃねえんだからさ」


「は、はい……」


 ブーケに叱られて、スレイブはしゅんと俯く。


 俺はスレイブが不憫なので助けてやることにした。偶には恩を売ってもいいかなと思ったのだ。


「ブーケ、スレイブが俺をきもがるのは仕方ないって」


 だがブーケは俺に明るい笑顔と声で答える。


「なら、美少女パンツを見るのも仕方ないですよ。道さん、美少女パンツ見ないとエナジー溜まらないじゃないですか」


 完全な正論だった。故に俺は言葉に詰まってしまう。


「そりゃ、そうだけど……」


「でしょ?」


 スレイブは泣きそうな声でぽつんと言う。


「見せてるんだから、きもいと言うくらい許して下さい」


 ブーケはきりっとした顔をスレイブに向けながら、


「それで道さんが傷ついたらどうするの? ねえ、道さん」


 俺に話を振ってきた。なので、俺は答える。


「興奮する」


「は?」


 俺の言葉にブーケだけでなくスレイブとレギンも驚く。俺は話を続けた。


「興奮する。美少女にきもって言われたりすると興奮する」


「ほ、本当ですか?」


「あぁ、嘘じゃ無い」


 ブーケが絶句する。仕方ない。美少女全員にきつく当たられるなら兎も角、レギンがこっち

向いてくれる以上、罵倒してくる美少女がいるのも悪くない。俺は心底そう思う。


「スレイブ……さん、お見それしました。きもいって道さんに言っていいですよ」


「……」


「良いことなら、咎めることなどありません。でも、命令拒否したら貴方の経験人数と名前をエルフ国に……貴方の祖国に言うので」


「そ、祖国に!?」


「覚えといて下さいね」


 スレイブはまたもやしゅんと俯いた。俺はスレイブに話しかける。


「可哀想だな、スレイブ」


「で、でしょ? 可哀想でしょ?」


「可哀想な子って良い」


「は?」


「お前はずっとそのままでいるべきだ」


「きも、きもきも! 道さん、きも過ぎ!」


【報告。トロフィーを獲得しました。「美少女に罵倒されて喜んだ回数百回突破」】


 なんてトロフィーだ。というか、トロフィー取って意味あるのか?


【トロフィーがあればある程レベルアップの上限が突破できます】


 な、なんだと? 必須じゃないか。


【その通りです。もっと獲得して下さい】


 他にどんなことがあるんだ?


【獲得してからじゃないと分かりません】


 っち。あ……ってもうこんな時間か。行かないと。

 にゅるっと俺は移動する。生コンクリートになることで時速20キロまでのスピードで動けるのだ。


 レギンが俺に話しかけてくる。


「ロードロード、どっか行くのか?」


「あぁ。礼拝の時間だ。広場に行ってくる」


 魔王がそれを聞いて、俺に神妙な真顔を向けて、


「ロードロード。本当にありがとう。お前が元人間とか、魔物であることさえ関係無い。お前が生まれて来てくれて、余は嬉しい」


「魔王様、勿体ないお言葉です」


 俺は魔王に生コンクリート状態になってぺこりと一礼する。生コンクリートで動くとエナジーを消費してしまうが、これも使っていくとスキル練度向上になりコスパが良くなるから俺は最近よく動くことにしてる。


 よちよち歩きしてれば、いつか立ち上がり走れるようになる感じだ。

 それに、『礼拝の時間』は俺のエナジーを回復する時間でもある。エナジーを少し消費しても問題はない。


 俺がにゅるにゅると移動すると、レギンが後からついてきた。運んでもらってたのも嬉しかったけど、一緒に移動するのも嬉しい。

 だが……『礼拝』は格別だ。へへへ!

 もし『面白い!』とか『続きが気になる!』とか『道の活躍をもっと見て見たい!』と思ってくれたなら、ブクマや★★★★★評価をしてくれると幸いです。


 ★一つでも五つでも、感じたままに評価してくれて大丈夫です。


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 何卒、よろしくお願いします。

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