24食目 食パン
サーモンとアボカドのトーストです。
異世界(に行ったつもり)で糖質制限ダイエット
417話『サーモンとアボカドのオープンサンド』より
◇◆◇
商店街の昔ながらのパン屋さん。
夜勤明けは、朝7時半に焼き上がる食パンを目的として買いに行く。
店の近くに行くと、ふわん、と パンの焼ける匂い。
香ばしさよりも、ふわふわと優しい甘みのある香りがする。
小麦粉が膨らむ匂いだ。
6時半から開店している店は、早くに出勤する会社員や学生のために、既におかずパンやサンドイッチが並んでいた。
シュウマイやらエビフライ、ハッシュポテトなんかもはさまってる、中々に個性豊かなお惣菜パン。
このパン屋さん、夫婦で経営していたのだが、今年から息子が継いだようで、三人で経営している。
中々に、にぎやか(←特にお母さんが)
ここの食パンはミミがうまい。
こんがり、パリッと焼けているパンのミミは、日本の食パンでありながら、フランスパンに負けない風味があるのですよ!
白い食パンの魅力は
異世界(に行ったつもり)で糖質制限ダイエット
344話『マーサの白い食パン』より
もうね、何も挟みたくない!
購入したらすぐにうちに帰り、バターをたっぷりつけて、まだあたたかい食パンを2つ折りにし、そのまま、ぱくり。
ん~///!!!
1斤まるまる食べれそうなほど、焼き立て、ふわふわで美味しいのですが、糖質制限をしているワタクシは8枚切りを1枚だけ。食べても2枚まで。
ミミまで美味しい食パンは、買う時に「ミミありで」とお願いします。
お父さんがスライサーで切るときは キッチリ8枚切り。
息子さんが切るときは、8枚+ミミおまけで9枚。
そして、お母さん――
その日、食パンを買いに店に入ると、なにやらピリッとした空気。
奧で何やら揉めている。
揉めているのは息子とお母さん。
お父さんは配達に行っているのか、いなかった(←近所の喫茶店に卸してる)
「ほら、お客さん」
息子がお母さんを促し、表に追いやる。
「しっとりソフト、8枚切りで」
この店は「しっとりソフト」「さっぱりソフト」の二種類があり、しっとりの方が少しコクがあり、20円高い。
「ごめんなさ~い、しっとり、まだないの」
「そうなんですか」
来るのが早すぎたかなと思うワタクシに、
お母さんがにっこり笑いかけた。
「焦がしちゃったんだってー!!」
大きな声。
後ろはすぐに厨房である。
その声に バンッ!ダンッ!と、パン生地に当たり散らす息子。
頼むよ、客を親子げんかに巻き込まないで、お母さん。
「こ、香ばしくておいしいですからね、ここのパン、ミミまで美味しいですから」
フォローしたつもりだった。
「でも焦がしたらねー、美味しくないわよ!」
″バタンッ!バンッ!″
あいたー、余計なこと言った!
お母さんに追い風、息子に追い打ちである。
「……じゃあ、、さっぱりで」
「8枚切りね♪」
「はい、二斤ください」
ワタクシにチクッて機嫌を良くしたお母さんが意気揚々とスライサーにパンをセットした。
シュッ、とキレる音。
″ボトッ″
「あっ、」
メモリを見直さずに切り落としたお母さん。
4枚切りの大きさで切り落とす(←しかも焼き立てで柔らかいから斜めに)
息子がチラリとこちらを見る。
焦ったお母さんは、急いで食パンをカットする。
チラリ、チラリ、とこちらを伺う息子さん。
出来上がった食パンは――
この通り。
八枚だけど、
4枚切りと6枚切りと8枚切りが混在してますよ?
「店内用も切って、もう一斤もミミありにするから待っててね」
そう言って、真ん中を慎重にしかし、素早くスライスし、店内用を確保すると、再びうちのミミありをカットするお母さん。
チラチラと息子の様子を伺いながら。
そして、反対側のうちのミミあり食パンは――
これは、8枚切り?
八枚ありますが、8枚切りは一枚しかないように見えますが?
しかも、店内用、1つ切っただけですよね?
一本の食パンから、何斤とれるかはしらないけど、一本=三斤でいいの?
お母さんは、息子がでてくる前に、急いでビニールをかぶせる。
見事な証拠隠滅である。
「またきてね~」
ありがとう、お母さん。
カットは息子さんかお母さんに頼もう。
これが417話の元ネタです(笑)
そのまんまでした。
417話より、マーサの子供達
いつもマーサとパンを焼いている20歳のロゼッタ
15歳の弟オルガ
10歳妹マルタ
マルタ、パンのスライス失敗!?




