道テイムで岩山を楽に登らせる
岩山の頂上から桃色のケンタウロス美少女が降りてきた。黒い笑みのまま、彼女は俺を品定めするように見ていく。
普通だったら気持ち悪いと思われるだろう。
しかし、俺は紳士だった。
美少女に嘗め回されるように見られるなんて、嬉しくてたまらないね。
興奮さえしてしまいそうになる。
【微妙にエナジーが回復しました】
……。
ブーケが俺を見て、
「道さん……凄いですね。今の、全員にかけることできますか?」
「多分、出来ると思う」
「やってみて貰っても?」
「お、おう」
ブーケが号令を発し、同級生の亜人美少女共が岩山の真下まで降りてくる。
まぁ、ブーケが言いたいことは何となく分かる。
「道さん、お願いします。彼女達に道テイムを貴方の思うままにやって下さい」
「おう」
俺はあらゆる亜人を道テイムし、スキル練度を向上させてきた。
結果、様々なことが出来る様になったのだ。
例えば……最適な移動ルートの特定とか。あるいは、最適な運動の誘導とか、である。
同級生の亜人JK達がクラウチングスタートの構えになる。その後ろにいる俺にはパンツがまるで見せつけられるようだ。
尻に食い込んでやがる。
若々しいむちむちのお尻に、パンツが食い込んでやがる。
【エバジーが大きく回復しました。トロフィー「クラウチングスタートパンツ」を獲得】
へへへ!
「道テイム!」
俺の道テイムをかけた軍人JK達が険しい岩山の突起を流麗かつ最適に駆け上がっていく。
俺の道テイムで彼女達の筋肉やニューロネットワークを活性化しているのだ。
「す、凄い……道テイムがあれば、部隊育成さえ容易に出来てしまいそうですね」
ブーケが唖然としながら岩山を駆け上がる美少女達を見る。
道テイム、道テイム、道テイム。
最適な移動ルートを、崖の突起を、道テイムをかけた亜人少女達に誘導する。
彼女達の筋肉が最適なタイミングで最適な動きをするように、誘導する。
スリップしても、疲れても、俺の道テイムで筋肉を誘導する限りミスは少ない。
結果、約三十名の同級生は全員無事に岩山を駆け上がった。
過去最速の記録でもあり、最短の記録でもある。
ブーケは目をきらきら輝かせながら笑う。
「あ、あははははは! 凄い、凄い凄い! 道テイムさえあれば……確実にエヴォルは発展できる!」
ブーケは喜びのあまり、ジャンプして跳ね回っている。……そんなに嬉しいのか。
レギンがポン、と俺の体に手を当てる。
「その、ロードロード」
「何だ、レギン?」
「無理、しなくていいからな?」
「無理なんてしてないよ」
「ならいいんだけど」
喜ぶブーケと心配してくるレギン。
そしてアイシャ達、俺の同級生。
俺の学園生活が彼女達と一緒に始まるのだった。




