第2話 10
あれからすぐに私は救助され、すぐに病院へ搬送された。
骨が折れて内臓に刺さっていたらしい。
あと少し遅ければ死んでたそうだ。
しばらく血尿に悩まされた私が退院し寮に戻ると、今回の戦のお別れ会が行われた。
私の退院を待っててくれたらしい。
まだ二ヶ月もいないため、犠牲者の名前と顔が一致しなかった。
それでも戦友だ。
私は体を引きずりながら、献花台に花を置いた。
彼らは無名クローン兵の墓に、他の隊員と一緒に焼いて残った骨が埋葬されるらしい。
二年間生き残らなければ、歴史に名を刻むどころか、墓地にすら名前を刻まれない。
それが私たちの現実だった。
神や仏の教育をされていない私たちは、それでも神とやらに祈った。
せめて彼らにはあの世で幸せになって欲しい。
次に死ぬのは自分かもしれないのだから。
さらに二日後、松下隊長に呼び出される。
「新入りが来る。南条の代わりに、今度は君が世話をしてやってくれ」
南条は口にしなかったが、やはり新人の世話は命令らしい。
南条は……なんというか【いいやつ】なのだろう。
私は命令されたまま、玄関で新入りを迎える。
そこにやって来たのは……背が低くてツインテールの女子……。
「お前か……」
「オッス、黒木!」
新入りは八幡だった。
なんという偶然。
「あのな。私はDNA的にお前のつがいに最適なんだそうだ。意味わかるか?」
前言撤回。仕組まれていた。
なるほど、私のDNAの価値が認められたという事か。
「お前にはまだ早い。それより行くぞ。風呂とトイレとランドリーの場所を教えたら、南条のとこに行くぞ」
「南条って、アサルトライフルのやつか? そこになにがあるんだ?」
「レコード。次世代に音楽文化を残す壮大なプロジェクトだ」
私はわざと大げさに言った。
すると八幡は目を輝かせる。
「なんだかよくわからんが、面白そうだな! あのな、松下隊長に言われたのだ。お前はもっと楽しいことを知った方がいいって」
八幡は私についてくる。
廊下に南条セレクトのクラシックが流れていた。
「これが音楽か? 面白いな!」
「そうだな」
なあに、すぐにパンクとかメタルとかを聞かされる羽目になる。
覚悟しておけ。
私はいつまで生きることができるだろうか?
歴史に名を残すこともできなければ、墓に名を刻むことすら難しいだろう。
それでも私たちは、この時代を必死に生きていた。
この作品はプロジェクトアニマ応募用のものでございます。
応募規定は一話のみだったんですが、念のため二話まで作りました。
ここまで応援ありがとうございました。




