プロローグ
はじめまして。
今回が初投稿になります。
文才もなくてど素人ですがよろしくお願いします。
ーー私はあいつらを見下したいわけじゃない。あいつらと見下したいんだ。
彼女のその言葉がひどく胸に刺さったのはきっと、ただの同情だと思う。
ひとりぼっちで、無力でいつもネガティブな彼女のことを可哀想だと思ってしまったんだ。隣にいて助けてやりたいって思ってしまったんだ。
そう思ったのはきっと、自分がそうだからで、自分はそうじゃないと思いたかったからなのだ。
自分には何かできる。
自分じゃないとできない
そんな曖昧な居場所みたいなものを僕は欲していた。
そんな僕らだから、何もない、何もできない僕らだから動かせたんだ。
彼女ーー神無月ゆらぎが変えたのはそれでもやっぱり大きすぎるものではなくて、小さなものだったけれど。
あの、どうしようもなくバカで、どうしようもない人でなしで
どうしようもないほどに人間だった彼女は今でも変えようとしてる。
自分以外の人たちのために。
そんな彼女の最初の『被害者』である僕が、さて語るとしよう。
みんなの記憶の読み聞かせをしよう。
あらかじめ言っておくが、これはラブコメィや、異世界ファンタジーなんてキラキラした物語ではない。
弱くて惨めで、世界を恨んだ一人の少女の醜く、汚い物語である。
みんないつかは忘れてしまうような小さな小さな物語。
それでは話そうか。
僕らの世界最小の世界征服のお話を。
ーーおまえらは征服されたいんだろ?
どうだったでしょうか。
少しでも気になってくれたらうれしいな。