部活動見学。
新学期がいよいよスタート。初めての部活動の体験入部…。
新学期1日目。自然に目が覚めた。時計は6:00。余裕な顔で家を出て、友だちとあれこれ話しながら歩く。
今日、歩いている道は6年間歩き慣れた道ではない。全くの新しい道なのだ。
周りの景色が違うことで、改めて自分が中学生になったことを実感する。
卒業式と入学式を終えてもまだ咲いている桜。その淡く美しい桃色と相対するように私の心はモノクロで憂鬱だ。
パッとしない気持ちで初めての授業が始まる。1時間目から4時間目までずっとオリエンテーションが続いた。長時間頬杖をついていたせいか、手首が少しだるい。
あっという間に1日が終わった。もう少し楽しい何かが欲しいと感じたが、諦めてすぐに布団に入った。
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新学期2日目。今日はイベントがある。
部活動見学。小学校では「クラブ」、中学校ではそれが進化して、「部活動」に変わるのだ。
退屈な4つの授業後、ついに放課後がやってきた。
教室を早足で出て、1番乗りで再登校した。見学・体験入部は今日から3日間で行われる。初日はまず吹奏楽部に向かった。
「新入生の皆さん、入学おめでとうございます。今日は実際に楽器の体験演奏と最後に私たちの演奏を予定しています。どうぞ、今日は楽しんでいってください!!」
部長の挨拶が終わり、演奏をする楽器を持ち、先輩の指示で別室に移る。
先輩はとても優しくて、明るい印象。とても楽しい時間が流れていった。
そして、最後に音楽室に戻り、全体演奏を聞いた。
翌日は美術部に行った。
用意された椅子に座って、みんなで自由に絵を書いた。
でも、一人…見覚えのある先輩がいた。
小3の時に友人だった、岩葉 南という子の糸子・岩葉 美緒だった。ワタシはこの人がとにかく苦手で、南ちゃんの家に遊びに行ったときはすごく苦労した。この人の存在によって、ワタシは美術部への入部を断念した。
そして部活動見学の最終日、あまりこれといって興味があったわけじゃないけど、卓球部に行った。
2階の多目的ホールでかなり多くの先輩が準備を整え、待っていた。
「1年生の皆さん、こんにちは~っ!!」
「こんにちは~!!」
「これから一緒に柔軟体操を始めますので、指示に従ってください。」
軽い5分程度の柔軟体操を終えた後、男女に分かれ、女子は別室へと案内された。
女子卓球部の先輩はわずか4人。男子は20人くらいいるのに…。
体験には小学校からの友人の濱田 里歩や、池本 有希菜、大松優希菜が来ていた。
「じゃあ、まず、自己紹介しますっ!
私は真川 百合です。」
「大久 愛菜美です。よろしくねっ♪」
「栄 光梨です。下手だけどよろしく~!」
「富岡 りおな です。2年生は私1人ですが、よろしくお願いします。」
3年生の先輩が3人と2年生の先輩が1人。
この学校で1番人数が少ない部がここ、と先輩方は言う。
部の説明が終わり、さっそく体験がスタート。
1人1つずつラケットを持ってまずは玉突き。
小さいボールをラケットの上でポンポンとバランスよく突くのが難しい。
思ったより体験は楽しくて、あっという間に時間が流れていった。
先輩が優しかったのもあって、終わる頃には「この部に入部しようっ!」と言っていた。
他のみんなもほぼ入部確定で、明日の放課後が今から楽しみになった。