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君は、覚えてる?  作者: とらまる
第二章
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討伐依頼


 決闘から数週間。学園内にはあっという間にフラントスの強さが広まり、クラスメイトからはさらに恐れられるようになったフラントス。いつの間にか彼女に通り名がついたのだが……まあ、それは置いておこう。


 それで、前に先生の話していた魔物の討伐についての話が俺、エミル、フラントス、ルークの四人に振られた。


「君たちには魔物の討伐の援助に行ってもらいたいのだが……いいかね?」


 学園長のその言葉に、無意識に体がこわばる。

 本物の魔物との闘い。待ったなしの大勢が相手だ。一度致命傷を負えば、運がよくないと死ぬ。フラントスの能力だって効かないし、俺たちなんかで相手ができるのかさえ分からない。まさに、未知との闘い。

 そんなことを考えていると、堂々とした声でフラントスが言いきった。


「はい、わかりました。」


「……ユリアが行くなら、俺も行こう。」

「っだったら、私も行きます!」

「……俺も、お願いします。」


 それを追うようにして俺たちも言い切る。やっぱり恐怖はあるけど、フラントスが行くのに負けてられない。いくら多い属性を持っていても、フラントスが使えるのは風だけ、という制限がある。まあ、それでも強いのだが……俺にもプライドが、あるしな。


「行き帰りについては私が負担しよう。

魔族の討伐の援助をする者は他にもいるから、協力して命を落とさないようにしてくれ。

とりあえず、明日から一週間だ。武器も好きなのを持って行って構わない。」


 他にもいるってことは、俺たちよりも強い先輩がいるってことか。性格に難がなければいいが……まあ、その場合は必要最低限の会話だな。

 にしても、明日から一週間って急すぎないか? もっと余裕をもっていってほしい。


「それと、今日は明日からの一週間に備えてしっかり休息をとってくれ。

授業に出なくても構わない。」


 休息、とは言われたけどそんな暇はないだろう。

 どれだけの実力が必要かが分からないのに、余裕をこいてだらだらする奴はとんでもない能天気野郎だ。命がけの討伐なのだから、それなりの準備をするべきだろう。


「わかりました。

では、失礼します。」


 フラントスが退出するのに倣って、俺たちも出る。

 しばらく歩いていると、前を歩いていたエミルが急に振り返り、提案をした。


「ねえ! 四人で特訓、しない?」


「ああ、それが良いだろう。」

「ユリア、よろしく頼むぞ。」

「ええ、もちろんです。」


 それは、俺も考えていたことで。同意を示せばルークとフラントスも反対などせずに頷いていた。

 寮へ向かっていたところを方向転換し、練習場へと向かった。

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