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【230】 朧気(おぼろげ)
目を閉じて顔を上げれば涙が
零れてくるのはなぜ
楽しかった想い出や
嬉しかったことさえも
今となっては届かない
遠い昔のおとぎ話
そのまま目を開けると
あなたの顔が浮かぶ
手を伸ばして
いくら手を伸ばしても
届かない星たちを
掴もうと
必死になってみても
遠ざかるばかり
楽しかった想い出や
嬉しかったことさえも
今となっては届かない
遠い昔のおとぎ話
目を閉じて上を向いてももう
涙さえ零れてこない
そのまま目を開けても
あなたの顔も浮かばない
あなたの声を
もう想い出せない
あなたの笑顔さえ
朧気になってゆく
あなたがくれた言葉も
もうこころに響かない
お読み下さりありがとうございました。
想い出が楽しいほど、もう戻れない哀しさがある。
初めは想い出すと辛かった楽しい想い出も、時間の経過とともに
朧気になっていくという感じ。
そうやって乗り越えていくものなのかな?