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ぎちり。

作者: 島元陽久

どこかからか、歪み、軋む音が聞こえる。

とても近くから聞こえるその音は、いつからか当たり前になっていた。

家族と。友達と。恋人と。社会と。

偽りの自分がなにかと共にある時、聞こえてくる。

それは、噛み合わさらない歯車が、並んで走って擦れた外殻が、抑圧されてひび割れる内情が。

形作るプログラム、ヨロイ、ココロ。

その全てが活動を止め、切り替わる。

当たり前を破却し、眼前に広がる全てを否定する。ただ自らというエゴだけを肯定し、視界を微睡みに落とす自己防衛機能。

再び目を開けた時、ただそこには流れていく世界があり、そこに血に塗れた本当の自分はいなかった、いられなかった。

理由も理屈もそこにはない。

偽りの中で、流れる血を慈しみ、理解できるはずもなかった。

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