【403】 白雪 (しらゆき)
『詩集 (うたあつめ)』400作品記念作品第四弾です。
冬の寒さと心の寒さ。
切なく空虚な気持ちを表しています。
主人公の性別はどちらにもとれるようにしています。
そしてお題より、ぴったり400文字。
冷めた珈琲見つめて
浮かぶあなたの微笑みを
そのまま心に閉じ込めて
いつまでも笑っていたい
想い出すのは暖かな笑顔
でももう過ぎてしまった
夏の鮮やかな日差しとともに
真白い綿が次々に
仄暗い空から降りそそぐ
大丈夫? 風邪引かないで
あなたの言葉がこだまする
いつもどこでもどんな時でも
優しすぎたあなた
自分のことより他人優先
そんなあなたが眩しかった
冷めた珈琲に氷をひとつ
ポトンと音が響いた
見渡す限り想い出だらけ
一人暮らしには広すぎる部屋
冷めた珈琲に別れを告げようと
そっと口に含んだけれど
それはいつもよりも苦く感じて
空虚さと切なさを連れてきた
窓の外には降り積もる雪
音も無くしんしんしんと
きっと朝には水たまりさえ
凍ってしまうだろう
そっと扉を開けてみたくなった
舞う風花に思わず目を細めた
あなたがくれた優しさを
今度は誰かに伝えたい
隣にいることが当たり前だった
それももう叶わぬこと
だから
もう振り返らない
後戻りはしない
ただ前に歩いてく
お読み下さりありがとうございました。
『あなた』について誰なのか明言していませんので、
恋人・友人・家族……といろんな意味に捉えられると思います。
読んで下さる方によって、「あなた」の人物像が変わる感じで認めています。
作者としては思い描いているストーリーがありますが、かなり余白を残していますので、
いろんな想像を巡らせていただけるかと思います。
400~403作品目に、400作品目記念作品の投稿をしてきましたが、今作で完了しました♪
ぜひ、他の作品ものぞいてみて下さいね。
これからもこの詩集は続けていきますので、
今後ともよろしくお願いします!