1:ここまでの経緯
時は遡る。
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約2年前
俺、霧雨司は双子の妹のモモと共に異世界に召喚された。
最初は慣れない環境や生き物を殺さなければならないということに不安を感じていたが、気の強くて正義感の強い妹や今の仲間たちのおかげで自然とこの世界に溶け込んでいった。俺とモモは召喚される際、この世界の人とは違いなかなか良いスキルが与えられていた。そのステータスはこの通りだった。
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名前:霧雨司
年齢:15
種族:人間族
職業:学生
称号:光の勇者 魔王を倒すもの
Lv1
HP:1400/1400 MP:500/500
筋力:10 魔力:200(光)
耐久力:5 魔耐力:100
瞬発力:10 成長率:10
スキル
魔力増加 魔耐力増加 光属性魔法威力増加
EXスキル
ナビゲーター
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※ナビゲーター・・・簡単にいうと頭の中にもうひとり人格があるような感じ。
この通りこの世界の人と比べて貧弱な日本人のため筋力や耐久力はさておき魔力や魔耐力の平均は5らしく特別な待遇だった。
それから2年後、俺は勇者パーティーとして魔王を倒すため魔王城に来ていた。その時のステータスは初期の約100倍になっていた。
「魔王戦・・だね。」
うちのパーティの魔法使い、いや賢者が声をもらす。彼女の名前はアリサ。今の魔法、魔術の基本を作ったといわれる大賢者の娘。呪術は使えないが魔法、魔術の腕前は世界トップレベル。頼もしい仲間だ。
「そうだな。ツカサ頑張ろうな」
「ああ、これで終わりにするんだ。」
彼はこのパーティーの盾役の戦士であり、リバス王国騎士団団長名誉指揮官という謎の称号をもらっているレオンだ。彼が王国騎士団に入ったのはもう10年以上も前と聞いたのだがその顔は老いを見せてはおらず、20といわれたら信じてしまいそうな美男子だ。なのになぜか結婚していない。
「さあこの世界を救いに行こう」
俺は隣にいる妹の顔を見る。妹もこちらを見てうなずく。妹はこの2年で聖女といわれる聖属性魔法使いになった。
「お兄ちゃん。私、この戦いが終わったら・・・な人に・白・・・んだ。」
「え、なんだって」
最後の方が聞き取れなっかたので聞き返す。
「ううん。なんでもない。」
「そうか。」
妹が建てた死亡フラグにびくびくしながらも覚悟を決める。
『主様、決して油断しないでください。』
『ああ、分かった。』
この声はナビゲーターで某歌を歌う機械のような声をしている。質問があれば瞬時にこたえてくれる。まさに万能なナビゲーターだ。ちなみにこのことは妹以外に言っていないためアリサやレオンは知らない。
「それじゃあみんな、世界を救いに行こう!」
魔王城の魔王の居る部屋の扉を開ける。魔王戦はなかなかの接戦だった。この戦いを一度ナビゲーターに予想してもらったが結果はわからないだった。なのでナビゲーターが提案した戦い方をした。そのおかげか30分戦い続けた後一瞬魔王が隙を見せた。
俺はその一瞬で魔王のとどめを刺した。その際、俺は魔王と近づきすぎていたため魔王の呪術を受けてしまった。普通なら死ぬのだが俺は光の勇者なので抵抗できるはずだがさすが魔王というべきなのだか中途半端に呪術を受けてしまった。その呪術のため下からの植物に体を飲み込まれてしまった。
ここで俺の意識は途絶えた。