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おもらし精霊記(仮)  作者: ビタワン
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魅惑の温泉リゾートとアニマルセラピー、精霊様付き

うーん、投稿スパンが年単位になってしまってる

この世界に来て10年くらいたった…気がする。

余はすべて事もなし。ひたすらぐうたらスローライフです。

とはいっても、この森から出られてないから世界がどんなになってるとかはあんまりわからないんだけどね。


そうそう、なんとなく自分がどういう存在なのかはわかってきた。

なんというか……浄水器?そんな感じ。


でっかい狐のツネキチ君に乗せてもらって森の端に行ってみたんだけど、この世界は西側からなんか良くない空気が押し寄せてたりする。靄がかってて排ガスとか卵が腐ったような匂いをもっとどぎつくしたような悪い空気。あれを体験すると、もう森の外に行きたいなんて思わないね。それを居るだけで綺麗にしているのが私らしい。


そう、「私」なんだ。

動物たちに囲まれてもふもふスローライフ送っていたら、なんかこの世界の住人の信仰パワー?みたいなのが送られてきて、色んなことができるようになった。だけどその反面、その力に乗せられた「人々の思う麗しき精霊様」イメージがどんどこ流れ込んできて、少なからずの影響が出てしまった。


はじめは胡坐をかこうとしたら座りが悪くって女の子座りになってたり。

果実にかぶりつこうとしたらいつのまにか両手を添えてしゃくしゃく齧るような食べ方になってたり。

一人称が「僕」と言おうとしたら「私」になってたり…


その時はアイデンティティの危機!とばかりに盛大に悩んだのだけど健気で可愛いモフモフ達が寄ってたかって慰めてくれて、いつの間にかどうでもよくなってしまった。たまにふと「このまま流されていいのかな?」と疑問がよぎっても、恥ずかしがろうにも相手がいないし。こんな森の中では人に逢わないもの。そんな感じで、謎パワーを特にあっても困らないと開き直った私は、それを生活水準の向上につぎ込んだ。主に食う寝る遊ぶ方面へ。




まずは食のバリエーション。

精霊様ボディになってから魚肉系統は食べられない、というか食べたいとも思わなくなったので、代わりに木の実や果物を増やした。一杯増やした。林檎や梨、無花果やら南国で育つはずのバナナとか食欲の求むるままに増やして、森の一角が常に甘い香りで満たされてるほどに。正直やりすぎたと思うけど、元日本人としては後悔はしてない。


続いては、寝床の改善。

ファンタジーの絵本に出てくるような、でっかいキノコのベッド作りました。弾力性があって、体が少し沈み込んで楽な姿勢で寝られる…なんか深夜の通販番組で紹介されてたりする敷布団みたいな心地よさ。ちなみに、うちの仲間で一番大きい体の、赤毛の熊さんことクマジローが乗っても大丈夫だった。うーん、ファンタジー。


やっぱり日本人なら風呂でしょ。

前世ではたまにシャワーで済ます面倒くさがりだったのは棚に上げ、作りましたよ露天風呂。森の仲間みんなで入れる浅くて広い風呂や、ちょっと深めのヒノキ風呂、私以外は使われるかどうかわからないけど打たせ湯とかもう上がったテンションそのままに作ってしまった。気づいたらお風呂の種類が二桁台に突入してて、どこの温泉リゾートかという豪華さに。でも、動物たちも浸かったり泳いだり流されたり順応してて驚いたよ。打たせ湯は水飲み用に使われてたけど。ちなみに、源泉かけ流しであふれたお湯は川へ流れる仕組みです。お湯の入れ替えは大事。



と、森に引きこもったままで好き勝手過ごしておりました。

だけど、なぜか寄せられる感謝の念というか、信仰パワーみたいなのの量が跳ね上がったのだけど、なんでだろう…。解せぬ。






人々にとって身近な水資源である川や池は命をつなぐ重要な存在であり、同時に命を蝕む恐ろしいものだった。


輝く森の精霊様によって、地上を吹きすさぶ瘴気の風は和らぎ土と緑は色を取り戻してゆく。もちろん、森が輝けば川も池も透明な輝きを取り戻す。しかし、上流からあるいは地の底から湧き出る瘴気をはらんだ水のせいで、すぐに濁っていく。


だがどうだろう、その日から川は綺麗な水をたたえ陽の光で輝いた。

「すぐにまた濁った水になる」と諦めを見せる人々を裏切り、水は輝き続ける。


やがて人々は気づいた。

かの精霊様が瘴気の風を防ぐだけでなく、

休むことなく水の浄化に努めてくださっていることを。


人々は精霊様の慈悲深き心と、絶えなき献身に涙を流し感謝した。

そして感謝と共に祈りをささげた。


内容を一行で:

精霊様の煮汁で浄化効率UP

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