魔王、配下の美少女パンツ見せるのに前向きになる
かくかくしかじか。
俺がエナジーの回復条件を魔王達に説明する。
「何ぃ、美少女パンツを見ることが、エナジーを回復させるだとぉ!?」
魔王は大口を開けてびっくりしている。というか、スレイブとケンタウロス族の男達も驚いている。
「本当なんだ」
「ば、馬鹿なことを言うな。太陽光に当たるとかではないのか?」
魔王、俺はそんなソーラーパネルみたいな存在じゃねえよ。
「風に当たるとか」
風車か、俺は。
「その、美少女パンツを見てエナジーが回復するって……信じがたい。道、と何の関係もないではないか」
「俺に言われてもね」
「真偽水晶を見て、光らない……とすると、まさか!」
魔王はスレイブを見る。魔王の視線は、スレイブの下半身に。
「ど、どうしたのですか、魔王様……っは!」
スレイブは、悟ったようだ。そう、俺がエナジーを回復できない理由は。
「スレイブ、余は分かったぞ。ロードロードがエナジー回復できなかったのは、貴様のスパッツのせいだ!」
「えええええええ!?」
ドン! という轟音。
巨大な火柱が、荒野から少し離れた森に放たれていく。
「っく、ロードロード、エナジーにまだ余裕はあるな!?」
「ある程度は」
「よし、なら……ケンタウロス族を集合させ、大規模作戦でこの劣勢をひっくり返してやる!」
スレイブは、恐る恐る聞いた。
「魔王様、エルティア王国は強敵です。そんな、上手くいくでしょうか?」
「大丈夫だ。ロードロードがいれば、恐らくな」
ニヤリと笑う魔王。その笑みは、勝利を確信しているように思えた。
「スレイブ、ケンタウロス族に石橋付近に集合だと伝えてくれ」
「分かりました」
スレイブは、緑色の光を纏い、風を操っていく。彼女が呟き、その言葉が風に乗って戦場のあちこちに届けられるのを俺は見た。
「凄いな、魔法なんだろ?」
「お前らのスキルの方が燃費は良いが、スレイブ程の魔法になれば確かに強力だな。ここまでの使い手は滅多にいないが」
魔王は俺に答えながら懐から地図を出し、戦場を見ながら何やら字を書いている。
数分で多くのケンタウロス族が集まってきた。中には、瀕死に近い奴もいる。
「ロードロード、彼らを癒やしてくれ」
「おう。道テイム!」
俺の傍に座るケンタウロス族の傷ついた男女達、大きな血管を損傷していて、俺は道テイムで治療する。血管を道テイムしても、以前レギンにやった時よりは疲れず、そこまで眠くならずに済んだ。
【報告。使えば使う程、スキル練度は向上します。血管を道テイムし続ける経験を得られれば、いずれ疲れなくなるでしょう】
成る程な。
ケンタウロス族の男女はすっと立ち上がり、驚愕して自分達の体をまさぐっている。
「す、凄い……貴方が噂の道さんか! 会えて光栄です!」「凄い、体が治ってる!」「治療もできるなんて」「ふぁ、ファンです! 貴方の石畳、踏み心地が最高です!」
なんか、ケンタウロス族の奴らは全員俺に感謝してきた。
「ロードロード、疲れは大丈夫か?」
「あぁ、何とかな」
魔王は真剣な面持ちで告げる。
「そうだ。ケンタウロス族の女性達に言わねばならん。全員、スパッツを脱げ。これは王命である」
ざわざわとするケンタウロス族。しかし、脱いでいくケンタウロス族の女達。
「どういうことですか、魔王様。こんな戦場で」
ケンタウロス族の若い男が魔王に聞く。
「詳しくは話せぬ。しかしこれは軍事機密なのだ。スレイブも脱ぐように」
更にざわざわするケンタウロス族達。
「行くぞ、ロードロード、これで全ての準備は整った」
「あぁ……道テイム!」
空中にマップが表示された。
魔王は空中のマップを見て、にやにやしている。
「こいつは凄いな。ここまで詳細な地図を出せるとは」
魔王は地図を操作し、タッチパネル操作する様に拡大と縮小を繰り返している。ってそんな機能あるのかよ。
「凄いな……余はびっくりだ。適当に触ったのだが、拡大と縮小が出来る地図は伝説の魔導具級の性能だぞ」
俺も驚きだよ。
赤い点と青い点が表示されていて、青い点がエヴォルで赤い点がエルティア軍のようだ。
「ケンタウロス族、今から作戦を伝える。負傷兵を連れて撤退し、編成の後、撃退戦を行う。お前達に、詳細な地図を渡す」
魔王の右手に魔方陣が浮かび、魔王は即興で地図を書き上げていく。
魔王はできあがった地図を、それぞれのケンタウロスに渡した。
「さて、そろそろか」
魔王が呟くと、どどどどどという地を駆ける轟音がやってきた。
「お待たせしました、道さん、魔王様!」
ブーケだ。鍛え上げられた脹ら脛、むちむちのお尻、ふりふりした尻尾。相変わらずの美少女だ。
「あたしだけ、十分くらい遅れていい、とのことでしたけど」
「あぁ、お前は俺とロードロードと一緒に移動だ」
「えええええええ!?」
ブーケは驚き、俺も内心驚いた。
「ケンタウロス族、作戦は分かったな? まず、撤退戦だ!」
魔王はブーケに俺を担がせ、俺に座って移動する。
「ロードロード、俺が空中にあるマップに触ると、どう感じる?」
魔王は指に魔力を込めて触ったようだ。魔王の意図が流れ込んでくる。
魔王の意識が俺の視覚に存在し、『透けた線』が見える。それはまさに、その線に沿って『道テイム』してくれと言わんばかりに。
魔王はニヤリと笑う。
「ロードロード。お前はもしかしたら自分のことを力がない弱い魔物と思ってるかもしれないが、実際は違う……」
「何?」
「お前は、最強の魔物になる奴だ。スキルを使えば使う程成熟し、いずれ誰も勝てなくなる」
その言葉は意外なものだった。俺は活躍できないとは思わないが、最強だなんて大それたことは言わない。
「ドワーフロードとして思う。お前はいつか、最強になるだろう」
「そ、そうなのか?」
「まだ自信が持てんか。まぁいい……お前の最強を、余が証明してやる!」
魔王は戦場のマップに魔力を通していく。俺は普段より道テイムのし易さを感じた。
誘導してくれるからこそ、意識するべきとこを探す必要すらないのだ。
「道テイム、道テイム、道テイム、道テイm――」
俺は美少女パンツを見ながらエナジーのある限り道テイムで石畳や土を整備していく。すると、そこにあるのはケンタウロス族の大疾駆。戦場で負傷するドワーフやオーガ、オーク達が次々と彼等に運ばれて撤退していく。
そして。
【報告。レベルアップです。レベルアップです】
もはやBGMのように、俺の力が次々にアップしていく。それはもはやうるさいと思わず、心地よいとすら思える万能感を俺に感じさせる。
俺はブーケに運ばれ、戦場を移動していく。魔王は俺の上に座りながら、戦場のあちこちを見渡している。
「余が戦場を読み、ロードロードが戦場を整備する。そうすれば、ケンタウロス族は最適な道が次々に整備され、撤退は非常に迅速になるというわけだ」
魔王はほくそ笑む。
「道テイム、道テイム、道テイム!」
俺の道テイムで整えられた石畳によりケンタウロス族の移動が次々と行われていく。彼等は負傷兵を運び物資を戦闘員に届ける様はまさに『兵站部隊』というのを目の当たりにした気分だ。
俺を持ち上げるブーケは相変わらず速く、敵兵は捉えきれずにいる。
「ブーケって、本当に凄いんだな」
「えへへ、まぁ、それほどでもありますけど」
魔王は次々に魔力使ってマップに意図を流し込む。俺はそれを知覚し、道テイムをやっていく。
すると。
【報告。エナジーがあと僅かです】
小賢者の助言……分かってるよ。
俺は『視覚共有』をする。すると、ある程度の美少女のパンツが見えた。
【エナジー、回復していきます。しかしこのままでは消費量の方が多く、枯渇します】
焼け石に水のようだ。
「魔王、エナジーは少し回復したがまだ足りない」
「何だと……」
そして、俺は気付いた。スレイブの、艶めかしい曲線美、男を惑わす為に生まれたスレンダーなエロい生足とパンツが視覚共有の中にない。
「スレイブが、履いたままだ」
「何!? 序列七位という責任ある立場にも拘わらず、王命に逆らうとは……スレイブ、どういうことだ!」
風に乗って、スレイブの声が聞こえた。
『その、本気で嫌なのです、魔王様』
「スレイブ、お前は俺に命の恩があったはずだ。なのに、逆らうとはどういうことだ!?」
『命をかけて人間と戦うことはできます。でも、パンツを見せるというのは』
「お前、経験人数三十名超えてるだろ。今更、パンツくらい……」
『そういう問題ではありません! 見せたくない相手には、見せたくないんです!』
「……国家反逆罪で、軍法会議にかけるぞ」
『わ、分かりました……いや、やっぱり嫌です!』
魔王は溜息をつく。
「後で無理矢理にでも脱がせるとしよう」
俺は流石にそれはやり過ぎと思い、魔王に意見する。
「いや、魔王ガンダールヴ。何も、そこまでしなくても」
「それでレギン死んで、お前納得できるか?」
……できない。俺は口詰まる。
「嫌だろ? 余もこんなこと、言いたくない。だけど、お前が美少女パンツ見ないと国民が死ぬってんなら、やるしかないだろ。少し努力を怠って、死ぬはずのない兵士が死にましたってのは国王としてうんざりなんだよ!」
魔王の目から滂沱の涙が流れる。
「仕方、ないだろ……」
戦場をあらかた道テイムして撤退していく魔王軍。俺は火柱があったすぐ近くまで運ばれた。
すると。
ドン!!!!!
巨大な轟音が数百メートル先から起こった。あそこに、ジャンヌがいる。
そして、ジャンヌとやり合えるようなのは序列クラス、つまり――サキュバス美少女がいるはずだ。
「行きますよ、魔王様、道さん。あそこで……レギンさんとジャンヌが戦っています」
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