ボリビアの例を出して民営化は失敗するという決めつけ
水道の民営化で水道料金が高騰する例として、南米のボリビアが出されます。
これは妄想に近い言いがかりだと言えましょう。
その前にボリビアという国をご存知でしょうか?
ウユニ塩湖で知っている方もいますかね?
それくらいではありませんか?
そんなボリビアが水道事業を民営化し、水道料金の高騰で暴動が起きたそうです。
だから水道を民営化してはいけないのだという、反対派の根拠の一つですね。
ボリビアの例を出して日本の状況と比べるのは全くのナンセンスです。
そもそもがボリビアは日本とは国の事情が違い過ぎます。
紛争の経緯も騒動の問題点もコチャバンバ水紛争を検索して頂ければ全部書いてあります。
読めば言いがかりだと分かるかと思いますが、一応抜粋して説明します。
以下、Wikipediaコチャバンバ水紛争から一部を抜粋します。
・世界銀行の調査では、1999年11月時点でのボリビア全土の貧困率は62.7%、最貧困率は36.8%と見積もっていた[15]。都市部は、貧困率47.0%、最貧困率21.6%[15]。一方で農村部は貧困率81.7%、最貧困率58.8%であった[15]。
・SEMAPAは公社方式として1967年に設立され、コチャバンバ市域に水道サービスを提供していた[19]。1997年の時点で、SEMAPAは330名の職員を雇用しサービスを提供していたが[19]、SEMAPAは水供給について深刻な問題を抱えていた[20]。人口増加による水道未整備地域の増大により、SEMAPAによる水道サービスが受けられるのは人口の57%にすぎなかった[19]。また水道サービスを受けている者のうち5〜10%は水道料金を未払いであった[19]。
水道設備の老朽化や水道管からの漏水による損失もあり、週に1時間程度しか水が供給されない地域も存在した[20]。さらに乾季には水の供給が厳しい状況であった。またコチャバンバの人口の43%はSEMPAの水道によるサービスが受けられていない状況であった[20]。このため、コチャバンバの特に貧しい人達は、自衛のために井戸を掘削したり、貯水タンクを用意したりしていた[20]。
一方で、SEMAPAの負債は3,000万米ドルに達していた[21]。つまりSEMAPAは財政破たんの状況でありながら、水道設備の更新と水道未整備地域への水道管敷設が求められる状況であった[19]。
以下はボリビアで水道事業を担当したベクテル社の言い分です。
・民営化前のSEMAPAの水道料金は、水の消費量が多いほど1m3あたりの単価が下がる料金体系になっていた[46]。
・水の消費量が多い利用層は、富裕層、大規模商業施設、大規模経営の農家などで、彼らがこの料金体系の恩恵を受けていた[46]。
・一方で、SEMAPAは水道による水供給ができず、貧困層は「タンケーロ(Tanquero)」と呼ばれる水販売業者から水を買う必要があった[46]。
・「タンケーロ」の販売する水およびその水源は衛生当局による管理や水質検査の対象ではなく、衛生状態に不備があった[46]。
・SEMAPAから水道を引いている比較的裕福な家庭は、1m3あたり0.6米ドルを支払っていたのに対して、水道が引かれておらず民間の水販売業者から水を買っていた貧困層は、1m3あたり1.75〜3.0米ドルを支払っていた[46]。
抜粋終わり。
これだけを読んでも、ボリビアで水道料金が高騰したのは当たり前なのではありませんか?
というかこんな国の水道事業を請け負ったベクテル社が可哀想です。
利益を出せると思って請け負ったのでしょうし、やった所業は鬼畜だと思いますが、儲けを出さないといけない企業なのですから、致し方ない面もあるかと思います。
もしもアナタがボリビアの様な国の水道事業を任されたら、水道料金を上げずに事業の運営と水道網の普及が出来るでしょうか?
出来るというなら、ベクテル社が報酬として年に10億円出しても雇いたいと思いますよ?
さて、翻って日本です。
水道普及率は全国平均で90%以上、国民一人当たりの所得はボリビア65万円(今)に対し、日本は440万円です。
ボリビアの様な事が起こりえますか?