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【234】 柔らかな季節
厳しい寒さを乗り越えて
ひとつ季節が進むように
ふたりの季節を大切にしたい
揺れるまつげの奥にキミは
なにを秘めているの
向けられた微笑みさえも
哀しげに切なげに
そんなときふと見上げる空は
いつになく霞んで見える
言いたいことも言い合えずに
少し遠回りしていた気がする
そんな季節に別れを告げて
暖かな日差しを迎えよう
同じ時間を過ごしても
すれ違ってばかりいたけど
新たな季節を迎えるように
これからは解り合っていきたい
強い風が吹き荒れて
思わず目をつぶってしまう
風が去ったその後に
見上げた空は清らかで
こころの中の靄さえも
どこかへ連れ去ってくれたよう
そんなふうに自然に思えたのは
少し柔らかな季節が
そっと後押ししてくれたから
お読み下さりありがとうございました。




