表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/653

スレイブの来訪③ エルフ「私の初体験相手は貴方の恋人です」 道「マジで!?」

「わ、私の初体験相手なんですが」


 スレイブがもじもじしている。


 ぶっちゃけ可愛い。


 白皙の肌、綺麗な金髪と翼。エメラルド色の瞳。


 ルックスなら大好きだ。


「怒らないで、下さいね」


「おう」


「レギンです」


 ……は?


「私の初体験相手は貴方の恋人です」


「マジで!?」


「マジです」


 スレイブが顔を真っ赤に染めて言う。


 え、えええええええ!?


 レギンって……処女なんじゃないのか?


「彼女は処女です。でも……キスとかおっぱいを触るとか、そういうのはエルフ国で教育とかされてないので」


「いや、普通しないよ? 俺の世界でもイタリアがラブレターを授業中書いたりするくらいだったよ」


「でもあたし、恋多き女になりたくて」


「それを誇りにしてるみたいだけど、男からすれば処女のスレイブのが魅力的だったからな?」


「……ふん。童貞のくせに、生意気ですよ」


 スレイブは俺をジト目で睨む。


 可愛い。


 許す。


「まぁ、それで……レギンとあたしは言わば立場を交換したんです」


「どういうことだ?」


 立場を交換?


 処女のサキュバスとビッチのエルフが何を交換したんだ? っておい、まさか。


「あたしが尻軽種族レギンに処女を教えるから、レギンが処女種族あたしにビッチを教えてくれる、こういう交換です」


「ラノベのタイトルみたいな話だな」


 オタクがリア充にオタクを教えて、リア充がオタクにリア充を教える……そんなタイトルの本があったわ。


 スレイブは首肯する。


「……まさに、そういうことです」


 ……そうか。


 そうか。


 ……レギンは、処女じゃなかったのか。


「レギンは……経験済みだったんだな」


「いや、未経験です」


「っは、何が未経験だ。俺は処女のレギンに強く惹かれたんだ! 初々しい感じの、レギンによ」


「でも……こう言っては何ですが」


「何だよ、何か言いたいことあるのかよ!」


「膜はついてます」


 ――。


 俺は、全てを察した。


「スレイブ、悪かった。レギンは……処女だったんだな」


「はい」


 スレイブは頷く。


 ……。


 処女だ、処女に違いない。


 童貞だって胸揉んだりキスしても童貞のままなんだ。


 ということは処女だって胸揉んだりキスしても処女のはずだ。


 理性的に考えよう。


 大体女の過去を全部受け止めようなんてする必要が無い。


 そう、俺は……今の彼女を受け止めようとすればいいだけ。


 それだけだ。


 そしてこれ以上の下ネタは話したくない。


 俺は……紳士だ。


 品性は大事にしたい。


 目の前のビッチとは違うんだ。


 目の前のビッチ、可愛くてけっこう好きなんだけど。


「で、こっからが本題なんですが……」


「今のが本題じゃなかったんだな」


「当たり前ですよ……あたしの翼に関係してるから話したんです」


「翼?」


 俺はスレイブの背中を見る。


 そう、彼女は普通のエルフと違う。


 背中に羽がついているのだ。


「……ソロモン王、金色の翼を生やしてたでしょう?」


「――。あぁ、覚えてる」


 忘れることができない。


 あの魔術王は、光輝く翼が肩甲骨の辺りから生えていた。


「……あの翼、心当たりがあるんです。あたしに翼が生えたのはレギンとやってから何です。ソロモン王もきっと……サキュバスとやって翼が生えたのだと考えてます」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ