美少女JK、道に抱きつく
「や、止めてくれ……」
俺を睨む黒髪ロングの亜人JKは首を横に振った。
「新魔王よ、貴方には貴方の義務がある。それは、その力をいかんなく発揮し……我々を豊かにすることです」
「っ……充分豊かにしてやってるだろ! インフラを整備して、死者さえ生き返らせ、特殊部隊の教育までやってる。これ以上やらなくても、いいだろうがよ!」
「……確かに、普通ならそれで良い。でもあたし達には……もっと豊かさが必要なんです」
「……」
「地下通路を張り巡らせて、外国にもこちらの都合の良い道を作って欲しいんです」
アイシャはねっとりしたマッサージオイルを手に擦り付ける。まずい……あれをやられたらひとたまりも無い!
「道テイ――」
「遅い!」
アイシャの取り巻きの同級生達が、俺の体に彼女達の体を擦り付けてきた。
彼女達のパンツが俺の体に触れる。
それは言いようのない快感を俺にもたらした。
【うっひょおおおおおおお! レベルアップです。エナジーが回復しました。エナジータンクが満タンになりました! 危険です、急いでスキルを使用してください!】
「ぐわあああああああああああああああ!!!!」
俺の体にヒビが入る。
「っく……卑怯だぞ! 俺一体を……皆で虐めやがって……しかも、こんな欺すような真似をして」
「何とでも言って下さい。あたし達は愛国者であり、軍人です」
「軍人ならトップに従うべきだろ!」
「上が無能なら後ろから攻撃して殺す。有能なのに動かないなら、無理矢理働かせるまでですよ」
「っく……」
俺の意識よりアイシャ達の動きのが素早い。道テイムは強力だが至近距離では……俺が強化してしまった彼女達のが動きが上のようだ。
アイシャ達はにやにやしながら俺を見る。
「あはは。ロードロードさん。貴方に、地下通路を作って貰いますよ」
「……」
選択肢はないようだ。それにこいつらは俺を殺そうとするんじゃなく、スキルを使わせて国を豊かにしようってだけだ。
地下通路は意図的に彼女達の自宅真下まで敷くように当初の案からアレンジが加わっている以外は目新しいところがない。
これっきりだ。明日から普通に過ごせばいい。
「お前ら……全員、レギンにこのことばらしてやるからな」
「いいですよ。でもきっと、何のお咎めもあたし達にはないでしょう」
「何……」
「ブーケさんやヒポハスさんはあたし達を守るでしょう」
「!」
「ハンニバルさんやリィフィさん、それどころか旧魔王のドワーフロードでさえ賛同しますよ」
その通りだ。レギンの意思を尊重しているのは事実上、俺一人であり他の序列も国民全員がやって欲しくてしょうがないのだ。
美少女のパンツを見ただけで、人手不足や人材不足や老朽化したインフラを解決出来るという夢のようなスキルだと思っている。
国民は俺に美少女パンツを見て、スキルを使うのを願っている。レギンと俺の自由意志を最低限尊重するという形を作って貰ってるだけなのだ。
「やって下さいよ、道テイム。地下通路があれば……ケンタウロス族の物流だけでなく、避難先としても機能するのは間違いありません」
「確かにそうだろうけど」
「ロードロードさん。お願いです」
ここにきて、アイシャはいきなり頭を下げた。
「ロードロードさん……皆の為に、地下通路を作って下さい」
「……」
「あたし達には、貴方のスキルがまだ必要なんです!」
仕方ない。今回だけだと割り切ってやってやるか。
俺は満タン近くなった殆ど全てのエナジーを使って、スキルを発動していく。
「道テイム、道テイム、道テイム、道テイム、道テイm――」
「――」
アイシャ達の顔はぱぁっと明るくなり、俺のスキルによって巨大な大空洞が起こり、それがコンクリートや鉄筋で補強されていく。見事な地下通路がそこに誕生した。
かなりエナジーを消費したので、地下通路計画の五割ほど進んだ。これだけあればもう充分だろう。
「道テイム」
俺はマップを宙に表示させる。それは国の半分に地下通路が行き渡ったことを表していた。
「アイシャ、見てくれ。これでいいだろ?」
「凄い! もうこんなに……魔王ロードロード! 貴方は最高の魔物です!」
アイシャが俺に抱きついてくる。っく……黒髪ロングの美少女に抱きつかれるなんて嬉しくて堪らない!
【エナジーが回復しました×千】
「凄い……新魔王よ、貴方は、最高です」「ロードロードさん、大好き!」「ありがとうございます!」「これからも道テイム、お願いします!」
アイシャの取り巻き達もまた、俺に礼を言う。
……彼女達には悪いけど、断らないとな。けじめはつけなきゃいけない。こういうのは、今回限りだとはっきりと言おう。
……それに、エナジーを使わないと明日の礼拝の
「作ってもいい。でも、こういうのは……これっきり
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