0:終わりの始まり
心地よい。
その暖かさに目をつむってぐっすりと眠ってしまいそうになる。
そんな空間で何時間過ごしただろうか。
眠ろうとしても眠れないもどかしい感じが続く。
俺は、と自分の記憶をあさろうとすると強烈な頭痛が襲う。
その痛みに頭を押さえようとするがそうもいかない。
抑えようとする右手の先には何もなく感覚がない。
まるで何かの物質に変えられているような感じが付きまとう。
自分が自分ではない何かに変わらされている恐怖。この恐怖に恐れまた自分の記憶をあさろうとする。
そしてまた頭痛が襲ってきてまた頭を押さえようとする。
何回繰り返しただろうか。
もういっそのこと、そう思った。しかしそれも許されない。
いろいろとまだやり残したことがある。まだこんなところで終わってなるものか。そう決意を固める。
頭痛に顔をゆがませながらも必死に自分を思い出す。
自分の名前は・・・・・まだ大丈夫。他は・・・・・
両手両足の感覚はもうない。すべて変わるのも時間の問題だ。どんどん強くになる頭痛。
意識はあいまいだがまだ大丈夫。自分を奮い立てる。
まだ・・・まだっ・・・・・・・ま・・・だ・・・・・・
もう・・・・・・・いっそのこと