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『十二星天の裏支配者 〜追放された雑用係、実は星座を喰らう最後の蛇でした〜』  作者: パーカー
第四章『観測と選択』

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第四章エピローグ 『観測の終わり、選択の始まり』

夜。

水瓶王国の空は、異様なほど澄んでいた。

亀裂は閉じたわけではない。

だが、以前より遠い。

“生存確率 57%”

白い数字が、静かに浮かんでいる。

観測塔の最上層。

水瓶王は一人、水晶を見下ろしていた。

演算は安定している。

だが以前のような“絶対性”はない。

「五割を越え、六つ目を得た」

小さく呟く。

「観測は、もはや管理だけではない」

背後でセイルが問う。

「陛下、彼を止めますか」

水瓶王は首を振る。

「止められる段階ではない」

視線を空へ向ける。

「七つに届けば、世界は確実に揺らぐ」

「だが届く前に折れるかもしれない」

未来は、まだ分岐している。

それが何よりの変化だった。

一方、城外の高台。

アルクは夜風に当たっていた。

胸の六つが、静かに回っている。

蛇。

牡羊。

蠍。

王毒。

獅子。

そして水瓶。

未来の流れが、わずかに読める。

干渉の予兆が、薄く感じ取れる。

だが完全ではない。

「重い?」

隣に立つリゼが問う。

「ああ」

正直に答える。

「でも前より静かだ」

未来の洪水は消えた。

整理された。

だがその分――

七つ目の輪郭が、はっきり見える。

遠く、東の空。

微かに輝く均衡の光。

リゼの天秤が、静かに反応する。

「次は……」

彼女の声が揺れる。

アルクは空を見上げる。

透明な亀裂は、まだそこにある。

完全には消えない。

だが怯えない。

「次は天秤か」

均衡。

裁定。

選択の最終判定。

リゼの表情がわずかに硬くなる。

「そこに触れたら、私も無関係じゃいられない」

沈黙。

風が吹く。

アルクは笑う。

「今さらだろ」

だが分かっている。

七つ目は、世界だけでなく、

リゼとの関係も揺らす。

空の彼方で、わずかに光が瞬いた。

管理者の観測は続いている。

だが今は、まだ静かだ。

六つ。

残り一つ。

選択の起動条件まで、あと一。

アルクは目を閉じる。

恐怖はある。

だが、それ以上に――

選びたいという衝動が強い。

水瓶編、終幕。

物語は最終段階へ。

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