何気ない日常
「好きです、付き合ってください。」
「え……えと、ごめ…んなさい……」
「水菜、また告られたんだって?」
「梨花!違うよ!」
「嘘つけ!このモテモテ水菜が!」
「な!玲奈までー」
「こいつはモテすぎなんだよ」
「陽斗!もう違うってーー」
「「「笑笑笑」」」
「…っ」
私の名前は佐々木 水菜。
この人たちは、小学生の頃からの仲良しグループ。可愛らしい梨花と、ツッコミ上手で関西弁の玲奈、そして唯一の男子の陽斗。
私たちはいつも一緒で喧嘩したことなんてない。そして、誰も付き合ったことがないという同士の集まりである。
私たちはこれからも、ずっっと仲良い。きっとおばあちゃんになっても。
朝、学校に行ったら、先生から知らせを受けた。転校生が来たそうだ。
「じゃあ入って来い。名前は…」
「堺 琉稀です。よろしくお願いします。」
ガタッ
「え…?」
「佐々木、どうした?」
「あ、え、いえ、何も…すみません。」
琉稀…琉稀って…
「あ、佐々木の席の隣空いてるな。堺、あそこに座れ」
「はい」
ガタッ
「じゃ、よろしく」
「あ、こちらこそ…」
授業は転校生の人のことが気になってしまって、まったく耳に入ってこなかった。
お昼休み、いつものように私たちのグループは屋上に集まって弁当を食べた。
「ねぇ、みんな…。あの転校生の琉稀って…。」
梨花が喋り出した。
「それうちも思っとってん。」
「だよね…やっぱりあの人、小学生の時私たちのグループから抜けて無視して転校して行った人だよね…。」
梨花が悲しそうに話す。
「でも私の佐々木って苗字聞いてもなにも気づかなかったみたいだよ?」
「俺が聞いてみようか?同じ男子だし…」
でもなんか性格違う気がした。雰囲気が琉稀っぽくなかった…。もし、冷たい感じにされたら、陽斗落ち込むかも…。なら…
「私が聞く!隣だもん、席。琉稀がもし私のこと覚えてなかったら、絶対思い出させてみるし!」
「いや、俺も一応男だ。俺が聞く。」
「えー、お願い!私に聞かせてよ!」
目で圧をかける。
「くっ…なら頼んだ!俺の代わりに頼むぞ!」
「うん!」
その後、私はみんなのために頑張らないと…と思いながら教室に向かった……
…………………………………
「ねぇ陽斗、水菜のこと好きなんだよね?」
水菜が教室に戻って行き、3人しか居ない時、梨花が言った。
「はぁ!?」
陽斗はびっくりした。
「梨花…ほんまに言ってええんか?」
玲奈が焦りながら言う。
「いいじゃん、いい機会でしょ。
陽斗、知ってるよ?琉稀が私たちのグループからいきなり抜けた理由。」
梨花らしくない口調で言った。
「な、な、なんで…」
陽斗は焦っている。
「まぁ今度でいっか、またいつか4人の時に言ったげる。水菜が知ったらどうなるかな?楽しみだなぁ、ふふっ」
そうして3人も教室に戻って行った…
最後まで読んでいただきありがとうございます。
続編も出す予定ですので、良ければまた読んでください。
そして、感想なども書いてくださるととても嬉しいです。よろしくお願いします。