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第10話 エルフと仕事

「ギルド長!そっちお願いします!」

「わかりました!そっちにハイムさんを送ります!!」

「ありがとうございます!!」


 ・・・何故こんな言葉が交わされているかと言うと。


「おーい!まだか!?」

「こっちの報酬もまだだぞ!!」

「おねーちゃんこれ終わったよー!」


 ・・・とこの通り人で溢れかえっているためだ。

 ナルの考えによりここのギルドは大きく変化したがそれによって新人冒険者の量も一気に増えた。よってその反動として受付は常時回転中。5個目の受付も開き対応している所であった。


「はい!これが今回の報酬になります!ブラッドウルフ討伐により銀貨1枚です!次の方どうぞー!!」


 後1つの受付はまだ開けてないというか開けれない。人数不足のためエルフであるカルプさんに人を紹介してもらったが信頼できそうなのは5人しかいなかったため現在の従業員は俺とカルプさんを合わせて7人そして受付に4人入っている時は2人休憩というスタイルをとっていた。

 

「はい!これが今回の・・・・・・・・」


 もう何回言ったかも覚えてない・・・。

 そして夜になりギルドが開いている時間が終わった。最後の冒険者がギルドを出た瞬間と同時に受付嬢達が床に座り込んだ。


「「「「「「疲れたーーーー!!!」」」」」」


 デスヨネー・・・

 

「皆さんお疲れ様です。今日も忙しかったですね」

「ギルド長・・・」

「はい。これは疲れた皆さんにです」


 そう言ってナルが差し出したのは冷たく冷えた飲み物だった。


「ギルド長これは?」

「そうですね・・・おいしい飲み物と言っておきましょうか」

「お酒ですか!?」

「違います」

「ぶう・・・」


 今、飲み物と言う言葉を酒と勘違いした人はミタリア・クレレさん。酒豪であり、エルフの里にある酒がまずく感じ始め外に出たという人だ。

 容姿は普通のエルフとは違い胸が大きく恨まれることも多々あったとか・・・髪は綺麗な黄金色と言ったほうが正確だろう。顔は美女である。年齢は不明。

 ちなみにだがエルフを冒険者として以外雇う所などほとんど無い。なぜなら精霊に好かれているのが主な理由だ。

 エルフが鍛冶をすればそれは精霊の力が付与された武器、防具になる。エルフが料理をすると料理に使っている野菜や香草などが成長しはじめ料理にならない。とこのようにエルフはいるだけでなんらかの影響を与えてしまうらしい。

 ちなみに母様はハーフエルフなのでそういう力が余り働かないみたいである。俺は・・・なんでだろうな?


「あまっーい!!」

「あれ?私のは酸っぱい?」

「んー?しょっぱい?」


 発言している順にディマイア・レトカ、エイカ、トトカとエルフにしては珍しい三姉妹である。

 エルフではまだ子供の年齢らしく79歳らしい。

 ・・・彼女たちは普通にエルフの里で暮らしていたかったらしいがエルフにとって三姉妹とは忌み子扱いでハーフエルフと同じように嫌われている。親が森で魔物と遭遇し死に里は彼女を追いだした。という話だ。

 

「これは柑橘系・・・?違う・・・でも・・・」


 味を確かめて何かと模索しているのはメディア・パタカ。カルプさんの友人であり料理好きの人だ。他の人たちと違い左目にモノクルを掛けている。現在260歳らしい。

 エルフの里から外に出たのは趣味?である料理のため。里の料理は基本的に野菜、山菜ばかりで味に空きがきたのが理由である。

 

「はあ・・・おいしいですね」


 ため息をついた彼女はメルクトン・カルプ。この中で一番歳・・・


「何かいいましたか?」

「イエナンデモアリマセンヨ?」


 ・・・一番最年長であり、このギルドを一人で切り盛りしていた人だ。

 エルフの里には嫌気がさしたらしく親と里に絶縁を出してきたらしい。当初のことを聞こうとすると目が少し暗くなるのでかなりの闇を抱えているっぽい。

 

「さて今日の問題点をまとめましょうか」


 これは毎日行っていることで日々問題点を上げ改善点を見つけるための会議みたいなものである。


「はい!」

「どうぞレトカさん」

「人が足りません!!」

「・・・やはりですか」


 これには全員が頭を悩ませている。一応今のままでもやっていけることはやっていけるが休憩時間を削ることになる。・・・いかん絶対にそれだけはいかん。あのクソ会社と同じような環境だけは絶対につくらない!


「・・・・・・仕方がないです。明日奴隷商に行っていきます」

「・・・それは」


 カルプが口ごもるのと同時に他の人達も暗い雰囲気になり始めた。

 ・・・仕方ないと思う。この世界の奴隷とはその名の通り隷属するからだ。だが俺はそんなことは絶対にしない。

 いかに奴隷だろうが亜人種だろうが関係ない。その人たちは働き手であり仕事仲間になる。なら家畜の用に扱うなんて阿呆のやることだ。


「大丈夫です。皆さんが思っているようなことはしませんので」

「ひん剥いてピーした・・・」

「あーーーー!!!」

「ちょっとレトカは疲れてるようなので寝かせてきますね!!!!」


 ピューっという音が最も適しているような感じで自分の寝室に消えていった。

 ・・・地味に精霊の力を借りたな。

 ちなみにだが一応彼女達の住まいはここ冒険者ギルドとなっている。この冒険者ギルド改装の時によく見たら余ってるスペースが以上に多かったので従業員用の部屋を作ったというわけだ。今は4部屋埋まっているが後6部屋もあるのでそんなに問題にはならないと思う。


「・・・ゴホン。それで話を戻しますが。まず私は奴隷を奴隷として扱うつもりはありません」

「それはどういう・・・?」

「これは皆さんにもお願いしたいことなんですが。決して奴隷達を奴隷という目で見ないでください。犯罪を犯して奴隷になっているのには別に構いませんがその他の奴隷達はお金がなくて身を売ったりしている人達です。同じ人(・・・)なんです。だからお願いします。彼ら彼女らを決して見下さないでください。仕事ができないから役立たずとかも思わないでください。どうかお願いします」


「「「・・・はい」」」


 いつの間にか涙声になりながらナルはカルプ達にお願いをしていた。それぐらいにこの世界の奴隷という立場はひどいのだ。

 道行く所にある石ころ程度にしか思ってないのがこの世界の常識だ。


「・・・では明日から二日間休みですのでその間に奴隷を雇ってきます(・・・・・・)。男女どちらがいいとかありますか?」

「女の子!それも酒好きの!」

「食べ物を美味しく食べる人なら誰でも」

「受付ということを考えると女性の方がいいですね。後、雇うのは1人ではなく3人の方がいいと思われます」

「何故ですか?」

「・・・もう。人を試すようなことを言うのは感心しませんよ?」

「すいません。後もうひとつ修正を3人ではなく4人ですよ?」

「え!?」

「理由は簡単です。まず2人は受付。もう1人は僕の下にこれがカルプさんの考えていたことですね?」

「は、はい」


 ちょっと惜しかったな。


「もう1人は家事仕事です」

「あ・・・」


 察してくれてありがとうございます・・・さてここでここの従業員がいつ自分の下着や服を洗っているでしょうか?正解は俺がやってます・・・・・・


「まあ、そういうことですので・・・」

「あ、はい・・・こちらこそすいませんでした」


 基本的に彼女達には仕事が終わるとお風呂に入ってそのまま寝てしまう。なので、その分裏方の仕事はすべて俺がやっている。料理に掃除、洗濯、書類の整理とか本当にいろいろだ。

 ・・・ええそうですよ!俺も一応は男なんだ!しかも歳は実質26歳!そんで体はいつの間にか12、3歳の体!ちょうど欲とかいろいろが出るくらいの体の歳なんですよ!!!!


「それじゃあ、全員女の子でいいですか?」

「「「問題ありません」」」

「了解しました」


 そして次の日にナルは奴隷を買うために自分の給料の全てを持って奴隷商に向かうのだった。

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前:イチノミナル


性別:男


種族:人族(竜人族)


HP:9900/9900

MP:14500/14500


  力:91

 魔力:196

 知能:312

 防御:101

 精神:335

 速度:92

  運:41


能力


 精神耐性、疲労耐性、環境耐性、体力消費軽減、ステータス上昇補正、覚悟、正論毒舌、幸運、魔法取得速度補正、適正力、物理耐性、魔法耐性、貫通


スキル


 威圧Lv3、論破Lv2、火魔法Lv3、水魔法Lv3、土魔法Lv3、風魔法Lv4、光魔法Lv3、闇魔法Lv2、精霊魔法Lv3、精霊召喚Lv6、格闘技Lv2


ユニークスキル


 洞察の目、スキル上限開放、開眼、竜人化


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