表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
133/653

雪山にて道テイム 後半

「おいおいこれって……」


 レギンとブーケが俺の表示したマップをじーっと見る。


「おい、これ全部罠?」


「みたいですね。あたしが駆け抜けてきましょうか? 正直罠が発動する前に走り抜ける自信はあります」


 レギンや他の序列メンバーもブーケに頷く。


 が、俺は反対だった。体力は温存するに越したことない。


「ブーケ、待ってくれ。罠解除よりも進行する方が先だ」


「でも道さん。罠を解除しないと一般兵が倒れません」


「うーん、どうしような? ってあれ?」


 マップに透明な道を感じる。なんか触覚的な感覚だった。


「道テイム」


 俺は本能的にスキルを発動した。すると。


 山脈の切れ目ーー洞窟が大きくなる。透明な道はどうやら山にある水脈だか鉱脈だったようで、俺の道テイムはそこを拡大することに成功した。


 狭い通路は子供一人くらいなら入れるようになる。


「道さん凄え!」「でもあれじゃ入れないだろ。穴が小さ過ぎる」「馬鹿、ロードロードさんが頑張ってくれたんだ。やる気を削ぐ様なことを言うなよ」「道テイム、かっけえ!」


 魔王軍の一般兵の言葉が聞こえて来る。


 どうやら俺をそれなりに信用してくれてるようだ。


 よし。まぁ道テイムはまだ途中だ。最後までかけてみよう。


『トンネル』が作れるはずだ。


「道テイム! 道テイム、道テイム、道テイムーー」


 俺がかけていくと、雪山を通り抜ける石畳トンネルが出来た。


 ちゃんと筒の形になっているので重さの分散はしっかりとできている。


「ば、馬鹿な……雪山にトンネルを通すだと!? 一分もかからずに!?」


 ハンニバルは間の抜けた顔で大口を開けている。


「ロードロード。お前がいると、戦争や経済の常識がひっくり返ってしまうな」


 あ、思い出した。ハンニバルってアルプス山脈を越えたんだっけな?


 何人犠牲を出したか知らないが、俺がいればこのくらいの雪山何なく攻略可能だ。


 俺はニコリと笑う。


「ハンニバル、そう難しい顔するなよ。俺の道テイムが強力なスキルってのは常識だぜ?」


 ハンニバルはじーっとトンネルを見ている。


「いや、本来は……本来は恐らく死者転生とか治療でなくこういうのが道テイムの使い方なんだろうな」


「だろうな。トンネルなんてまさに道だし」


 あ、戦法思いついた。俺が道を作って逃げて、敵がトンネルに入ったらトンネルを潰す。これで大体の敵に勝てるな。


 ハンニバルは俯きながら弱々しい声を発し始めた。


「行こう。雪山の攻略がこんなに楽になるなんてな。雪崩とか覚悟してたのに……」


 ハンニバルをよーく見ると、少し重装備気味だ。成る程、寒さ対策も兼ねてたってことかな。


 ハンニバルは少し悲しそうな顔で兵達に指示して耐寒装備を捨てさせた。


 こうして、俺達は半径五メートル以上の半円のトンネルを進み始めたのだった。

 もし『面白い!』とか『続きが気になる!』とか『道の活躍をもっと見て見たい!』と思ってくれたなら、ブクマや★★★★★評価をしてくれると幸いです。


 ★一つでも五つでも、感じたままに評価してくれて大丈夫です。


 下にある『ポイントを入れて作者を応援しましょう!』のところに★があります。


 何卒、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ