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【350】 雨のしずく
キミがいない
部屋でひとり
晴れの日でさえ
翳っているよう
キミなしで
迎えるはじめての
都会での週末は
心枯らすよう
そんな風に思っていても
なにも変わることなんてない
もう終わりだ終わったことと
言い聞かせては
ひとしずく
頬を伝うその温かさ
冷えた心とは裏腹に
涙の温もりさえ
今は人恋しい
もうひとりで生きてゆこう
誰とも恋なんてしないで
なんて強がり言って
街行く恋人たちを
横目で見ながら
小さく息を吐く
こんな日は雨が似合う
街も傷ついた心も
すべて流してしまうように
次から次から休まずに
降りてくる
きっと雨のしずくには
妖精が宿ってる
だから時間とともに
心が和らいでゆくのだろう
キミがいない
都会での週末は
不思議だね
魔法がかかったみたいに
前よりも少しだけ強く
なれた気がする
お読み下さりありがとうございました。




