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【233】 さらりさらり
雨が降っているので……。
さらりさらり
静かに伝う
一条 二条
静かに伝う
途中でひとつになり
また離れてゆく
まるでふたりのこれまでの
道程のよう
それぞれ違う道を歩んで
途中で混ざり合い
同じ道を進み
やがては
違う方向に向かってゆく
さらりさらり
静かに伝う
一条 二条
静かに伝う
四角いガラスを伝ってゆく
まるでそれはふたりのよう
空からひとつの粒として
お互い舞い降りてきたけれど
四角いそれに出逢ってからは
方向を定められ
行き先を決められて
もがいてやがて流れてゆく
出逢わなければ
違う道があったのかと
そんなことは思いたくない
さらりさらり
静かに伝う
一条 二条
静かに伝う
さらりさらり
静かに伝う
さらりさらり
静かに想う
少しだけ解説。
空から降ってきた雨粒が、四角いガラス(窓)に出逢って(あたって)、一条になったり二条になったりしながら、それぞれの方向へ流れていく様と、恋愛や人との出逢いを絡めて描いてみました。
お読み下さりありがとうございました。




