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第7話 冒険者

そして竜人の記憶を押し付けられてから1ヶ月がたった。

 やっとのことでこの世界の基準を学ぶことが出来た。

 まず、1日は前いた世界と変わらず24時間であること、7日たつことを1週間ということ。そして30日経つと1ヶ月、420日経つと1年と計算するらしい。

 どうやって時間がわかるのかを質問した所ある鉱石を渡された。その鉱石の名は時石(じせき)。この鉱石は朝の6時~12時は黄色に光り、昼の12時~夕方の6時までは橙色、夕方の6時から深夜の12時までは紫、深夜の12時~朝の6時までは黒と時間帯によって光る色が変わるという不思議な鉱石だった。

 細かい時間がわかったのは砂時計があったからである。

 ネージュの話によるとこの砂時計を作ったのは遥か昔らしく、何人もの人が平均的に秒数を数えれるまで砂の落ちる速度を調整したらしい。はっきり言って狂気のレベルである。

 まあ、そんな感じで日々の時間とかは把握しやすい。

 次に通貨だ。こちらテンプレ通り白金貨、金貨、銀貨、銅貨と4段階にわかれている。

 だいたい銅貨1枚で一般人の昼食、前の世界で言うなら100円の焼き鳥が食べれる。銀貨は1枚で1万円のゲームが買える。金貨は1枚で100万の車ひとつ買える。そして白金貨だがこれだけは特殊で1枚あたりの価格がつけられない。何故かといわれれば簡単である。この白金貨王族しか持っていないため本当に存在しているかどうかする怪しいためである。

 基本的に金貨1枚あればこちらの世界では普通の暮らしが半年はできるらしく。向こうの世界と違ってお金自体の基準値が低いようだ。

 もちろんそれに対して給料の量も一般人が1日酒場で働くとすると銅貨10枚。これでも破格の給料らしい。つまるところ1日働いて入る給料は昼食10回分。こっちの世界は向こうの世界と違い生活の基準が安いためこれだけあれば三日は平気らしく基本的に文句を言う人達はいないらしい。

 ただこれは商業や街が大きく活発的な所でしか無いらしく、田舎の方になってくると奴隷のような扱いがある。実際に俺がいた場所もそのような環境だった。

 考えてもみれば母様のご飯の量は異常に少なかった。

 ・・・いかん憎しみの方に感情が行きそうになった。

 えっと・・・そうだ。

 この世界の名というのは存在して無いようだ。国と国を行き来して旅する人は以上に少ないためである。

 冒険者は確かにいるが魔物を倒さなければ収入が得られないことを考えると普通に仕事を探したほうがいいのであろう。しかも命の危険も出てくる。だから世界という視点で見る者がいないのである。

 だから国の名前しか無く、今いるこの国の名はマリスタ国。全てを平等にを掲げている国らしい。

 平等という言葉を聴いた瞬間に反吐が出そうになったがそこは我慢した。

 現状表だっての国と国の戦争とかは無い。逆に言えば裏では戦争をしているということだがそこらへんはいいのだろうか?

 と・・・肝心なこと忘れてた。

 ステータスについてだ。

 さて・・・平均的な10歳のステータスはこうだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前:******


性別:*


種族:人族


HP:600/600

MP:250/250


 力 :23

 魔力:35

 知能:60

 防御:11

 精神:33

 速度:26

 運 :17


能力


 体力消費軽減


スキル

 

 各属性の内一つ



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 さて?これで俺のステータスと照らし合わせると・・・


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前:イチノミナル


性別:男


種族:人族(竜人族)


HP:8900/8900

MP:12450/12500


  力:91

 魔力:183

 知能:286

 防御:101

 精神:305

 速度:77

  運:41


能力


 精神耐性、疲労耐性、環境耐性、体力消費軽減、ステータス上昇補正、覚悟、正論毒舌、幸運、魔法取得速度補正、適正力、物理耐性、魔法耐性、貫通


スキル


 威圧Lv3、論破Lv2、火魔法Lv3、水魔法Lv2、土魔法Lv3、風魔法Lv3、光魔法Lv2、闇魔法Lv2、精霊魔法Lv2、精霊召喚Lv4、格闘技Lv1


ユニークスキル


 洞察の目、スキル上限開放、開眼、竜人化


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ・・・異常である。

 能力の量もそうだがスキルもなんなの!?

 あれから1ヵ月間精霊召喚し続けて今では各精霊小さい子供の絵柄に変わった。

 そして精霊召喚のスキルがLvが上がったため複数召喚できるようになったのでさらに成長する速度が早くなった。

 ちなみにステータス全般について聞いてみたが視ていて驚いたがスキルのところにあった各属性でそれが全て吹っ飛んでしまったらしい。

 ・・・泣いていいだろうか。

 ただ俺は普通に生活したいのにこんな異常な能力やスキルを持って挙句の果てにはこの世を救えだって・・・段々と普通への道を潰されていっているぞこれ・・・

 だがもらってしまったものはしょうがないこれを持った上で普通に生活すれば問題無い。

 そしてそこで思考が中断されるような音が聞こえてきた。


「ネージュ!!ネージュ!!!」

「朝からうるさいよ!コーリア!」

「いいから聞いて!」


 さっきまでベットの上で考え事をしながら寝た振りをしていたナルだったがコーリアの声に驚き部屋の外に出てきていた。

 そしてコーリアはナルを見る余裕も無いのかネージュの肩をガシッ!と音が鳴るような力で掴んでいた。

 

「ネージュ!私はあと少しで霊眠期(しんみんき)に入るわ!!後のことよろしくね!ナルも元気でね!」

 

 言うだけ言ってコーリアはパタリとその場で倒れた。


「母様!?」

「あー大丈夫だよナル君。これはハーフエルフなら100年中に1回はあることなんだ」

「それは?」

霊眠期(しんみんき)、約3年間眠り続け精霊との力を強くするための期間。これはハーフエルフにしか無いことで体に精霊を馴染ませるために起こることなんだ」

「つまるところ?」

「コーリアは後3年は絶対に起きない」


 突然すぎるでしょうが・・・

 あまりの事態にちょっと頭痛がし始めたナルだったが色々と諦めた。

 さてどうしたもんか・・・

 考え込んでいるナルの姿をネージュは見てこう言った。


「ナル君冒険者になってみるかい?」

「冒険者ってあの?」

「そうあの冒険者だ」


 冒険者か・・・確かにいいかもしれないが・・・

 

「大丈夫精霊は成長して隠蔽も完璧に近い。それに冒険者は情報をある程度偽れるからね」

「なるほど・・・」


 確かにこのままだとただ飯食らいになってしまうし、母様の世話に掛かるお金を考えると色々とまずい。

 ならやることはひとつだろう。

 

「やってみます」

「わかった。じゃあ今日中に登録を済ませてしまおう。はい銅貨5枚を渡しておくからそれを使って冒険者ギルドに行って冒険者登録をするんだ」


 そう言ってネージュが渡したのは銅貨5枚が入った皮袋だった。

 ここからは自分の力でお金を稼いでいけということなんだろう。


「最後にナル君。3年後までここに帰ってきてはいけないよ?精霊の渦に飲まれる可能性があるからね」

「ネージュさんは大丈夫なんですか?」

「私は平気だ。こういう機会は初めてどころか何回もあったからね」

「・・・わかりました。それじゃあ行ってきます。母様をよろしくお願いします」

「まかせたまえ」


 少しコーリアのことを心配に思ったナルだったがネージュであれば大丈夫であろうと判断し早速、冒険者登録をするために出発するのだった。

 服も小さい時の服をそのまま大きくした物しか無く、他に荷物なんて無い。しかも当然のごとく街に出るのなんてこっちに来た時以来なので道はわからない。

 なので街の人に道を聞きながらやっとのことで冒険者ギルドにこれた。

 道中かなりの人から変な目で見られたが仕方ないと思うことにした。

 何故ならその目は道を知らないのにここにいるって目で見られたからである。そんな目で見られても知らないものは知らないんだからしょうがないと割り切った。

 とそんなことよりも登録登録っと・・・

 ナルは冒険者ギルドのドアを開き中に入った。

 冒険者ギルドの中は一言で言うならちょっと人が少ないだった。

 やはり命の危険がある冒険者になる人は少ないのだろうか?

 そんなことを思いながら受付らしき場所へと移動する。


「こんにちわ!初めての方ですね?」

「え?はい」


 どうしてわかったのだろうかと疑問を持ったが次の話で直ぐに理解した。


「あはは・・・ここにいる冒険者って大体の人が成人している人だけですから」

「なるほど」


 確かにそう言われると10歳に見える子供なんて見たこと無いからすぐにわかるだろう。

 ちなみに成人する歳は18歳なのですぐに判断されたというわけだ。


「それでは改めまして・・・こんにちわ!冒険者ギルドに何の御用でしょうか?」

「冒険者登録を」

「え?」

「だから冒険者登録を」


 何もそんなに硬直しなくていいじゃないか。

 というかよくよくみたらこの人エルフじゃないか。

 耳長いし、髪は綺麗な金髪だし。ただやはりエルフの特徴なのかね?胸は余り無い。

 とそんな馬鹿ことを考えていると受付嬢の顔を真剣な顔になっていった。


「本気ですか?」

「ええ」

「あなたみたいな少年が?」

「はい。そうですが?登録には年齢の制限は無いはずですよね?」

「・・・少々お待ちください」


 それだけ言葉を残して受付嬢は後ろにある階段を上っていった。

 ・・・一体どういうことだ?

 何か起こりそうな予感がしつつ受付嬢を待つナルだった。 

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