呼ばれた女は魔王に愛を乞う
『冤罪で火刑に処された聖女は転生先で同じ業を背負う』の前世王国偽聖女の物語です。
若干やらしい表現があるので苦手な方はブラウザバックでお願いします。
私としてはR15くらいだと思っておりますが、そうじゃないと感じた場合ご意見を頂けるとありがたいです。
「これで君は僕のモノだ…!!」
ぐちゅり、と嫌な音がする。腹部がじわりじわりと熱くなり、徐々に手足の感覚が失われている。
「ああ…ああ…愛してるよ…僕の椿姫…!」
ぼやける視界の中見えた私の名前を呼ぶ男はどこかで見た事はある、でも名前の知らない男だった。
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『よく来たな、異界の人間』
次に目を開けた時、そこは漆黒に包まれた空間だった。足元の魔法陣のような文様だけが嫌に赤黒く光っている。
「……ここはどこ。貴方は、誰?」
目の前にいるのは年若い青年だった。髪は周りの漆黒と同化するほど黒く、その目は見る者すべてを魅了するような黄金色に輝いている。顔立ちも整ったいわゆる美丈夫。
こんなかっこいい人がいるんだ。
『我は魔王。魔王・ゼルシウス。異界の人間よ、我と共に世界を滅ぼそうぞ』
目の前の青年は魔王と名乗った。
は?魔王?あの、よく物語で悪役やってる…勇者に倒されるあの!?
って事はその配下になったら最悪殺される。そんなのやってられるわけない。
「嫌なんですけど。それより元の世界に帰してください。貴方なら一人で世界征服出来るでしょ?」
そう言えば一瞬呆気にとられた顔をしてくくく…と笑いだす。
『ハハッ、威勢のいい小娘だ。…よかろう。そこまでいうのであれば…』
ホッとした。返してくれるのだと。意外と優しい魔王なのだと。
ほんの一瞬だけだったけど。
『我に従順に従うように調教してやろう。お前が進んで顔を赤らめ、我に愛を乞うようにな』
前言撤回。コイツは魔王だ。
逃げるしかない、と思った。だけど、逃げ道なんてどこにもなくて、唯一ある扉の前には魔王。その横には配下の人型の魔物がいた。
『そうだな、まずは…その身を我と釣り合うように改造してやろう』
どこかで逃げ出せるまで、絶対負けない。
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最初はどこかの寝台に縛られて一枚一枚布を奪い取られる屈辱を味わった。
見ているのは魔王ただ一人だけれど、あの黄金の目で見られるとふとした瞬間臍下あたりが疼いた。
次は、縄に縛られ宙に釣られた。
『…ああ、異界から呼び出せる人間だけあって綺麗な身体をしている』
舐めるように見られてぞくり、と肌が逆立つ。配下の女型の魔物に下腹部に変な模様を描かれた。その所為か見られるだけで身体が火照った。
次は無数に蠢く触手、その次は見ただけで逃げたくなるような蟲たち。多種多様の化け物に舐めるように全身を見られ、更には夢の中まで魔の手は及んだ。
そうなってしまえば、堕ちていくのは早かった。
心は未だ魔王を・魔族を・世界を壊すという事を拒絶している。
だけど身体は、気を抜けば今にも魔王の元へ愛を乞いに行ってしまいそうなほど火照りに侵されている。
「…絶対、負けない」
そう呟いた。なけなしの意思表示だった。
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真っ白な寝台の上に、花嫁が着るような純白の衣装で縛り付けられた。
『そろそろ我に従う気になったか?』
くくっ、と楽しそうに肌に指を滑らせる。気持ち悪いのに気持ちいい。変な感覚。
そのあたりから意識に靄がかかるような感覚がした。
『ほら…我の名を呼び、求めよ』
甘美な声に従うように口が勝手に動く。
「私の全部を捧げるから…貴方が欲しい。……魔王・ゼルシウスさま…」
違う。違う違う!こんな事思ってない!だって私は元の世界に帰りたいだけ。なんでこんな…どうして私は魔王に…。
『くくっ…"身体"は堕ちたな』
その夜、私は魔王に蹂躙された。
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『魔王の魔力が此処まで馴染むとはな…』
くくっ、と笑いながら私の顎をもつ。魔王は何時もこうだ。まるで私を愛玩動物の様に扱う。
戯れで抱かれ、戯れで辱めれ、戯れで優しくされる。
本当に理解不能だ。理解できないのに身体は"魔王を愛している"と言っているのだ。
『矢張りお前は聖女などではなく闇の巫女であったな』
全てを奪われた後、魔王が戯れに話してくれた。
世界を飛び越える際に異世界の人間は特別な配役もしくは特別な力を一つ授けられるらしい。ある者は勇者としての莫大な力。ある者は主人公を貶める悪役令嬢。ある者は魔王を封印できるほどの光と聖なる力を持った聖女として。
だから異世界から人間は召喚され、重宝されるのだ。
魔王はその力を逆手にとって聖女を手籠めにする気だったらしい。来たのが私で残念だったな、と思っていれば思考が筒抜けだったのか、
『まあ欲を言えば聖女がよかったが…まさかここまで我と親和性のある人間が見つかるとはな…僥倖だ』
そう言ってにやりと笑った。顔が良いだけに残念だ。魔王じゃなければ惚れていた。
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それから数か月たった。
『王国が聖女召喚をするらしい』
魔王がそう言った。ついに魔王を倒す為、聖女を召喚すると。
ああ、これで解放される。
よかった。待った甲斐があった。身体は堕ちてしまおうと心はずっと気丈に保ってこられた。もう少し、あと少しで…。
『そこでお前だ、ツバキ』
魔王が悪い顔をしている。元々悪役顔だけど。
「…なんでしょう?」
『召喚陣の中に召喚されると同時に送り込む。お前は聖女として本物の聖女を殺せ』
一瞬、息ができなくなりそうだった。
本物の聖女様を、私が殺す?なぜ?どうして?
分かってる。私がもう半分魔族だからだ。魔王の魔力に侵された身体はもう人間じゃない。
『幸いお前はまだ聖なる力を使える。あと何度かだとしても勇者など簡単に騙せるだろう。なあ…我の為にやってくれるだろう?』
この声が本当に甘美なのだ。甘く蕩けているように聞こえて強制力がある。
怖い、従いたくない、ああ、この方にお仕えしたい。聖女を殺したくない。聖女など殺してしまおう。私が魔王の眷属だとすぐに明かせば…。そんな事をすれば誰が私を守ってくれる?ただ死ぬだけ?死んで世界が守れるなら…。私一人が死ぬなんて耐えられない。
頭の中も既にぐちゃぐちゃだ。人間としての私と魔族としての私が共存して暴れている。
『頼んだぞ、我の愛しい巫女よ』
するりと頬を撫でる手に口はかってに「分かりました」と動くのだ。
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「聖女様、どうかこの世界をお救いください!」
そう言って懇願する人々を私はただ見ていた。
「…この世界を?どういうこと?」
私の隣にいたのは、本物の聖女様だ。強い聖なる力を秘めた神聖な少女。
ああ、穢された私とは大違いね。
じわり、と心の一部が黒く染められていく。
「私はこの国の第三王子で勇者に選ばれたアルヴィス=ザイアーレンだ。貴方達の名前は?」
王子と名乗る金髪碧眼の男がそう言って微笑みかける。
「早乙女雪乃といいます。…ユキノ=サオトメが正解ですか…?」
聖女様はそう答えた。聖女様は名前までどこか素敵な響きがする気がする。
「立花椿姫と申します。こちらの言い方ではツバキ=タチバナになります」
「ユキノ殿とツバキ殿だな。よろしく頼む」
アルヴィス王子はそう言って私達を応接室に連れて行く。近くの司教たちは小声で何か慌てたように話す。大方、なぜ聖女が二人いるのかという事だろう。私も、雪乃さんには及ばずとも聖なる力がある。その力で闇を隠しているのだから。
ああ、でも。
もしも私が雪乃さんくらい力があれば、魔王になんか呼び出されなければ…こんな苦痛に見舞われずに済んだのに。
じくりじくりと心を蝕んでいく。
雪乃さんの幸運に、その強大な力に嫉妬しているのだと気付くのは簡単だった。
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2人とも聖女として迎え入れられて数日。
私は相反する気持ちをどう抱えていいか分からず私は街に出ていた。
聖女が2人いることもあってかどちらかが城下に降りるのは問題ないらしい。勿論護衛は付くが。
見晴らしのいい所で、気分転換したいと丘の上まで向かった。
どこまでも続く青い空が心を洗い流してくれるように思った。だけどそれも一瞬で、青い空に赤い液体が舞った。
「……え…?」
振り向けば、護衛の騎士が無惨な姿で横たわっていた。否、食べられていた。足を腕を頭を腹を。内蔵が飛び出ている光景が非現実的で言葉すら出ないと言うのはこういう事だろう。
騎士を食べていた魔物は下級の魔物のはずだ。それがなぜ騎士を圧倒するような…。
その瞬間、別の考えが浮かんだ。
私は、裏切られたのだと。魔王すら私をあれだけ辱めて送り込んできたのにもう殺そうとしてくるのだと。
絶望的だった。魔物は舌なめずりしてこちらに寄ってくる。恐怖が身体を支配して動けない。なのに頭は冷え切っていてこのまま食べられる未来を想像して、諦めていた。楽になれると思っていた。
今度は、その魔物の血が宙を舞った。
「……!!」
出てきた男に今度こそ驚きを隠せなかった。漆黒の髪と黄金の瞳がこちらを見下ろしている。
「…まさか、魔王自ら殺しに来たの?」
本来いないはずの男の存在に口が滑る。魔王は笑いを堪えながらそんなわけないだろう、と頬を撫でる。その手が、異様に優しかった。
『愛しい巫女を我が殺すだと?冗談も休み休み言うといい。愛しい君を害する存在を消しに来ただけに決まっておるだろう』
たったそれだけ。頬を撫でられて微笑まれてそう言われただけ。
それだけなのに。
ぐちゃぐちゃだった私の心はあっという間に陥落した。
「…私、貴方を誤解してたのかな…」
『誤解?』
「手駒にしたけどやっぱり切り捨てようとしているのかと思った」
『我が愛しの巫女をそう簡単に手放す訳なかろう。…だが誤解が解けたのは僥倖だ』
魔王"様"はそれはもう蕩けそうなほど甘い顔でこちらを見てくる。
『さあ、我と共に世界を蹂躙しよう。我と其方の楽園を築こうぞ』
「…はい、魔王・ゼルシウス様」
そうして、私は動き出した。
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今回の魔物襲撃事件の事をアルヴィス様に詳しく聞かれる。静かに肩を震わせて泣きながら、
「魔物が…雪乃さんが私を襲えって言ってたって…目ざわりだからって…」
そう言えばもうアルヴィス様は完全にこちらの味方だ。
「あの女…聖女としての力を持ちながら魔女になり果てるか」
その言葉に内心笑う。だって聖女の力をもって魔女になったのは雪乃さんじゃなくて私なんだもの。
その後早急に聖女-雪乃さん-が捕らえられた。
何度も何度も無実を主張していた。滑稽だと思えた。彼女も、私の手の上で踊る馬鹿な第三王子も。
その内雪乃さんはすべてを諦めたように何も言わなくなった。否定も肯定もしない。ただその先にある運命を見据えているようで、気持ち悪かった。
かなり早く、火炙りの刑に処されることになった。
木の柱に縛り付けられた彼女に、処刑場に来ていた者たちは口々に罵声を浴びせ石を投げる。
「聖女を騙った魔女に報いを!」
ああ、本当におかしい。馬鹿な王子-勇者-達に馬鹿な王族、馬鹿な貴族に馬鹿な平民。
私こそが聖女を騙っている魔女。闇の巫女、魔王様の手足だというのに。
火で肌を焼かれても雪乃さんは悲鳴一つ上げなかった。少し顔は歪んだがどこまでも聖女らしく穢れないまま炎に包まれる。
「これで安心して魔王討伐に行ける」
アルヴィス様はそう笑った。これはもう爽快だと言わんばかりに。
「ああ、本物の聖女だけをお守りできる」
騎士の男もそう言った。
「……本当に、彼女は魔女だったのだろうか」
だけれど魔術師の男だけは懐疑的だった。この男は油断ならない。陥落させないと、そう思った。
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すぐに私達は旅立った。
数々の困難を乗り越え、私達の間には絆が芽生えたと、騎士様が嬉しそうに言っていた。
アルヴィス様は魔王を討伐したら王国に戻って盛大に式をあげようと言ってきた。なぜ私と貴方が付き合ってる事になっているのか疑問だ。私は魔王様のモノなのよ、と憤りすら感じるけれどそれは頑張って押しとどめた。
各地で有益な情報、魔王討伐に必要なものを集めていく。
だけど彼らは気付いていない。
私が意図的に本当に重要な情報や聖剣の力を真に引き出す宝珠の存在を隠匿していることを。
「君が好きだ。魔王を倒したら結婚しよう」
「私はこの命ある限り、この剣を貴方に捧げよう」
王子と騎士は陥落した。微笑んでいれば肯定と受け取って嬉しそうに頬を緩ませていた。
唯一なびかない魔術師ももうすでに私に情は移ってるらしい。僥倖。
これで魔王様に褒めてもらえる。
勇者と一緒なばかりに魔王様に会えないもどかしい日々も、もう終わり。
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魔王城・玉座の間。
「貴様が魔王だな!勇者である私がこの聖剣で成敗してくれる!」
アルヴィス様が高らかに吠えて聖剣を向ける。不完全な聖剣を。
『威勢のいい勇者だな。その聖剣は不完全なものだというのに…』
くくく…と不敵に笑みを浮かべる。
ああ…そんな姿も素敵だわ…。
「何だと!?そんな事を言っていられるのも今の内だ!」
切っ先は魔王様に向かい、今にも切り付けそうだ。
『それはこっちの台詞だな。…やれ、闇の巫女』
魔王様が静かにそう言った。
「闇の巫女だと!?いつの間にそんなものを…」
魔術師は存在自体は知っていたようだ。魔術障壁を張ろうとしていた。だけどもう遅いの。
だって、既に貴方の中にも闇の巫女の力は入り込んでいるんだもの。
「はい、魔王様」
反響する私の声は、酷く甘く蕩けている。ようやく魔王様の手足として、闇の巫女としてその力を振るえる。そんな歓喜に震えた声。
右手をかざす。そこから出るのはいつもの白銀の力のではなく、真っ黒いドロドロとした闇の力。
「なっ…?!」
「なぜだツバキ!!」
勇者たちに忍ばせておいた力のおかげで取り込むのに障害はなかった。闇に蝕まれる勇者はなぜだ、どうしてだと問いかける。
「私、最初から勇者の味方じゃないんです。私は魔王様の手足で闇の巫女で、魔王様の愛玩動物なので」
ああ、やっと。ようやくだ。心の底から笑える。嬉しくてたまらない。
絶望しながらその意識を蝕まれる勇者たちに最高の笑みを浮かべた。
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『よくやったな。我が愛しい巫女よ』
意識を混濁させ自我を崩壊させた勇者たちは生きる屍だ。私のいう事だけを聞く私だけのお人形。
魔王様がほめてくれた。嬉しい。こんな幸せな事はあるのだろうか。
「ありがとうございます、魔王・ゼルシウス様」
『想像以上の働きだった。特別に我が寵愛を受け取るがいい』
その言葉に身体が震えた。体温が上昇して身体が求める。魔王様を。魔王様から受けとれるであろう愛を。
「ありがたき幸せです…魔王様…」
これから先に享受する快楽に身が悶えるのだ。
『勇者が陥落すれば人間どもは終わりだな。我が子飼いにして可愛がってやろう』
くくく、と笑う魔王と共に私も笑った。
これから先の世界は魔王様のモノだ。
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勇者と聖女が魔王討伐の旅に出て暫くは平和だった。王国の人間は魔王様を倒すと信じて疑わないらしい。だから気付かない。勇者が敗れた事も、本物の聖女を自らの手で殺していたことも。信じた聖女は魔王様の配下だという事も。
緩やかに、でも確実に魔の手は王国に伸びだ。魔王様は聖女を殺してくれた礼として王国の人間は特にかわいがるらしい。人間同士で交配させて未来永劫魔物の餌とすると嬉しそうに話していた。魔物たちも大喜びだ。何せ狩りをしなくても餌が手に入るのだから。
魔王様が勇者を懐柔したと高らかに宣言したときには世界中大荒れだった。殺した聖女が本物だと知った世界は王国に対して非難を示す。王国は騙されたのだと無実を訴える。
その後魔王を倒そうと躍起になるが、本物の聖女は既に死に、本物の勇者は聖剣と共に魔王の手の中。何人もの猛者が挑み、破れ、魔物の餌になり、そしてこの世界は魔王の元に統一された。
『愛しい巫女よ。またその人間を愛でているのか?』
魔王様が不満げに口を尖らす。
私が愛でているのは私のペットになった勇者と騎士・魔術師だった。自我の無い彼らを犬の様に扱ったり、かつて反抗的だった私が魔王様にされたように辱めたり、色々している。勇者パーティに選ばれるだけあってて整った容姿と芳醇な魔力を持っている彼らは如何様にも使い方があるのだ。だけど私に下賜されたばかりにただのペットとして此処にいる。
「ええ。今度はどのくらい我慢させてやろうかと思っていますわ」
ふふっ、と口元を扇で隠しながら笑う。
『くくっ…そなたも我好みになったものよ』
「だってあれだけゼルシウス様の愛を一心に受けているんですもの」
『そうだったな』
ふふふ、くくく、と不気味にも聞こえる笑い声が今日も響く。
『愛しい巫女よ。お前が死ぬまで私はお前を可愛がってやろう。他では満足できないほどにな』
「楽しみにしております。愛しい魔王様。早くその愛を私にくださいな」
頬を撫でる手、唇に触れる魔王様の唇。大きく開いた胸元に手が伸びてくる。
そう言えば私、どうして魔王に愛を乞うているのだろう。
どうして私はここにいて魔王の隣にいるのだろう。
魔王を・魔族を・世界を壊すという事を拒絶していたはずなのに。
あれ…?どうして?
どうして私は拒絶していたのかしら?
お読みいただきありがとうございました。
『冤罪で火刑に処された聖女は転生先で同じ業を背負う』の前世王国偽聖女の物語でした。
椿姫も最初はただの女の子でしたが魔王に呼ばれ蹂躙されるという不運に見舞われ、魔王の策略により魔物を嗾けられて助けられるという自作自演で信じ込んでしまう、ある種可哀想な子です。徐々に壊れて行っていた彼女にとっては魔王は絶望であり救いであり愛する人となります。完全な悪女ではなくこの子も苦悩して悩んだ末に壊れてしまった…そんな可哀想ででも最後は本人にとっては幸せであってほしい。さて、彼女は本当に幸せだったのでしょうか…。