~5突き目~
決着が着き…?
「しかし、お前らの事は親友だと思っていたんだがな。」と僕が言うと
「まあ、確かに、対立する組織同士じゃなきゃ本当の親友になってたかもしれなかったけどね。あぁ、颯今からでも遅くない。こっち側に来なよ?歓迎するからさ。」と
言ってきた。
「馬鹿が。んな事する訳ねぇし、しようと思っても師匠'ズがさせてくれる訳ねぇだろが。」
「まあ、そう言うと思ったよ。」と言い航は構え、蓮治もそれに倣った。
「お喋りはこれ位にして始めようか、颯?」と目をギラギラさせながら言った。
その目は友人に向ける様な目ではない。これから自分がやろうとしている凶行に興奮している目だ。
「出来るなら戦いたくなかったが、仕方ないな。」と言い自分も構える。
「「いくぞ、颯!」」と二人同時に突っ込んでくる。
早く、終わらせるっ!
二人間に体を割り込ませ掌底で引き離す。
「航、まずはお前からだ。」
右廻し蹴りを放つ。上体を低くし躱されるが蹴りを戻し踵落としをヒットさせ床まで叩きつける。 ドゴォォッ! ミチッと嫌な音がする、くっそ!
「次っ!」と振り払う。
蓮治は細かく突きを繰り出してくる。突きを読みカウンターを放ち腹部に膝をいれ、
くの字になった体めがけ肘を喰らわせる。 メキィィッ!
ここまでに掛かった秒数は7秒。それは僕が『体剛』を維持していられる眼界の時間だった。
なぜここまで本気でやらなければならなかったのかと言うと、体剛を使わなければ長引いてしまい、反撃の隙をあたえてしまう。
一番は、友人を殴る回数を減らしたかったからだ。
敵だとは思っていても、ちょっと前ままでは普通に友達だった。
簡単には割り切る事はできなかったからだ。
「また、『ゼーレ』を抜けて戻って来いよ。待ってるからな。」と気絶している二人に言い残し師匠達のもとへ向かった。
二人が負けた事でもう残っている『ゼーレ』のメンバーはもういなかった為師匠達に言いたい事があったからだ。
「なんで、あいつらを追い出さずに僕と戦わせたんですか!
あいつらが『ゼーレ』だと知っていたなら、いずれ戦う事になるはずだと師匠達は分かっていたはずですよね?どうしてなんですか!?」と僕が勢い込んで聞くと
精矢師匠が「君に、心の強さを持ってもらう為だよ。これからもっと辛い事が待っているかもしれない。
大切な人とも戦わなくてはならないかもしれない。その時に耐えられなかったら、君は死んでしまうんだ。
さっきなら、私達が出て止める事が出来たが、いざ本番の時に私達が居るとは限らない。敵は容赦なく襲いかかってくるんだ。
でも、君は心の強さを証明してくれた。本当に友達に裏切られた時に戦える様に。」
「え、本当にって…?」
「おい、君達出てきて良いぞ。」と精矢師匠が言って出てきた人は。
「蓮治…、航…。」と僕が状況を把握出来ずに居ると。
「悪いな、颯。騙しちまって。精矢師匠から颯の心はまだ甘いと言われててな。
何か出来る事は無いかとお願いしたらさっきの芝居を計画してくれたんだ。」とニヤリとしがら航が言った。
「しかし、効いたぜお前の肘。容赦ねぇんだもんな。」笑いながら言った。
「て事は二人とも『ゼーレ』じゃなくて、さっきのは芝居、と」と聞くと全員で頷いた。
「くっそふざけんなよお前らぁ、俺がどんな気持ちで戦ったと思ってんだよ。」
「だから、悪いって言ってるだろ?お前も殴ってたしおあいこだろ?」
と言われ
「もういいわ」と諦めた。
その夜の修行は免除となり、三人で騒いだのだった。
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