新魔王vs魔王代理 その2 道さんに殺されて、道さんに生かされたい!
ぐしゃ。
岩山の上に立つケンタウロス美少女の腕や足がひしゃげた。
見てて痛々しい。
俺はちらりと周りを見ると、アイシャ達同級生は悲しげな顔でブーケを見ている。
そりゃそうだ、あんな関節が曲がってて……見てて良い気分になるわけがない。
「ブーケ、止めよう。こんなこ――」
「あは、あはははは」
桃色のケンタウロス美少女は笑いながら筋肉に力をかけて、曲がった関節を無理矢理戻した。凄まじい技巧だ。
折れた腕が筋肉の収縮によって無理矢理正常な位置に戻る。
「気持ち良い! 道さんに、道テイムされて壊されて……道さんに、道テイムされて治されたい!」
「狂ってるよ、ブーケ」
俺は困惑顔を浮かべる。ちくしょう、全然反省してないな。
「道さんに殺されて、道さんに生かされたい!」
「ブーケ……」
「皆と同じように扱って下さいよ……ねぇ!」
「!」
ブーケは桃色の魔力をほとばしらせ、空に魔力の柱が昇る。彼女は岩山の頂上を思いっきり蹴り飛ばし、数々の岩の破片を造り上げた。
そして、それらを俊敏な動きで蹴って、正確に同級生に当てに来た。
ドドドドドド、とどんどん岩が降りてくる。
「道テイム!」
俺は同級生の筋肉を収縮させ、岩を避けさせた。俺の道テイムを使って筋肉を操作した方が彼女達も最適な動きを出来ているようで、躱しやすくなってる。
だが。
「甘い!」
ブーケの声がすると同時に、同級生の体に蹴られた岩が当たった。
「皆!」
「大丈夫です。道テイムで、元に戻るんで。あははは!」
「っく……レギン!」
俺は美少女サキュバスに来て貰って、体を触れて貰う。そして。
「道テイム!」
死者転生を行う。死んだ同級生達が蘇っていく。
そこをすかさず狙ってくる桃色のケンタウロス族美少女。っく、仕方ない。
「道テイム・拡散!」
「うっひゃぁあああ!」
俺はブーケのの体の切り傷を広げ、出血用の道を作った。
「気持ち良い! 道さんにっっっ傷つけられて、嬉しいっっっ!!」
ブーケは狂ってやがる。傷つけられて嬉しいなんてまともじゃない。
そして、のたうち回るブーケの美少女パンツが見えた。
可愛らしい桃色のパンツだった。
……へへ!
【エナジーが回復しました。レベルアップです】
ブーケの奴おかしいって。
俺のように、まともな奴になればいいのに。
可哀想な美少女だ。
が。
彼女は筋肉をぎゅっと縮こまらせ、無理矢理出血を塞いだ。
「何!?」
ブーケは平然な顔で岩山を蹴り砕き、再び岩の破片をオーバーヘッドで蹴り飛ばして始めた。
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