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ハンニバル「おかしい。なぜさっさとジャンヌを倒さなかった?」 道「ぎくり」

 ジャンヌを撃退した。まぁ、余裕を持って倒せた。


「レギン、スレイブ、俺を加護してくれ」


 処女のサキュバスと尻軽ビッチのエルフが俺の体に触れ、俺の道テイムの力が跳ね上がる。


 死者転生だ。


「道テイム!」


 俺は死んで行った兵士達に意識を集中、彼等の体と魂を繋ぐものをどんどん修復し、肉体も修復し、彼等を転生させた。


「すげぇ」「この凄い力が全てパンツで……いや、美少女パンツで起きてるのか」「不思議な話だな」「道テイム凄すぎだろ。こんなの……兵隊を殺しても生き返るなんて」「でもエルティア王国の兵士達も何度も転移して来てるから……」


 彼等はざわざわと話しながら、道テイムの凄さについて語る。


 ジャンヌの火柱はかなり強力だったようで、二千名くらい死んだようだ。


 だが全員、この世に転生させることが出来たから良しとしよう。


 いくら兵隊が死んでも俺が生き返らせれば問題はない。


 っと……俺が道テイムを終えて周りをちらちら見たら、ハンニバルが俺をじーっと観察していた。


「何だ、ハンニバル。何か言いたいことあるのか?」


「いや、凄まじいスキルだな……と。私如きとは比較にならん」


「まぁ、凄いスキルだとは自分でも思うよ」


「……ソロモン王の異世界転移、ロードロードの現地転生、この二つのぶつかり合いというわけか」


 現地転生。どうやらハンニバルは俺の力をそう呼ぶことにしたらしい。


 まぁいい。


 だがハンニバルはまだ言いたいことがあるようで、話を続けた。


「ロードロード」


「何だ?」


「さっきの戦いなんだがな、お前のスキルならジャンヌをさっさと倒すことが出来たはずだ」


「は?」


「道テイム・拡散を使えばとっとと彼女の四肢をズタボロに変えることが出来たのでは? あれは遠隔で発動出来るだろ?」


 だって俺はジャンヌのパンツに道テイムして、破裂させたかったんだ。


 そうするとエナジーがたまるしレベルアップもするんだ。


 ジャンヌのパンツは冠位指定のパンツで、とても良い感じなんだ。


 とか言えるわけがない。


 俺は嘘をつくことにした。


「いや、俺は手を抜いてない。真面目に戦った」


 ハンニバルは懐からまさぐり――『真偽結晶』を出した。まずい、あれは嘘か本当か100%見抜けるとかいう嫌なアイテム。


「おかしい。なぜさっさとジャンヌを倒さなかった?」


 ぎくり。


「ジャンヌは強力な異世界転移者、油断をするわけにはいかない」


「皆の力を視たかったんだ」


「ふむ……一理ある。しかしその結果、お前は死者転生を使い、エナジーを消費した」


「エナジーの消費はそこまで多くない。スレイブとレギンが加護するなら俺のエナジー消費は相当に減る」


「それが事実……だとしても不可解だ」


 ハンニバルはじーっと俺を観察している。


 まずい。


 この男はスキル以前に根本的な観察眼が優れている。


 普通の人間ではない。


「なぁ、ハンニバル。そんなこと気にしなくても良いだろ。勝てたんだ」


「私は不思議なことは真剣に考えたくなってしまう性分でね」


 俺とハンニバルの掛け合いを聞いて魔王軍もざわめきだした。


「確かに、どういうことだ?」「俺達が死ぬより、優先することがあったってことだよな?」「そうなる」「転生能力を試したかった?」


 兵士達がそれぞれ考え初めて行く。


 ハンニバルも兵士達を視て、興味深そうな眼差しを向けた。


「ほう、人より思考力が魔族は劣るというが……亜人もそうか。だが俺が知恵を与えれば与えるほど……彼等は賢くなるのだな」


 ハンニバルは亜人達を視てニヤリと笑った。


 まずい。このままでは……俺の美少女パンツに道テイム、がバレる。


 結果、レギンに怒られる。


 浮気だなんだ、言われてしまうかもしれない。


「ロードロード、あとジャンヌに関してだが……消滅したよな。あれ驚いたんだ。心当たりあるか?」


 ハンニバルの手には真偽結晶が握られている。


 下手に答えるのは危険だ。


「どうなんだろうな」


「玉虫色の言葉を使うな」


「ハンニバルは心当たりあるか?」


「ロードロードが何か知ってそうだということくらいは分かる」


 くそ、こんな賢い奴に質問されて誤魔化しきれるとは思えない。


 どうすれば……。


 と思ったら、


「もう良いだろ。ハンニバル……あたしの彼氏を虐めるな」


 レギンが俺とハンニバルの間に立って庇ってくれた。


 良い彼女だ。


「序列六位レギン、私が聞いてるのは切実な質問だ」


「ジャンヌをさっさと倒さなかったのをなぜ問い詰めないといけない。もしかしたら、疲れてたかもしれないだろ」


 本当は美少女パンツを道テイムしたかったが躱されただけだ。


 そして、スレイブが俺とレギンの後ろから庇う声をかえてくれる。


「道テイム・拡散はしたのではありません?」


「どういうことだ? 序列七位スレイブ」


 ハンニバルは質問の矛先をスレイブに向けた。


「簡単なことです。ジャンヌは奇妙な回避行動を取りました。あんな動き……ただでさえ無駄のない動きをするジャンヌがするとは思えません」


 あ。


 どうやらスレイブは……俺の『美少女パンツに道テイム』を『道テイム・拡散』と勘違いしてくれているらしい。


 よし。


 良い勘違いだ。


 ハンニバルはスレイブの言葉に頷く。


「っは……確かに、その方が筋が通る」


 ハンニバルはばつの悪そうな顔で、俺に頭を下げた。


「すまない、ロードロード。私の勘違いだったようだな」


 っふ。何とか危機を乗り切ったぜ。


「許す」


 危なかった。あと少しで……レギンにバレてはいけないことがバレるとこだった。これからバレないように気をつけないとな。


 こうして俺は事無きことを得たのであった。

 もし『面白い!』とか『続きが気になる!』とか『道の活躍をもっと見て見たい!』と思ってくれたなら、ブクマや★★★★★評価をしてくれると幸いです。


 ★一つでも五つでも、感じたままに評価してくれて大丈夫です。


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