石畳の損傷が酷くなっていた
「はぁ」
俺は溜息をつきながら、ぬるぬると自宅に移動していく。
ふと空を見上げれば、そこには煌びやかな満点の星空がある。
なんて綺麗なんだろう。
だけど、俺はそれと同時に、自分への罪悪感で一杯だった。
「まさか……同級生達にオイルマッサージを受けてしまうなんてな」
夜道を移動する俺はぼそりと呟く。
そして魔王城近くの自宅に辿りつく。
質素というか、全く人間味のしない部屋だ。
俺は部屋の中央に行き、意識を落ち着かせる。
「……」
かつてない程にエナジーは満タンだ。そして、ケンタウロス族の子達がやってきたオイルマッサージはレギンと違って刺激は強すぎることは無かった。
水着と制服の違いはあるだろう。
が、やられて思ったことがある。
「……多分、サキュバス族だからだろうな」
サキュバス族の体は……この一枚岩の体とどうも相性が良いのか悪いのか、刺激が強い気がする。
種族特有の体質、なのかもしれないが。
つまり俺は……エナジー回復をするなら恐らくケンタウロス族の方がサキュバス族よりずっと相性がいいということだ。
アイシャ達やブーケの方が、きっとレギンより体の相性が良いのだろう。
だが、しかし。
それでも俺は……。
「初めて俺を好きになってくれた人に、報いたいな」
頭をレギンへの思いで一杯にして、すやすやと眠りにつくのだった。
チュンチュン、と野鳥が鳴く。
木漏れ日が俺の意識を一気に覚醒させていく。
「……朝か」
レギンが来る前に、このエナジーを少し消費したい。さて、何かあるかと思ったところ石畳のダメージがケンタウロス族により激しく損傷させられているのに気付いた。
……礼拝の時間の前だが、構わないだろう。俺は意識を集中し、
「道テイム!」
道の整備を開始した。
どんどん石畳は光輝き、ありとあらゆるヒビがなくなっていく。
……よし、これだけ直せば問題ないだろう。
「それにしても、ここまで損傷が激しくなっているとは……」
俺は怪我をした亜人を度々治療してあげている。そして、俺が治療した亜人はその都度強力な力を得ている感じがある。
……多分、そういうことなんだろうな。
「もしかしたら、ケンタウロス族の奴らは……セーブしていた力を解き放って思いっきり仕事しているのかもしれない」
そりゃアイシャ達が俺に突っかかってくるわけだとどこか腑に落ちてしまう。
俺がいると、思いっきり仕事が出来るわけだ。なら、きっと……故障しないように意識していた奴らは、俺を頼るに違いない。
俺がさらに色々考えそうになる前に、バッサバッサと翼が羽ばたく音が聞こえる。
「おはよう、ロードロード!」
「レギン、お、おはよう!」
愛する彼女がやってきた。
「あはは、今日も元気そうだな。じゃ、学校に行こう!」
「うん」
満面の笑顔の彼女と一緒に、俺は学校に向かった。
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