一三四年から二一五年
一三四年、石油が使われ始める。もの凄い火力は人力のはるか倍のパワーをもたらした。一三九年。石油を利用した蒸気機関車の誕生である。ただ、誰が発明されたかは謎のままだ。蒸気機関車は言うまでもなくあらゆる方面に役立った。当時の石油は通貨で一番高い金貨で千枚で一リットルと高いが!特に蒸気機関車では簡単に元がとれた。それに庶民が持っても使う用途はまだ無かった。
一五一年、石油の使い道が庶民にも及ぶ。そう、自動車だ。ものすごい煙を出し大気汚染しながらも馬力にして三百。もう馬に股がる時代は終わった。ところで、人々は寝る時特に何も使わず、場所も選ばない路上で寝てたりすらある。だが、寝てる人を襲う事や盗みは誰もしなかった。これは騎士道と言うより、因果応報、寝てる人に手を出せば仕返しされると思われていたからである。まったく、呆れるほど善人達である。
一八八年、地球は宇宙という空間にある一つの星であると天文学者が唱え、世界が二つに割れる。今いるこここそが全て、夜光る星はただの明かり、仮に星だとしても地球こそが中心、いいや、地球もその中の一つ。所謂地動説派と天動説派。しかし、争いは話し合いで解決する掟とは言え、どちらもただの妄想でしかない。決着をつけるには宇宙へと進出しなければならないのだ。故にこれは長い期間決着がつかない。と、学問もほとほどに進化しており、書籍などは何百冊と出ている。
二一一年、大規模な地震が起きた。これにより都市はめちゃくちゃ、家畜も逃げいろいろな財産が失われた。二つに割れた地動説派と天動説派は再び協力し合いとりあえず生活の基盤を元通りにしようと一致団結した。家畜が逃げ出した事により肉食動物が都市部でも発見される。だが、先人の知恵で動物は火に弱い事を知っているため、絶やさず火を焚き、襲われるのは動物のみで済んだ。
二一五年、建物の材料に工芸のガラスを使い始める。窓がガラスでふさがり、雨風をより凌ぎ、また外の様子を中から、或いは外から中を覗けるようになった。ここで恥ずかしい覗きが趣味の輩が出る。これを変態と当時の文献が語っている。変態の中には、嘘か誠か、全ての家の中を覗き生活風景を記録したと言う者がいたという。因みにそんな書物は見つかっていない。或いは処分されたのではないか?