五二七年から六四三年
五二七年、遂に決着が着く。地動説対天動説。カメハ六号はセンニ島から宇宙に飛び出た。そこで宇宙飛行士ツルは言った「真っ暗だ。なんてこった」彼は地球の事より宇宙に興味があった。「地球?んー、なんての?こう、さ、チンポン玉みてぇだわ」。チンポン玉とはチンポンというボーリングのような球技で使われるボーリング玉である。因みに訳は忠実に行われている。つまり、当時少なくとも宇宙飛行士には地動説、天動説どちらが正しいか委ねられていて、管制官はその命を預かった存在なはずなのに、タメ口を訊けると言うこと。それは、【敬語】というものがなかったのではないか?と思われる。ま、当然の事ながら宇宙船が作れたわけで、パソコン、ジェットエンジンなどなど、文明は急加速していた。
五三一年、二次元の文化。所謂オタク文化が東方より広がる。やがて恋人も作らず一生独身の男女が増える。そこで政府は重婚を認める。それは、オタクは一生独身でどーぞ、子供欲しい人々はどんどん作ってねーって言ってるもので、オタクの肩身は狭くなり、いつしかオタク文化は失くなったが、今もどこかで花咲いてるとかなんとか。
五四八年、【不死】への研究が始まる。街では車は空を翔び、建物はなんと百階を越える。しかも、塔のように地球から見てツンツンしているのではなく、全ての建物がほぼ同じ高さである。地面まで太陽光が当たらなかったとか。生活のままならぬ者や科学に支配された今の世を嫌うアウトローが、その暗闇で蠢いていた。電子書籍に「ゲンキタマ」というものがある。アウトローの男が宙を翔るSFファンタジーだ。メガヒットを記録する。翌年、不死に人工生命を作り脳を移植する実験が行われたが、あまにりも非人道的であったが為、テン氏、ヤム氏、クリ氏、チャ氏の四人の研究者は永久追放された。
六四三年、不死へコールドスリープを活用する方法をベジ氏が思い付く。コールドスリープはいわば凍結、時間を凍結させ、肉体的には動ければ?というものだ。時間は凍らない。それはわかっていた。例えばであるからして深く考える必要はなく、概念だけ記しておく。抗癌細胞薬ができ、コールドスリープしていた重役で癌のパンチラ氏を起こし無事癌を治すも、時代が進み過ぎていてパンチラ氏はすぐさまアウトローに堕ちたとされている。